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随筆/五芒星がみえる

 昨日、流星があったという話題がありました。しばらく前に、浅間山の麓で遺跡調査をしているときに、獅子座流星群というのをみたことがあります。複数の流星がいくつも落ちてきてさしずめ線香花火のようでした。そんなわけで本日は流星と星の話題です。

 流星にはとても興味深い物質で構成されていることが判っています。第1にあげられるのはアミノ酸、第2にあげられるのは隕鉄です。

 第1のアミノ酸はタンパク質の重要な構成物質で、生物の根幹をなしており、地球上の生命は流星がもたらしたのではないかといわれています。もしかすると私たちは流星の子孫なのかもしれません。

 第2の隕鉄は純鉄と置き換えてもいいでしょう。純鉄はその名の通り純度の高い鉄のことをいいます。これが青銅器時代の人類のもとに落ちてきました。青銅器は低温で造りやすいのですが、鉄をつくるには高温となるため溶鉱炉が耐えられず、造ることは至難です。ところが純鉄ははじめからできあがった高品質の鉄であるため、溶鉱炉を使うまでもなくそのまま熱して炭素を加え鍛えれば表面が鋼となり剣をつくることができます。こうしてできた剣は、隕鉄剣となります。

 昔、上海博物館で、春秋戦国時代の揚子江下流にあった王国である呉や越の王墓から出土した剣の複製を拝見しました。これらの隕鉄剣の品質はすばらしく、発掘調査中に出土した時点では研ぎ澄まされた閃光を放っていたとのことです。

 さて、絵本を眺めると星が五芳星であったり十字に光を放っていたり、あるいは十を○で囲んだデザインになっているの目にします。これらは古代オリエントでつくられたようですね。しかしながら、アラブ圏の人たちはやたらと視力が高いとのことで、北斗七星第8の小さな星が見えた人が戦士となる資格が与えられたときいたことがあります。俗説によると視力4.0なのだとか(ありえないです~っ!)。

 一方、私が子供のとき、視力は1.2を越えていました。星は点にしかみえません。絵本のようなデザインにはみえようもなくやたらと疑問に思っていました。ところが最近、乱視がはいってきました。するとどうでしょう、十字、○十字、五芳星にみえてきたではありませんか。

 ──ということは、古代オリエントで瞬く星のデザインを考案した意匠作家は、乱視だったのに違いない……という結論に達しました(またたく星の意匠に関する奄美説)。

     了

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  ノート20091021/校正20160506

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