随筆/フェルメール展
過日、私は東京都立美術館フェルメール展にでかけました。上野駅に到着したのは10時30分。構内のチケット売り場には行列がありましたが、上野公園入り口の交番近くの総合受付では行列がありません。早速チケットを購入。案内嬢の話では、(20分待ち)とのこと。そこで11時から12時まで、国立美術館にある法隆寺館内のホテルオオクラレストランで食事をとることにしました。実は前から気になっていたレストランだったのですよ。
国立美術館のチケット売り場の横には、レストラン入場者用の窓口があり、レストラン入場券をだしてくれます。11時からの受付で、入場券はもちろんただですが、出るときはレストランでハンコを押してもらい、門の守衛さんに見せなくてはなりません。
さっそく入場券をもらってレストランに向かいます。レストランのある法隆寺館には、池田家の大名屋敷正門の横を通り、近代的な噴水の池を抜けていきます。
玄関先階段でスケッチをしている人を縫って館内に入り、久しぶりに贅沢をしようと3500円フランス料理のランチにしてみました。味は悪くないのですが、メインディシュはサラダ・魚・肉がてんこ盛りでサラダを食べている間に肉料理が冷めてしまいました。白磁の皿はノリタケでしたが絵付けがなく、食後の紅茶ではカップが珈琲用でした(カジュアルなフランス料理は興ざめだ!)。
レストランをでて、12時に東京都立美術館に行きますと、50分待ちの行列となっていました。行列のみなさんの話によると、どうやら食事前のようです。(食事してきてよかった!) しばらく待ってようやく会場に入れました。案外中は混雑しておらず、私は音声ガイダンスの機械を借りて、ゆったりと絵の鑑賞ができました。
有名な「真珠の耳飾りの少女」や「牛乳を注ぐ女」はてありませんでしたが、最近発見された「ヴァジールの前に座る若い女」は小品ながら目を引きました。鑑定で真作の決め手になったのは、フェルメールが好んで使用した、ウルトラマリンという顔料だそうで、とても高価ゆえに、ほかの画家が使わなかったそうです。この人の透明な色調の秘密はウルトラマリンだったのですかねえ。
「フェルメール展」は東京都立美術館で12月14日日曜日まで開催され、12月中は無休、9時から17時まで、金土は20時まで開館しているとのこと。入場料は1600円です。
……というわけで昨日のおでかけの総評をいたします。フェルメール展を鑑賞するなら平日の朝は混まない、オオクラのレストランは味はいいが皿がよくない、私の言葉と顔と身体はとても甘い。――以上、狼の皮を被ったスーツマン・リポーターからでした。
了
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ノート2008121/校正20160506