表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の幼馴染みは、世界一無敵な騎士  作者: 野うさぎ
第1章 親友と同じ人を好きになってしまって
4/23

第3話 ライバルがいなくなっても続く片思い

「弟と、幸せを築きあげたのは、青頭なのね。


よーく、わかったわ」


 冷たく言い放ったその言葉には、私は恐怖を感じた。


 次の瞬間、青葉ちゃんは血を出して倒れていた。


「青葉ちゃん!」


「青葉!」


 私と井藤君は、青葉ちゃんのところに駆け寄っていったけれど、脈も感じないし、息もしていなかった。


「そんな・・・・どうして・・・・?」


 私は、目の前の現実を受けれられないでいた。

 青葉ちゃんは、死んだ・・・・。


 唄さんは、せせら笑っていた。


「美しい光景ね。


あたしより、幸せになるとか信じらんない。


これで、誠を、弟を、不幸にできたわ」


 こうして、唄さんは去っていった。


 ひどい・・・・。


 青葉ちゃんは救急車に運ばれて、警察からの事情聴取を受けて、警察は唄さんを捜しに行く形になった。

 唄さんが何者なのかはわからないけれど、私は恐怖を覚えてしまった。


 私もあんな目にあうのなら、唄さんに告白する気にもなれない。

 青葉ちゃんがいなくなった今からでも、私は自分の気持ちに蓋をすることになった。


 青葉ちゃんに両親はいないから、児童養護施設の職員や子供たちが、お墓参りやお葬式などほかにも参加する形になっていた。

 私はというと、お墓参りにもお葬式にも行く気になれなかった。


 殺人現場を生まれて初めて見てしまった・・・。


 学校がある日は、井藤君がクラスの男子たちから「死人の彼氏がいるぞ!」とからかわれるところを見ては、私が「ちょっとやめなよ」と止めることが多かった。


「お前は、死人の親友か」


 クラスの男子生徒たちは、なぜか笑っていた。

 どこがおもしろいの?

 私には、クラスの男子たちの言動も、行動も理解できなかった。


「いいんだよ・・・。


僕は、まだ青葉のことが好きだし・・・・」


「井藤君?」


「はっ、死人のことを好きとか亡霊とか幽霊が好みなのか」


「言えてる、言えてる」


「ほんとにやめなってば!


本人は傷ついているの!


大切な人を失う気持ちがわかっているの!?」


「なんだよ、偽善ぶってさ」


「そーだ、そーだ」


「第一、井藤みたいなバカで赤点とるようなやつに彼女できるとかありえねーし」


「俺が親切に東海のやろうに、井藤が発達障害があることを教えてあげたのに、否定しやがってよ。


そんなことないだって、よ!


事実に目を向けないことが、ほんとの恋愛なのかつっのー!」


「え?


井藤君に発達障害?」


「知らねーのか。


こいつの障害のせいで、両親が離婚になって、家族みーんな不幸にしちまったんだ」


「井藤君、どうなの?


本当のことを教えてよ。


でないと、勝手に否定するわけにはいかないから」


 井藤君はしばらく黙り込んだ後に、静かに口を開いた。

感想、評価、いいね、ブックマーク等お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ