【十二夜】。男装令嬢は、公爵の恋のキューピッド役。でも、あなたを一番愛してるのはおそばに仕える私です!!
シェイクスピア作品を、萌えポイントをさがし、ド素人が紹介していきます。
まさに天に唾する不遜な行為……。
忘れっぽい自分の備忘録がわりです。
そうとう主観が入りこんでいます。
そしてあくまで娯楽として読んでます。
なので面白いと思う箇所にフォーカスあててのものになります。
あらすじとかならヴィキでも見れますし。
ということで学術的に論じることは自分にはいっさいできません。
能力も資格もありません。
悪しからず。
自分の備忘録としてつけていきます。
なにせ忘れっぽいので。
素人なんでご質問はご勘弁。
【十二夜】は、シェイクスピアの作品のなかでも、読みやすさはトップクラス。
シェイクスピアの歴史ものは面白いけど、登場人物が多すぎ。劇としてみれば衣装の華やかさにため息ものですけど(当時の劇では重要!!)、文で読むと頭混乱するんですよね。同名も多くて、あんた、どちら様のエドワード? とか困惑するし。
【十二夜】は、登場人物も少なめだしストーリーも明快。
読後も爽やかな気持になります。
悪役もお間抜けで憎めない。
ほんとに400年前の作品?
お勧め萌えポイントとしては、
「ゆえあって男装するヒロイン」
「でも、気持を打ち明けられないまま、想い人の恋の手助けをする」
「荒れ狂う海で生き別れた双子の兄妹」
そして忘れちゃいけない
「ヒロインの兄に惚れこみ、荒れ狂う海から助け出したうえ、危険をかえりみず敵地にのりこむ友」
とかですね。
彼は男装した妹を兄と勘違いし、知らない人と言われて悲しみの叫びをあげます。
旧き良き少女漫画の匂いがしませんか。
設定だけできゅんきゅんします。
ちょいとBLの香りもするんですよね。
いろんな性癖をつんつんしてきます。
まさに鼻血こまんたれぶー状態。
まあ、侍女マライアが気にくわない執事にしかける悪戯(お嬢さまに愛されてるとニセ文面で勘違いさせ、キチ〇イな言動をさせる)とか、ちと洒落になりませんが、人権軽視の時代としては、ごくごく軽めのざまぁです。
それと道化。現代日本だと馴染みのないこの役、しょっちゅうシェイクスピア作品には出てきます。しかも放送禁止ワード連発で主人をボロクソにけなす。時代劇だと10秒で無礼討ちにされそうです。でも、シェイクスピア作品だと、悪逆非道の代名詞リチャード三世でさえ言動を許しそう……。ぽんぽん裏切りや殺しが飛び出すのに残酷なんだか寛大なんだか。もうそういうもんだと無条件に受け入れるしかありませんね。
では、今さらながら、未読の方にざっとストーリーを。
難破し、双子の兄も失った名家のヴァイオラ姫。
かろうじてイリリアの海岸にたどりいた彼女は、その地をおさめるオーシーノー公爵に、性別と名を偽って小姓として仕え、たちまち寵愛を得る。立派な人柄の公爵に心惹かれていくヴァイオラ。公爵に恋をしたことがあるかと尋ねられ、ひそかな思いを口にするさまがいじらしい。
で、その公爵は、伯爵令嬢オリヴィアに求婚中。
しかも、頑として首を縦にふらない伯爵令嬢を口説き落とすため、公爵はこともあろうに懐刀のシザーリオ(ヴァイオラの変装)を伯爵令嬢のもとに派遣する。傷心しながら使命を果たそうとするヴァイオラ。しかし、さらに悪いことに伯爵令嬢オリヴィアは、男装したヴァイオラに惚れ、彼女のほうに結婚を申し込んできた。
そこに実は生きていたヴァイオラ双子の兄がなにも知らないままやってきて、騒動に巻きこまれ、事態は大混乱に。
それにしてもオーシーノー公爵。
あんだけ伯爵令嬢オリヴィアにべた惚れだったのに、ヴァイオラが女とわかったとたん、一刻も早く女の恰好が見たいとか、これからおまえは、おまえの主人の女主人とか、超うっきうきで笑える。おれをどんな女よりも愛するって何度も言ってたよね? って即確認するし。軽薄じゃなく、自分の艦隊に大被害を与えた敵をとらえても、武勇を褒めたたえる大人物なんですけどね。どんだけヴァイオラが好みなんだか。
まあ、ヴァイオラを男と思ってたときから、つややかなルビーの赤さの唇は処女神ダイアナもおよばぬ、とかヤバい発言してたもんなあ。オリヴィアの口からヴァイオラに懸想してることを聞かされ激昂したときも、天に誓って心から愛する大事な小姓とか言ってるし。最初からヴァイオラが正体明かしててもうまくいったのでは……。
ところで、当時の劇は少年が女役を演じています。
少年が男装する女性を男なのに演じる。
かえって倒錯的な気が……。
女性の観客はどんな気持ちで観劇してたのやら。
三省堂の図解ライブラリーのシェイクスピア劇場とかに少年役者の一日が載ってます。
ご興味がある方はどうぞ。おや、ここにも小田島先生のお名前が……。
【十二夜】の見どころはいろいろありますが、一番の見どころは、ところどころでスパークする小田島先生渾身のギャグの翻訳。
一、二の三、とくりゃサンキュー・ベリマッチ、三度目の正直、サンタクロース、サンバのリズムで産婆も踊る、さんざんくどいて三三九度だ(原文ママ)
編集さんがこれを見て「……先生!! これです!!」
と唸り、先生がうむと満足そうに頷くさまを想像すると、心がほっこりしたものでいっぱいになります。
こんなエッセイお読みいただきありがとうございます!!
あくまで娯楽感覚で紹介しています。
なので論戦を仕掛けてきませんように。
相手しませんし出来ません。
大事なことなので繰り返しました(笑)。