13 二度目の――
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新作『仲間に裏切られた俺は魔王に転生する。俺だけの最強国家を魔界に築き上げ、最強魔族の軍団を編成したので、地上にいる仲間の領土に侵攻する。さあ、待ってろよ裏切り者ども。』を始めました!
序盤の伸びがとても大切なので、応援いただけたら嬉しいです。
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「最近、よく考えるんだ。二人で異国に来たけど、結果的にいい縁につながったのかな、って」
「縁、ですか」
「ああ。『希望の盾』とか、他にもこの国で出会った人たちは温かい人が多くて、ここが俺の居場所になっていくのかな、って」
同じように『他の場所』から来たラムやゼルスが、今はこの国を自らの居場所と考えているように――。
俺もいずれは……。
「では、私はそんなお兄様の居場所になれるようにがんばります。お兄様にとって心地のいい場所に――」
「はは。ありがとう、フレア。俺もフレアが居心地よく過ごせるようにがんばるよ」
「ふふ、ありがとうございます」
俺たちはにっこりと微笑み合う。
フレアがぴとっと肩を寄せてきた。
「んー」
と、唇を突き出してくる。
ん?
「な、何?」
「え、えっと、誓いの口づけ……的な?」
「いや、なんで唇にするんだよ?」
「この間だってしてくれました!」
「あれは事故だから!」
俺は思わず叫んでいた。
頬が熱くなった。
「ふふ、まだあのときの感触が残っていますよ。私の唇に、お兄様の唇の感触……甘美な感触……うふふふふふ」
「あのな……」
しかしフレアは意外に真剣な表情で俺を見つめている。
唇を思いっきり突き出したキス顔のままで。
……しょうがない、おでこにしよう。
「ん」
俺はフレアの額に唇を近づけ、
「んっ」
その瞬間、フレアが背伸びして俺に唇を合わせてきた。
「!?」
「私、真剣ですからね……っ」
真っ赤な顔で言うと、フレアは逃げるように去っていった。
ううむ、またフレアとキスをしてしまった……。
これで二回目だ。
恋人同士みたいに、唇と唇で――。
というか、一回目は事故だけど二回目は明らかに妹の意志でキスをされてしまった。
フレアはどういうつもりなんだろう?
やっぱり、ちゃんと注意しておくべきかな。
……よし、ちょっと話してこよう。
俺は妹の部屋に向かった。