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11 キスの余波3(フレアSIDE)

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 SIDE フレア



 口づけ、してしまった……!


 お兄様と――。


 フレアは心臓が痛いほどに鼓動を早めるのを感じていた。


 生まれて初めて触れた他人の唇は、熱く、柔らかく、そして蕩けそうなほど甘美な感触を伴っていた。


「ご、ごめん、フレア……その……」

「い、いえ……私……こ……そ……」


 フレアは混乱する頭を必死で落ち着かせながら、なんとか途切れ途切れに言葉を紡ぎ出す。


「ごめん……なさ……嫌じゃ、なかったですか……?」


 もどかしいほどに言葉が出てこない。


 頭の中がぐるぐる回っている。


 今さっき体験したばかりのエリアルとのキスシーンが、何度も何度も脳内で繰り返し思い浮かぶ。


 甘く、切ない感触とともに。


「嫌じゃないよ。フレアこそ……嫌な思いをさせてしまって悪かった……」

「嫌じゃないです!」


 申し訳なさそうな兄を見て、フレアは思いっきり叫んでいた。


 そう、嫌じゃない。


 嫌なわけがない。


「私、とても幸せです……」

「えっ……」

「叶うなら……アクシデントではなく……」


 言いかけて、ハッとなる。


 頬が自然と熱くなる。


「ねえ、お兄様は私のこと……どう思ってらっしゃるのですか?」


 ほとんど無意識のうちに、両手を兄の首に絡め、兄の顔を自分の方に引き寄せる。


 もう一度、今度はもっと深い口づけを――。


 エリアルは呆然とした顔でこちらを見つめている。


 やはり、戸惑いが大きいようだ。

 こちらから無理やりキスなんてしたら、今度は兄に拒絶されるかもしれない。


 そう考えたとたん、フレアの動きが止まった。


「……ごめんなさい。いくらなんでも、はしたないですね……」

「フレア……」

「だけど、私は……いい加減な気持ちではありませんから」


 ふう、とため息をついて、エリアルの首に巻き付けるようにしていた両腕を解く。


 ゆっくりと身を起こした。


「私はそろそろ休みます。お兄様もお疲れでしょう? ゆっくり休んでくださいね?」

「あ、ああ……」


 エリアルは深い息をついた。


「おやすみ、フレア」

「おやすみなさい、お兄様」


 それはいつも通りの、兄妹間でのおやすみの挨拶だった。




 フレアは寝室に入っても、まったく眠れなかった。


 完全に目が冴えてしまっている。


「お兄様、私……」


 そっと自分の唇を指で押さえる。


 信じられないほど火照ったそこには、まだ兄の唇の感触が残っている。


 驚きや戸惑いはあったが、それを圧倒するほどに湧き上がってくるのは、強烈な多幸感だった。


「お兄様に……もっと触れたい……」


 ドクン、と胸が高鳴った。


 フレアはもう、エリアルを兄として見られなくなっていた。


 はっきりと……恋しい異性として、意識していた。

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乙女ゲーの没落貴族に転生 ~原作知識で領地改革&有能な人材をかき集めて、破滅フラグはまとめて叩き折る。気付けば領地は繁栄し、俺はハーレム生活を堪能していた~


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