10 キスの余波2
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新作『仲間に裏切られた俺は魔王に転生する。俺だけの最強国家を魔界に築き上げ、最強魔族の軍団を編成したので、地上にいる仲間の領土に侵攻する。さあ、待ってろよ裏切り者ども。』を始めました!
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「むむむ……それだけお兄様がモテるということですね。私もうかうかしてられないです……」
「えっ? えっ?」
フレアは妙に暗い顔でブツブツと言っている。
目がうつろで、どこか焦点が合っていなくて――。
本当にどうしちゃったんだよ、フレア……!?
「お兄様っ……!」
ずいっ。
フレアが俺に近づいてきた。
ものすごい勢いで。
ものすごい形相で。
「あ、あの、フレア……?」
その剣幕に俺はタジタジだった。
「お兄様……」
すうっ、とフレアが深く息を吸い込む。
俺も思わず息を吸い込んだ。
「私と――キスしてください……っ!}
「えっ!?」
いきなり何言ってるんだよ、フレア!?
「兄妹ですから。親愛のしるしに」
「普段そんなことしないだろ」
「では、これからはするようにしましょう」
言いながらフレアが近づいてくる。
「いや、ちょっと待――」
「んー」
思いっきり唇を突き出してくるフレア。
そこに、キスをしてほしいというアピールだろう。
だけど――それ、どう考えても親愛のキスじゃないぞ。
恋人同士とかでするやつだ。
「待て、落ち着けフレア――わわっ」
「きゃあっ!?」
つまずいたフレアが俺にのしかかってきた。
そのまま背中から倒れてしまう俺。
フレアを抱きしめるような格好で受け止め――、
「んんっ……!?」
勢いで互いの唇が軽く触れ合ってしまった。
「あ……」
キス、してしまった。
それも唇と唇で。
妹の、フレアと――。
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