9 家族愛と恋心
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フレアとエリアルに、血のつながりはない。
実の兄妹では、ない。
ならば、自分と兄の関係はまったく変わってくる。
「どうした、フレア?」
「お兄様、えっと、その……」
どうしよう、と焦った。
いつもなら普通に流れる会話が、今はやけにぎこちない。
何を話せばいいのか、頭の芯が熱くなって言葉が出てこない。
「と、とにかく、ご無事でよかったです……っ」
と、抱き着いた。
「はは、心配させたか? 悪かったな」
「いえ、こうしてお兄様のお顔を見ることができたので。私は満足です」
フレアは顔を上げた。
兄と目が合う。
胸が締め付けられるようだ。
甘く蕩け、切なく疼く。
この感覚はなんだろう。
――いや、考えるまでもない。
本当は、彼との血のつながりがないことを知る前から、フレアの中にこの感情は存在したのだ。
だが、相手が実の兄だから……と思って、封印してきた。
(でも、お兄様が本当のお兄様でないのなら……私は)
封じていた気持ちを解き放っても、いいのだろうか。
兄はこの気持ちを受け入れてくれるだろうか。
拒絶されるだろうか。
自分を女として見てくれるだろうか。
今まで通り、傍に置いてもらえるだろうか。
それとも距離を置かれるだろうか。
分からない。
自分たちの関係がどう変化するのか……あるいは変化しないのか。
もし、兄との関係が壊れてしまったら――。
考えるだけで恐ろしくなる。
「俺、ちょっと休むよ。戦いどおしだったからな」
「あ、はい。後でお食事やお飲み物を用意しますね」
「えっ、フレアが?」
「たまにはいいでしょう? お兄様をねぎらいたいのです。私自身で」
それに、何かしら手を動かしている方が気持ちもまぎれる。
「じゃあ、またあとで」
「はい、お兄様」
平然を装おうとしつつも、フレアの心は千々に乱れていた――。
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