4 心違えど、目的は一つ
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新作『仲間に裏切られた俺は魔王に転生する。俺だけの最強国家を魔界に築き上げ、最強魔族の軍団を編成したので、地上にいる仲間の領土に侵攻する。さあ、待ってろよ裏切り者ども。』を始めました!
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「ラムとランバートは俺の側で待機。ランバート、魔法で奴を狙えるか?」
「やってみる」
ランバートが呪文詠唱に入った。
彼は地水火風の魔法をバランスよく扱える魔術師だ。
【ファイアアロー】に【ライトニングアロー】、【アイスブラスト】、【ウィンドボム】――。
各種の攻撃魔法を放つが、いずれも雷甲虫の表面装甲に弾かれてしまった。
「……駄目だな。あの装甲、もともとは対物理に強かったはずだが、今は魔法にも強くなってるらしい」
ランバートが顔をしかめた。
「俺みたいなバランス型より、一点突破の高火力型の方がいいんじゃないか?」
「なるほど――」
高火力魔法なら、俺の出番だろう。
ただ、俺はみんなを守るために防御魔法を使っている。
奴が雷撃の雨を降らせている以上、防御を解除するわけにはいかない。
この魔法を維持したまま、さらに攻撃魔法を使うとなると――なかなか難物だ。
俺はチラリとリーファたちを見た。
せめて彼女たちの協力があれば、と思ったが、
「……ふん」
案の定、リーファは小さく舌打ちしてそっぽを向く。
ばりばりばりっ……!
その間にも、雷甲虫の攻撃が激しさを増していく。
地面が爆裂し、建物が吹き飛び、周囲一帯が廃墟と化していく。
「好き放題だな……!」
こんな奴がもっと大きな都市に入ったら、どれだけの被害が出るか――。
「ここで食い止めなきゃ……」
あらためて闘志が湧き上がる。
よし、ダメ元でリーファたちを説得して共闘を申し出てみよう。
と考えた、そのときだった。
「――防御ならあたしがやるわ。あなたは攻撃に専念しなさい」
リーファが進み出た。
他の隊員たちも寄ってくる。
「ティルトの部隊と共闘するなんて嫌だけど……そんなことを言っている場合じゃないしね」
「リーファ……?」
まさか彼女の方から言って
くるとは予想外だった。
「残念だけど、あたしたちの魔法能力では奴の装甲を破れない。だけど、あなたなら――」
と、俺を見つめるリーファ。
「……見下すような発言をしたことは謝罪するわ。けれど、今は作戦のことだけを考えてほしい。あなた方への償いは、その後……あたしが個人的にさせてほしい」
「償いなんていいよ。俺たちは使徒と戦うために共闘するんだ。仲間だろ」
俺はにっこり笑った。
気持ちが、熱くなる。
リーファたちにだってプライドがあるだろうし、俺たちに強く言った手前、なかなか前言を引っこめるには勇気が必要だっただろう。
でも、こうして共闘を申し出てくれた。
ありがたい。
「必要なのは謝罪や償いじゃない。それぞれが力を尽くすこと。防御を頼むよ、リーファ」
俺は一歩前に出た。
雷甲虫と正対する位置だ。
「攻撃は――俺がやる」
そして、全員の力を結集して使徒を倒すんだ。
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