9 フレアとのひととき
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新作『仲間に裏切られた俺は魔王に転生する。俺だけの最強国家を魔界に築き上げ、最強魔族の軍団を編成したので、地上にいる仲間の領土に侵攻する。さあ、待ってろよ裏切り者ども。』を始めました!
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「ご無事でよかったです……戦場からなかなか戻られないから……」
「いや、その、実は――」
俺は戦場の後、エルメダに出向いたことを語った。
「まあ! エルメダでも戦っていたのですか!」
フレアは目を丸くしている。
「居ても経ってもいられなくてさ……しかも、父上の率いる部隊が戦っている場面に出くわして」
俺は妹を見つめた。
「幸い、父上が傷を負う前に助けることができた。使徒も俺が倒したし、とりあえず一安心だ」
「そうですか……ともあれ、お兄様もご無事で何よりです」
フレアが俺の手をそっと握った。
「父上は、なんと?」
「あいかわらずだよ。やっぱり俺は嫌われてるみたいだ」
「そう……ですか」
フレアの表情が沈む。
それから俺をそっと抱きしめた。
「よしよし」
と、頭を撫でてくれる。
これじゃ、俺の方が弟みたいだ。
内心で苦笑しつつも、そんな妹の気遣いが嬉しかった。
「ありがとう、フレア。でもな、父上は最後に俺に礼を言ってくれたんだ。ほんのちょっとでも距離が縮まったんじゃないかって……普通の親子みたいになれないかなぁ、ってちょっと思った」
「父上がお兄様にお礼を……?」
フレアがまた目を丸くする。
それから満面の笑みを浮かべ、
「よかったですね、お兄様」
「ああ、実の親子じゃなくても……そんな絆が結べたらいいな、なんて思ったよ」
「えっ……?」
フレアの表情がこわばった。
あっ、と思わず声を出す。
しまった、気持ちが緩んで、つい言ってしまった。
俺と父上に血のつながりがない(らしい)というのは、フレアは知らないはずだ。
口が滑ってしまった――。
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