表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/133

1 隣国の侵攻

 ゾナーム帝国。


 三大国に次ぐ軍事力を持つと言われる強国だ。


 ティルトとは西側の国境で接しているこの隣国が、今日の早朝に突然攻め入ってきたという。


 報告してくれたのはミレットである。


 俺たちの屋敷まで駆けつけたのだ。


「騎士団と魔法師団が出撃して対応してる。エリアルは王城に来てもらえる? 王様が会いたいって」

「分かった、すぐ行く」

「私も行きます、お兄様」


 と、フレア。


「身の回りのお世話でも雑用でも、何かお役に立ってみせます」

「……分かった。けど、危険なことはさせないからな」

「お兄様のお申し付けどおりに」


 フレアがうなずいた。




 俺とフレア、ミレットの三人は王城にやって来た。


 さっそくグロリアス王と面会する。


「ゾナームは以前から不穏な動きを見せていた。我が国の魔石資源に目を付けているらしくてな……いずれ攻め入ってくるだろう気配も見せていた。とはいえ、ここまで突然とは」


 王はため息をついた。


「早朝の戦いは小競り合い程度に終わり、現在は小康状態だ。ただいつ戦いが再開されてもおかしくない」

「……俺も戦地に行きます」


 進言する俺。


「エリアル、君の能力は貴重だ。他者のスキルを成長させることができる。危険な場所に出すわけにはいかん」


 王が首を振った。


「ですが、この国の危機なら俺だって戦いたいです」


 自分でもそんな台詞が出てきたことに、少し戸惑う。


 ちょっと前の俺は、実戦すら知らなかった。


 モンスターの討伐だってこの国に来て初めてやったんだ。


 それが今は、本物の戦場に赴こうとしている。

 討伐クエストを重ね、実戦を経験することで、その辺りの不安や恐怖心に耐性ができているのかもしれない。


 でも、それだけじゃない。


「まだ、ここに来て日が浅いけど……でも、俺はこの国が好きなんです。だから、守りたい。その力になりたい」

「エリアル、その申し出はありがたいが、しかし――」

「今、一気に戦線を押し切られたら、今後の騎士団や魔法師団の育成なんて言ってられなくなるでしょう。力が必要なのは今なんです……!」


 俺は力説した。


「大量のスキルを学習して、俺は強くなりました。何よりも他者のスキルは『最上級』までしか上げられませんが、俺の戦闘スキルは軒並み『極』まで上げています。戦場でも、きっと力になれます」

「……しかし」

「では、私も行きます。兄を守ります」

「フレア!?」


 妹の申し出に、今度は俺が声を上げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


▼新作です! こちらもよろしくです~!▼
乙女ゲーの没落貴族に転生 ~原作知識で領地改革&有能な人材をかき集めて、破滅フラグはまとめて叩き折る。気付けば領地は繁栄し、俺はハーレム生活を堪能していた~


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ