表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/133

10 夜の出来事

「ただいま」


 俺は屋敷に戻った。

 フレアはすでに帰宅しているようだ。


「おかえりなさい、お兄様」


 と、出迎えてくれた。


「今日も出かけていたのか?」

「ええ、実はラムさんやシャーリーさんに訓練してもらってるんです」


 フレアが微笑む。


「訓練?」


 初耳だった。


 フレアがどんな用件で出かけているのは知らなかったし、妹には妹のプライベートがあるから……と特に追及もしなかったんだけど。


「戦闘訓練です。もっと強くなって、お兄様のお役に立ちたいので」

「普段の討伐クエストで、フレアは十分に貢献してくれてるだろ」

「まだまだです。お兄様にとって『なくてはならない女』になりたいんですっ」


 身を乗り出すフレア。


 鼻息が荒い。


「お兄様にとって――私はどういう存在ですか?」

「えっ」

「大切ですか? 愛してますか?」

「当たり前だろ」


『愛してる』なんて正面から言われると、さすがに気恥ずかしいけど……。


「……ん?」


 フレアの頭上に光球が浮かんでいた。


 その光球は、


 ちかっ、ちかっ……。


 と点滅している。


「なんだ、これ――」

「どうかしましたか、お兄様?」

「いや、お前の頭の上に変なのが浮かんでるんだ」

「変なの?」

「光の玉……みたいな……」


 俺はおそるおそる光球に触れた。


 うん、普通に触ることができる。

 ちょっと温かくて、気持ちがいい。


「???」


 フレアはそれを見てハテナ顔だった。


「これ、見えるか?」


 俺は光球をフレアの前に持っていこうとした。


 ……が、ビクともしない。


 フレアの頭上10センチくらいの位置に固定されてるように、力を込めてもそこから動かせない。


「? あれ、光球の中に何か見えるぞ――」


 文字が浮かんでいる。


 目を凝らすと、こう書いてあるのが見えた。


『【ファイアボール】取得間近』


 と。


「もしかして――」


 俺はハッと気づいた。


 これは【スキル鑑定・極】の能力の一つなのか?


 フレアがもうすぐ取得するスキルが表示されている……?


「なあ、フレア。最近、新しいスキルを覚えたりしたか?」

「新しいスキル……」


 スキルの取得は基本的に二つのパターンがある。


 生まれ持って取得しているものと、訓練やその他の理由で突然身につくもの。


「あ、そういえば【ファイアアロー】を使うとき、最近は『矢』の形じゃなくて『球状』に近い形で出てくることがあります」

「それだ!」


 俺はフレアに言った。


 やっぱり、フレアは【ファイアボール】を身に付けつつある――?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


▼新作です! こちらもよろしくです~!▼
乙女ゲーの没落貴族に転生 ~原作知識で領地改革&有能な人材をかき集めて、破滅フラグはまとめて叩き折る。気付けば領地は繁栄し、俺はハーレム生活を堪能していた~


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ