6 王国騎士団を強化する2
俺は騎士団の人たちのスキルを見せてもらった。
やはり、騎士だけあって剣術系のスキル持ちが多い。
【斬撃】
【上段斬り】
【中段斬り】
【下段斬り】
【刺突】
【二刀流】
【カウンター】
【パワーブレード】
【アクセルブレード】
……などなど。
各自が持っているこの辺りを一つ進化させて『最上級』にしていく……という方針だ。
「『最上級』のスキルなら、基本的には『絶対の必殺技』レベルと思いまーす。一つでも必殺技があると、実戦ではかなり有利に戦えるからね」
と、ラム。
「あたしもスキルをどれか強化してほしいな~」
「ラムは『希望の盾』枠だから、ここでは遠慮してくれ。悪いな。後で別個に強化プランを考えよう」
「なるほろ……了解でーす!」
ラムがにっこり笑った。
……ということで、騎士団の中から推薦で選ばれた150名の精鋭のスキルを一人ずつ進化させていった。
さすがに150人もいると、けっこう疲れる。
休憩を挟みながら、結局ほとんど半日がかりの作業になってしまった。
「……ふう、これで終わりっ」
最後の150人目のスキルを進化させ、俺は一息ついた。
「おつかれさまでーす。エリアル」
ラムがタオルと飲み物を渡してくれた。
「ありがとう」
「いや、私からもあらためて礼を言わせてくれ。感謝する。エリアル・ウィンド」
グロリアス王が微笑む。
「今日はいったん切り上げて、魔法師団の強化は明日以降にしたらどうだ? そこまで急いでやるものでもないし」
と、提案され、俺は今日の仕事を終えることにした。
「じゃあ、この後はあたしと一緒にごはん食べよう~。エリアルのお疲れ様かいでーす!」
ラムに誘われた。
「えへへ、ディナーデートだね」
「ん、そっか、デートか」
「っ……!」
俺の言葉にラムの顔が赤くなった。
「どうした?」
「あらためて『デート』って言われると急に恥ずかしさがこみ上げて……あわわ」
意外と可愛らしいところがあるな、この子。
ということで、俺とラムは騎士団の詰め所を後にすると、王城近くのレストランにやって来た。
「いやー、一仕事の後の食事は美味い」
「ここ、値段も良心的だし、素材の味を活かしたコース料理が絶品で、本当にお勧めでーす!」
俺とラムは食事を楽しんでいた。
そういえば、彼女とプライベートでこうやって一緒になるのは初めてだ。
もしフレアがいたら絶対割って入ってくるだろうけど、今日は用事があって俺とは朝から別行動だ。
「ふう、お酒も美味しい」
と、ラムがワインを傾けている。
その姿が妙に色っぽくて、ドキッとしてしまった。
頬や耳元から首筋にかけて、ほんのりと赤らんでいる。
ますます色っぽい――。
「……ん?」
そこで違和感を覚えた。
ラムの耳――なんか形が変わってないか?
「あ、気を抜いたら出ちゃいますね……あはは」
そう、笑うラムの耳元は――。
ナイフのように鋭く尖っている。
「君は……もしかして、エルフなのか?」