表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/133

4 一か月後

「A級モンスター5体か……二人とも油断するなよ」

「君こそ。いくら強くなったとはいえ、君はちょっと抜けてるところがあるからな」


 ゼルスが俺をジト目で見た。


「お兄様はうっかりさんですから。でも、そこがまた魅力なんです」


 フレアが嬉しそうに微笑む。


「……大丈夫。【集中】系のスキルを常時展開できるようになったから。気を抜いてミスすることは、まずない――はず」


 俺は前方を見据えた。


 全長20メートル近い巨大モンスター……『ギガサイクロプス』が5体並んでいるのは壮観だった。


 遠距離からは火炎攻撃を、近距離からは頑強な肉体による近接戦闘を仕掛けてくる強敵だ。


 けれど、今の俺には問題にならない。


「【雷光一閃(らいこういっせん)(きわみ)】!」


 魔法の稲妻をまとわせた剣を横に一振り。


 輝く光の刃が飛んでいき、5体のうち2体を両断した。


 ごおおおおっ!


 残り3体が火炎を放ってくる。


「【万能シールド・極】!」


 俺はすかさず防御スキルを展開した。

 物理・魔法ともに防ぐことができる便利な障壁だ。


「【アイスブラスト・極】!」


 今度は氷魔法のスキルで残る3体をまとめて氷結すると、全員粉々に砕け散った。


「すごい、瞬殺です……」


 フレアが俺を見て、うっとり顔だ。


「どんどん強くなりますね、お兄様……」

「ここ一か月でスキルもだいぶ増えたし、戦闘用の強力なスキルをさらに『極』に進化させたからな」


 俺はにっこりとうなずいた。


「『希望の盾』に入って、二か月足らずでここまで――」


 ゼルスが苦笑する。


「恐ろしい男だ、君は」


 あまり人を褒めないタイプ……というか、物言いがストレートなせいか、よくけなされるんだけど、今日は珍しく褒めてもらえた。


 なんか嬉しい。


 と、今の5体撃破でスキルポイントが手に入ったようだ。


 モンスターを倒したら毎回このポイントが手に入るわけじゃなく、だいたい3回から5回に一度といった割合である。

 で、今回のポイントを手持ちのポイントに加え――、


「よし、これでスキルポイント合計100万突破だ!」




「というわけで、そろそろ騎士団や魔法師団の人たちのスキルを強化していきたいんだ」


 王城に帰ると、俺はミレットに相談していた。


「100万ポイントかぁ……随分と溜めたね」


 ミレットがにっこりとして言った。


「これでも全員分にはまだまだ遠いだろうけど、騎士団や魔法師団で特に強い人たちを強化していくだけでも、全体の戦力の底上げになるんじゃないかな」

「そうだね。やっぱりエース格がより強くなると、全体的に戦力アップにつながるはず」


 俺の言葉にミレットがうなずく。


「じゃあ、行ってみましょうか。最初は王国騎士団から」


 いよいよ、騎士団と魔法師団の強化が始まる――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


▼新作です! こちらもよろしくです~!▼
乙女ゲーの没落貴族に転生 ~原作知識で領地改革&有能な人材をかき集めて、破滅フラグはまとめて叩き折る。気付けば領地は繁栄し、俺はハーレム生活を堪能していた~


― 新着の感想 ―
[気になる点] タイトルの「騎士や魔法使いたちの能力を片っ端から底上げしてたら、いつのまにか世界最強国家になっていたようです。」はこのようなふさけの方法で実行するのは「何をみせたい」の感覚です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ