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9 複数スキルを一気にランクアップする

 ぐ……ぎぎぎぎ……。


 歯ぎしりするような声を上げ、使徒が近づいてくる。


【ファイアアロー・上級】で100本近くの炎の矢を叩きこんだというのに、ほとんどダメージを受けていない様子だ。


 こいつ、強いぞ……!


「お兄様はやらせません! 【ファイアアロー】!」


 今度はフレアが炎の矢を放つ。


 爆発とともに後ずさる使徒だが、それだけだった。

 ダメージらしいダメージを与えた様子がない。


 るおんっ!


 紋章から光弾を放つ使徒。


「【アイスシールド】!」


 俺はゼルスから学習した魔法スキルを発動し、氷の盾を生み出した。

 なんとか光弾を防ぐものの、氷の盾も砕け散ってしまった。


 さらに二発、三発と撃ってくる。


 俺は【アイスシールド】を次々に生み出すものの、相手の手数が多くて防戦一方だ。


 フレアが【ファイアアロー】を、ミレットが【ライトニングアロー】をそれぞれ撃つ。


 が、さしたるダメージを与えられない。


「強い――!」


 だんだん焦りの気持ちが出てきた。

【スキル鑑定・極】を身に付けて以来、こんなふうに『苦戦』するのは初めてだった。


 怖い――。

 自然と体がすくむ。


「ううう……」


 フレアが歯をガチガチと鳴らしていた。


 そうだ、フレアだって怖いんだ。

 なら、それを守るのが俺の――『お兄様』の役目だよな!


 俺はフレアの前に立った。


「お兄様……?」

「大丈夫だ。あいつは俺が倒す。お前は安心して見ていろ」

「で、ですが、いくらなんでもあれを一人で、というのは……」

「いいから見てろ。兄が妹を守るのは当たり前だろ」


 俺は一歩前に出た。


「せっかく稼いだスキルポイントだけど、ここで贅沢に使わせてもらう」


 あの使徒に生半可なスキルは通用しない。


 なら、スキルランクを一気に『極』まで引き上げて、勝負を懸ける。


「まず攻撃系のスキル――【ファイアアロー】【斬撃】【刺突】【旋風斬り】【アイスブラスト】【正拳突き】【格闘】【投げ技】の八つのスキルを【極】に――」

『スキルランクアップ……実行……完了」


 思いのほかスムーズにいったようだ。


「今ので一気に80000ポイント減ったけど、その甲斐はあったな」


 俺は使徒を見据える。


 奴は攻撃力と耐久力が高い。


 半端な攻撃スキルを使っても、奴の攻撃に弾き返され、あるいは高い耐久

力を持つ肉体にほとんどダメージを与えられない。


 そんな使徒を倒す方法は、限られている。

 そのうちの一つは――。


「圧倒的な火力で押し切ることだ!」


 俺は【ファイアアロー】と【アイスブラスト】を連発した。

 基本的にスキルを使えば使うほど集中力や体力をごっそりと削られていく。


『極』ランクの攻撃スキルを何発も食らわせているのに、使徒はなかなか倒れない。


 本当に、強い――!


「はあ、はあ、はあ……」


 十発以上撃つと、かなり体力の消耗が激しくなってきた。


 目の前がかすむ。


 それでも俺はスキルを撃った。


【ファイアアロー】

【アイスブラスト】

 また【ファイアアロー】

 さらに【ファイアアロー】


 と――そのときだった。




『スキル使用の一定条件を満たしたため、エリアル・ウィンドに【炎を統べる戦士】の称号を授けます』

『同じく一定条件を満たしたため、エリアル・ウィンドに【不屈の戦士】の称号を授けます』

『【戦士】を関する称号を二つ持ったため、新たな称号【炎の闘将】を与えます』




 な、なんだ……!?


 称号なんてものをもらったんだけど――。


 これって、どんな使い道があるんだろう?


 それとも、単にお飾りの称号なのか。


 どっちだ――。

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乙女ゲーの没落貴族に転生 ~原作知識で領地改革&有能な人材をかき集めて、破滅フラグはまとめて叩き折る。気付けば領地は繁栄し、俺はハーレム生活を堪能していた~


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