表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/133

4 メルファリア神殿の神託


 王都の東エリアにあるメルファリア宮殿に、俺、フレア、ミレット、ゼルスの四人でやって来た。


 美しい神殿で、多くの来訪者がいる。


「ここも観光名所なのよ」


 と、ミレット。


「王宮もだけど、この国って綺麗な建物が多いよな」

「ええ、国としての方針で文化財を手厚く保護してるのよ」


 ミレットが言った。


「国力は大きくないけど、その割に庶民の暮らしはけっこう豊かだし、文化面への補助も大きいし、あたしはいい国だと思ってるの」

「僕もだ。魔術研究への補助金も他国よりかなり多く出るし」


 と、ゼルス。


「だから守りたいのよ」


 ミレットが力を込めて語る。


「分かった。俺はまだティルトに来て間もないけど、住みやすさや個々の人たちの温かさは感じてるし、この国を守るために俺もやれることをやるよ」

 そのために――まずはスキルポイントについて、もっと知識を得なければならない。


 俺たちはミレットの案内でここの高位司祭に引き合わせてもらった。




「神託を受けたい? 分かりました。ではメルファリア様にお伺いを立てましょう――」


 中年の穏やかそうな男性司祭がそう言って、奥の部屋に引っこんでいった。


 そこには祈祷室があるそうだ。

 しばらくして彼が戻ってくると、


「神託を得られました。まもなくエリアル様のもとに下されるそうです」

「えっ、それってどういう――」


 具体的に何が起きるか分からず。聞き返そうとしたところで、


 カッ!


 まぶしい光が辺りにあふれた。

 その光が空中で無数の文字になって描かれていく。


「これは――」


 俺の前方に輝くメッセージが浮かんでいた。


 そう、普段の【スキル鑑定・極】で浮かぶのと似たような感じのテキストメッセージだ。

 それによると――。


・スキルポイントはスキル進化を一定数こなすごとに付与される。

・スキルポイントはスキル学習を一定数こなすごとに付与される。

・スキルポイントはスキルを使って一定数の敵を撃破するごとに付与される。

・その他、スキルを使って規定条件に達するたびに付与される。

・いずれも【スキル鑑定】によって効果を及ぼす対象スキルのランクや敵のランク等によって、得られるスキルポイントの量は変動する。


「なるほど……」


 この中でスキルポイントを使わずして、新たにスキルポイントを稼げる方法は二つだ。


 一つは俺がスキルを学習すること。

 もう一つはスキルを使ってモンスターなどを討伐すること。


「よし、手っ取り早いのは後者だよな」


 まず俺がやるべきことはモンスター討伐。


 それをこれからの冒険者生活の中心に据えてみよう。




「なるほど、スキルポイントとはそういう仕組みなのか」


 帰り道、ゼルスは目を爛々とさせたまま、つぶやいていた。


「僕の研究に役立てよう」

「研究?」

「スキルについて研究しているのさ」


 俺の問いに答えるゼルス。


「……今日は君のおかげで新たな知識を得られた。べ、別に感謝なんてしてないけどなっ」


 言いながら、頬を赤らめ、


「……ま、まあ、いちおう礼を言っておくか。あり……がとう……」


 恥ずかしそうに小声でそう付け加えた。


「ツンデレか!」


 俺は思わずツッコミを入れたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


▼新作です! こちらもよろしくです~!▼
乙女ゲーの没落貴族に転生 ~原作知識で領地改革&有能な人材をかき集めて、破滅フラグはまとめて叩き折る。気付けば領地は繁栄し、俺はハーレム生活を堪能していた~


― 新着の感想 ―
[気になる点] >「分かった。俺はまだティルトに来て間もないけど、住みやすさや個々の人たちの温かさは感じてるし、この国を守るために俺もやれることをやるよ」   ここも主人公と現地民の交流の描写少ない…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ