14 俺とフレアの――
「――分かった」
俺は静かにうなずいた。
この半年、俺はずっと考え続けてきた。
フレアに対する自分の感情を。
十数年間、ずっと兄と妹として生活してきた――家族として生きてきた年月は決して軽くない。
いや、すごく重いものだ。
俺にとってフレアは妹でしかない。
異性では、ない。
けれど――そんな俺に対し、フレアは明らかに俺を異性として認識していた。
そして、その思いはこの半年の間に加速的に強くなっているように見えた。
なら俺は、彼女の想いに対して『答え』を出す必要がある。
それが兄としての、そして男としての責任だ。
だから、俺は考え続けた。
フレアのことをどう思っているのか。
フレアとどうなりたいのか。
フレアと、俺は――。
「お兄様……」
「俺の中には二つの感情がある。君を妹として見る気持ちと、君を一人の女性として見る気持ちと」
俺は、言葉を絞り出す。
胸が詰まるような感覚だ。
うまく言葉が出てこないけど、それでも自分の気持ちを形にして表に出していく。
ぎこちなくても、彼女に気持ちを伝えるために。
「俺にとってフレアは世界で一番大切な女性だ。もちろん妹としてなんだけど、でも君が俺を想い続けるなら……俺もその気持ちに応えたいっていう気持ちが芽生え始めたんだ。この半年で」
「お兄様……!」
フレアの表情が歪んだ。
泣き笑いのような顔だ。
「本当に、よろしいのですか……?」
「こういう気持ちになったのは、ここ半年くらいのことだから……先のことは分からない。正直、まだまだ気持ちが揺れてる」
俺はそう言ってフレアを抱きしめた。
「ただ、今は君との関係を少しずつでも進めていきたい、って思えるようになったんだ」
血のつながらない兄と、妹。
恋人同士になっても、あるいは結婚したとしても――法的には問題はない。
後は俺たちの気持ち一つ――。
「ただ、君に期待を持たせるだけ持たせて、結局は違う結論になるかもしれなくて、それが俺には――」
「いいんです」
フレアは首を左右に振った。
「お兄様が出した答えなら……どんな答えでも、私は納得できます。受け入れられます」
ふうっという吐息とともに、彼女の顔が近づいてくる。
「だから、せめて今だけでも――兄と妹ではなく、男と女でいさせてください……」
「フレア……」
俺は、避けなかった。
初めて自分の意志で妹の唇を受け入れ、そして――。
長い、長い口づけを交わした。
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