13 俺とフレアの『これから』
「お兄様、いよいよ『災厄の王』との戦いも大詰めですね」
フレアが言った。
「そ、そうだな」
「緊張してますか、お兄様?」
フレアが身を乗り出す。
いや、顔近いよ、フレア。
……って、なんで妹相手にドギマギしてるんだ、俺は。
フレアの方は逆に余裕があるように見える。
「えっと、その、決戦前だし、そりゃ緊張するさ」
「緊張している理由はそれだけですか?」
フレアが微笑んだ。
いつもの妹らしからぬ、小悪魔めいた笑顔だった。
まるで――俺を誘っているような。
「ほ、他に何があるんだよ」
「私と一緒にいて、ドキドキしてませんか?」
フレアが言った。
「もしそうなら……嬉しいです」
その頬が赤くなった。
「フレア――」
「私の気持ち……もう気付いてますよね?」
「…………」
俺は沈黙した。
とっさに答えが出てこない。
フレアが――妹が、俺に対して肉親以上の気持ちを抱いているんじゃないか、という疑惑は半年くらい前からあった。
そして、ここ最近では確信に変わりつつある。
ただ、この問題のややこしいところは、俺とフレアに血のつながりがないということだ。
そして、その事実を俺は知っているけど、フレアは知らない――。
……はずだった。
「私、もう知っていますよ。私とお兄様が実の兄妹ではないことを」
「っ……!」
「……この半年で調べたんです」
フレアはため息をついた。
「驚きました。ですが、それ以上に安堵したんです。今まで私が胸に秘めていた気持ちを……許されないと思っていた気持ちを、もう我慢しなくてもいい、と」
「フレア――」
「好きです」
フレアがさらに身を乗り出す。
だから、顔近い――。
と思った瞬間、フレアの唇が俺の唇に重なっていた。
「ずっとお慕いしていました、お兄様――いえ、エリアル様」
唇を離した彼女が、とうとう俺に対してはっきりと告白をした。
「私、もう兄妹は嫌です……お兄様と恋人同士になりたいんです……!」
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