12 俺の戦い方、そして……
「ぐぐぐ……ぐはっ……」
ヅェルガスの姿が人間に戻った。
「やったぞ……!」
これなら使徒を殺さず、元の人間に戻すことができそうだ。
「ただ、それは茨の道だぞ」
ランバートが言った。
「お前のやり方は、相手をまず無力化した上で、相手を殺さない程度の一撃を食らわせる必要がある。ただ倒すより――殺すよりも何倍も難しい」
「それはそうだけど……」
分かってる。
ランバートの言うことはもっともだ。
ただでさえ、使徒は超強敵なのに俺のやり方は生ぬるいかもしれない。
あまりにも現実を見ていないのかもしれない。
それでも――。
「やれるだけのことはやりたい。それが無理なら」
俺は一息ついて、ランバートを見つめる。
「俺が、使徒を殺す。今までに何人も――いや何体も討ってきたように」
「……覚悟はできている、ってことだな?」
ランバートの言葉に、俺は無言でうなずいた。
そう、これが俺の戦い方だ。
たとえ、その道がどれだけ険しくても――。
俺はこの戦い方を貫きたい。
貫いて、みせる。
それから――半年が経った。
「対使徒汎世界連合軍……か」
俺は集まった部隊を見回した。
半年前から始まった『災厄の王』の軍団による世界侵攻――。
それと立ち向かうため、人類は団結した。
国家の枠組みを超え、使徒と渡り合える人材を各国が供出し、連合軍を作り上げた。
そのメンバーには俺たち『希望の盾』も入っている。
中核メンバーだった。
そうして人類の大反撃が始まったのが、ちょうど一か月前。
今では俺たちが優勢に進めており、『災厄の王』の軍団を本拠地まで押し返しつつある。
あと一息だ。
もうすぐ――この戦争は終わる。
「お兄様」
フレアが俺の側にやって来た。
「お話があります」
「話……?」
「兄妹ではなく男女としての」
「っ……!」
一気に緊張感が高まった。
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