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1 希望の盾

「現在の『希望の盾』――みんなは『盾』って略すことが多いけど――のメンバーは七人よ」


 ミレットが言った。


「ミレットはそのメンバーに入ってるのか?」

「いちおうね。でも、あたしはスカウトメインだから。戦闘チームの中心ではないわね」


 俺の問いに答えるミレット。


「さ、入って」


 俺とフレアは『盾』のメンバーが集まっているという部屋に案内された。


 そこに待っていたのは、三人の男女。

 ……あれ、七人もいないぞ。


「これだけ?」


 ミレットがわずかに眉を寄せる。


「仕事や学校が忙しいとかで。今日はあたしたち三人だけでーす」


 ひょこっと手を挙げたのは、やたらと背の高い少女だった。

 180センチ以上はあるだろうか、黒髪を三つ編みにした穏やかそうな容姿の美少女だ。


「っていうか、その人たち誰? いい人? 悪い人?」


 二人目は小柄な少年だった。

 水色の髪に藍色の瞳、目つきは悪いけれど容姿自体はすごく整っている。


「ミレットさんが連れてきたんだから、いい人だろ。断言するぜ。私はミレットさんを信じてるからよ」


 三人目は勝ち気な雰囲気の女だった。


 髪の毛を赤と金のメッシュにして逆立てている。

 他の二人よりも年上らしく、たぶん二十代後半くらいだろう。


「ほら、自己紹介自己紹介」


 ミレットが三人に勧める。


「じゃあ、あたしからいきまーす」


 長身の少女がひょこっと手を挙げる。


「名前はラムルファ……みんなはラムって呼びまーす。クラスは剣士。年齢は十六歳、趣味はぼーっとすることでーす。はい、おしまい」

「……ゼルス。十五歳。クラス魔術師。以上」


 小柄な少年が面倒くさそうに告げる。


「私はシャーリーだぜ。クラスは武闘家だ。よろしくなっ。あ、年齢は二十七」


 メッシュ髪の美女がニヤリと笑った。


「どうも……俺はエリアル・ウィンド、こっちは妹のフレアです」

「よ、よろしくお願いしましゅ……あ、かんじゃった」


 フレアは緊張しているらしい。


「ふーん、君は強いの? 弱いの?」


 ゼルスが俺を見据える。


「弱い奴はいらない」


 ……いきなりケンカを売られてるんだろうか?

 でも、そんな攻撃的な雰囲気じゃないんだよな。


 むしろ、淡々としているというか……。


「もう、ゼルスはちょっと口が悪いというか、はっきり言いすぎるところが

あるからね」


 ミレットがなだめるように言った。


「で、さっそくだけど――三人のスキルを強化することってできる?」

「たぶんできるけど、実はスキルの強化にはポイントが必要で、俺が持っているポイントの分までしか強化できない」


 ミレットの問いに俺は説明した。


「えっ、そのポイントって増えたりしないの?」

「一定の条件で増えるみたいだ。けど、具体的にどうすればいいのか、分からない……」


 以前にポイントが増えたケースは二つ。

 一つは俺が【スキル鑑定】の本当の力に目覚めたとき。

『初回ボーナス』という名目で、スキルポイント10000が付与された。


 そしてもう一つは俺の【スキル鑑定】を『最下級』から『極』まで進化させたとき。

『進化ボーナス』として、こちらも10000ポイントが付与された。


 そのときのメッセージでは、

『以降、スキルポイントは特定の条件をこなすたびに追加で付与されます』

 となっていた。


 その『特定の条件』というのが謎だ。

 フレアのスキルを進化させたときは、特にポイントは付与されなかったし……。


 単純に考えるとスキルを『極』まで進化させたときに、ポイントがもらえるのかもしれないが……うーん。


「確かにポイントを得る手段を確保しないと、今あるポイントだけでエリアルのスキルは打ち止めってことになるわね……」


 と、ミレットさん。


「スキルポイントを増やす方法……それなら心当たりが一つある」


 言い出したのは、魔術師のゼルスだった。

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乙女ゲーの没落貴族に転生 ~原作知識で領地改革&有能な人材をかき集めて、破滅フラグはまとめて叩き折る。気付けば領地は繁栄し、俺はハーレム生活を堪能していた~


― 新着の感想 ―
[良い点] >「っていうか、その人たち誰? いい人? 悪い人?」   このギャラの個性は良いです。
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