5 合同演習
それから二週間後。
数か国が参加する合同演習が行われることになった。
災厄の王の襲来は、近いうちに確実に行われるだろう、というのが各国の共通認識で、それに備えてのものである。
次は今までのように単発での使徒襲来ではなく、王自らと使徒の大軍団が世界中に侵攻してくる可能性がある。
そうなると『希望の盾』みたいに各国が設立している『対使徒部隊』だけでは対応が難しくなってくるだろう。
各国の兵力すべてをもって、使徒迎撃に当たる――。
そのために、まずは練度を上げることだ。
――そして、その合同演習で俺たちのティルト王国は、ぶっちぎりの戦績だった。
「ば、馬鹿な、強すぎる――」
「一人一人のスキルが異常に強力なんだけど……!?」
「あいつらの魔法、威力高すぎだろ!」
各国は驚愕の声を上げていた。
国としては弱小といっていいティルトだけど、兵力だけを比べると、トップクラスの国々とも渡り合える――いや、圧倒できている。
俺が騎士団と魔法師団の人たちのスキル強化を行った効果が、着実に表れているようだった。
「というか、予想以上だな――みんな、ここまで強くなってたんだ」
なんだか誇らしい気分だ。
と、そのときだった。
『スキルによる波及効果が規定値に到達しました』
『エリアル・ウィンドに【教え、導く者】の称号を授けます』
『なお、これによって五つの指定称号のうちの三つを獲得しました。残り二つを得ることでEX称号【災厄の王を討つ者】の称号を得られます』
「えっ、称号が増えた……!?」
俺は驚いた。
今までにも称号は突然付与されたけど、それはいずれも戦闘関連だ。
俺のスキルの習熟度だったり、スキルポイントの使用量に応じて、それらが一定の値を超えたときに新たな称号を授けられる――という感じだった。
けど、今回は何もしていない。
ただ、ティルトの騎士団や魔法騎士団の戦いぶりを見守り、応援していただけだ。
「そういえば、スキルの波及効果とか言ってたな……」
波及効果――どういうことだ?
俺はしばらく考え、ハッと気づく。
今回授かった称号は【教え、導く者】。
そして『波及効果』という言葉。
これら二つから、俺が今回の称号をもらった要因は――。
「みんなのスキルを鍛えたから……?」
そして、もう一つ気になる言葉があった。
五つの指定称号のうちの三つを獲得しました――。
残り二つを得ることでEX称号【災厄の王を討つ者】を得られます――。
その効果は考えるまでもない。
EX称号っていうのを手にいられれば、きっと『災厄の王』と戦うための強力な武器になる。
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