表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/22

その夜1

「お前はO県のカメラマン全員の品位を落とした」

村川さんは続ける。

「お前は2度とカメラに触るな」

村川さんは一口酒を口に含むと吐き捨てるように酒がまずいと言った。

「お前は、本当は占いの方向に行けばいいんじゃないか?」

と、めんどくさそうに後頭部をガリガリと引っ掻いた。

「もう、閉店時間だから、ムラさんそれくらいにしてあげて」

「いいか?カメラには触るな。絶対にだ。お前からは写真への愛情が感じられない。そんな奴が写真やってると、迷惑だ」

真夏の熱帯夜。月明かりの下とぼとぼと歩く。

まだ、所持金はある。次の店行くか。


次の店で、運命の出会いを果たす。

それが、私の人生を狂わせるとは、その時は知らなかった。


バーのドアを開けるとドアベルがチャリン、と鳴った。

すると、4人の男女がタロットカードを見ていた。


「あら、たまちゃん来たの?」

たまちゃんとは私のニックネームだ。

「何してるの?」

「ああ、いま、タロットで遊んでたのよ」

「あ、実は私、占いの資格持ってる!」

「占いって資格あるの⁉︎」

「民間のものだけど……」

と、言って、財布からカードを出す。

それは、簡易的なもので、家には額縁に免状が飾られてある。

「わ、すご。」

「じゃあ、あなたも入る?」

「はい」

「じゃあ、クリスタルチューナーと水晶ありますか?」

「ん?どした?あるけど」

出されたクリスタルチューナーとクリスタルを受け取り、タロットに向かって一度だけ鳴らした。

ピィーーン、と澄んだ音が出る。

「これで、タロットを浄化しました。それでは始めます。まず、だれを占いますか?」

「じゃあ、オレで」

手を挙げたのは隣にいた中年男性。

「よろしくお願いします」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ