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滝行1

明け方、身支度をして、白装束、タオル、水着と下着、お布施を入れた帛紗、文庫本とポリ袋2枚とお財布をリュックに詰めた後、駅に寄りコインロッカーに荷物を預け、カラオケボックスに入る。

咲花さんにモーニングコールを頼まれていたからだ。

朝、頼まれた時間に合わせてカラオケをセット。

時間になったので電話をかけた後、爆音でラジオ体操の歌をシャウトした。

「あ"ーだーらしいあ"ーさかきたきぼーうのあさだーいええええぃぃぃ!!!」

「オメーふざけんなよ!歌で起こすなら米津玄○で起こせや!何そのガンツみたいな歌!私は今から黒タイツ着て宇宙人とたたかわなきゃいけないのかァァッ」


「……スミマセン」

やっぱり米津玄○さんにするべきだったか。失敗した。

駅前のロータリーで待ち合わせし、タクシーに乗り込む。

タクシー内にて。

「お布施はこのお布施袋に入れて、住所と名前を書いてください」

と言ってお布施の袋をわたした。

お布施を入れて、名前を書いている横顔を見つめる。


***


お寺に着き、おかみさんに待合所まで案内される。

お布施を渡した。

そこにはソバージュ頭の妙齢の女性がいた。

おかみさんは咲花さんに話しかける。

「咲花さんはお仕事何されてるの?」

「YouTuberです。私は高校の時に菩薩の位をいただきました」

「へぇ、綺麗な顔で若いのに」

「いやあ、それほどでも」

「玉川ちゃんも占い師の資格持ってるし、今日は不思議な人が多い日ね」

ソバージュ頭の女性が口を開く。

「みなさん、占い師の方なんですね。私はヒーラーをしているんですよ」

「ヒーラー?」

「前世を思い出して、今世の課題を見つけ、過去のカルマを癒す仕事をしているの」

「そう……なんですね」

私は若干引いている。前世とか、カルマとか、怪しいよ。

おかみさんが全員に紙を渡した。

「じゃあ、この受付の紙に住所、生年月日、干支、電話番号、叶えたい希望を書いてね」

滝行の後、御祈祷をしていただくことになっている。

「ああ、私は滝行だけで結構です」

ヒーラーの方が言う。

紙に要項を書きおかみさんに渡した後、白装束を二人に渡し、滝のある場所まで降りた。

更衣室で着替えることになったのだが。

「えー?たまちゃん、水着あるの?私持ってないんだけど!」

考えるフリをして言った。

「あたし、ノーブラノーパンで行く!」

まじか。おかみさんは誰に対しても水着を持ってきてねって言ってるのって前仰ってたのに、咲花さんに話聞いてなかったのかな?

何を考えているのやら。

「たまちゃん、おっぱ○おっきいー!いいなー」

何言ってるのこのひと。

「私なんてえぐれてるんだよー。こんなのありえないー」

これから、神聖なことすんのに何を俗物的なこと言ってるの?ありえないんだけど。



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