表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジグザグげえむ  作者: MOJO
10/16

ジグザグ10

「何、別れちゃったの?」

「はい」

「どうしてよお」

「まあ、振ったと言うか。振られたと言うか」

「浮気?」

 あたしは曖昧に笑う。まあ、バレるのも時間の問題だ。けどそれはまだ直ぐじゃなくていい。

「合コンしよっか。営業課の子達に声かけてさ」

 同僚がはしゃぐ。お昼の社食はそれなりに混んでいるから、それなりの視線を感じる。あたしは曖昧に返事を濁して、なんてことない話題に頷いたり笑ったり。知った顔がいないか周りを気にしながら自意識過剰になっている嫌な自分に気付く。ふと口から溢れそうになった溜め息を飲み込んだ。


 会社からの帰り道。同期の男の子から声を掛けられた。ちょっと飲みに行こうなんて月曜日なのに。何かを期待しているような目。あのときの会話を聞かれたのかな。なんだか急に胸の辺りがモヤモヤしだして、あたしは手首の怪我を理由に誘いを断った。

 足早に駅へと急ぐ。今すぐ帰れば、まだケイコに会えるかも知れないから。

 夕方の駅のホームはまだ明るい。中央線の下りのホームの自販機で、季節遅れのコーンポタージュ。蓋を開けずに胸に押し当てる。胸のモヤモヤが少しだけ和らぐようで。次の電車まで後二分。ベンチに腰掛けたら、思わず溜め息が溢れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ