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ごはんにする? お風呂にする? それとも、
だいぶ昔に文庫ページメーカーさんで遊んでTwitterに投げてたやつが出てきたので。
その日の宿に戻ったら、相棒がとてもいい笑顔で待っていた。
「ああ、ヴァル。ちょうどよかった。ごはんにする? お風呂にする? それとも、ぼく?」
にーんまりと弓なりになった唇、細められた金と赤の目。
客観的に見れば可愛らしいはずなのに、何故か悪寒が止まらない。
「えっ、なに……おれ、とうとう内臓売られるの?」
「売らないよ」
「じゃあ死ぬのか……余命何日?」
「死なない」
じゃあなんなんだ。と胡乱な目で相棒を見下ろせば、彼女は肩をすくめた。
「失礼なやつだよね、あんたって」
「それで、そんなこと言い出した真相は?」
尋ねれば、先程までの笑顔が嘘のように消えた。
「今から西の森に魔獣討伐に行くよ♡ 前金貰っちゃった」
嘘だろ、という声は相棒の耳には入らない。相変わらず可愛げのない相棒だ。