表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NON-ATTRIBUTE  作者: mikuru
Nalha
8/11

3-3


「ちっ、何人か逃げたな………」


エルが悔しそうに呟く

先ほど開けた穴はエルのアイスシールドで塞がれている。

この戦いが終わったら、私が描かされるんだと思う。面倒だよねぇ…


…………うちは誰かって?

みんなの委員長、レイ・ベレルさんだよ!


って、そんな戯けてる場合じゃないんだけどね……

敵の数は、パッと見15人ぐらい

さっき逃したのが5人ぐらい居たから約20人体制かな?

そんなに集めてまで、ナルハたんを連れ戻したいってことか…

流石にうち等が強いっていってもこの人数はちょっとねぇ……


「ね、エル」



一つ思い付いた。

エルの方を見たら、エルもこっちを見てて。

そして強く頷いてくれた

多分、考えは同じ


さっすが、うちの相棒だね



「いくぞ、レイ」

「よっしゃ任せろ」


そう言うとうち等は背中合わせになる

目を閉じ、集中して自分の心拍数を聞く

背中越しにはエルの心拍数も聞こえてくる…

本当に微かな音

その音とこの音が重なった時………


それが、合図。



「『ザ・アペイル』!!」


エルは手を床に翳す

うちは腰にさしている筆をとる


敵達に防御する隙も与えない

それがうち等の戦闘態勢である

姿を表したこの子達も其れには慣れているから、指示せずとも即座に動いてくれる


「よっしゃ戦闘だぜええええええ!!!」

「さっさと終わらせて寝るっ!」


勢い良く飛び出したジュリの右腕が、1番端にいた男の顔にダイレクトヒットした

それと同時にブルーの左足が、反対側の端にいた男の兄を掬い上げ転ばせる


「な、なに……!?」

「召喚のスピードが速すぎる……!」


動揺する敵達を見ると、とても良い気分になる

だってこれ見せると、全員おんなじ顔するんだよ?

面白くていっつも笑い堪えてるんだもん。

まぁ、堪えきれなくてニヤニヤしちゃうんだけど



「あたし達の力、思い知らせてあげよう!」

「降参なんてのは認めないよ?」


いつもの決め台詞をビシッと決めれば完璧。

あとは、勝利しかない

今まで私達が手を組んで勝てなかった相手なんて、存在しなかったからね!


この時の私たちは、先ほど自分達が逃がした後輩の事なんてすっかり忘れるくらいに舞い上がっていた。


「さて、説明してもらうのだ」


なんとか自分達の部屋に逃げ込んだ私達に、リアスが鍵を閉めながら問う

疑問に思うのは当然だろう、いきなり走らされたのだから

逆によく走ってくれたよね?感謝します……


「うぅ、ご、ごめんなさい……ボクのせいなんです……!」


ずっと震えていたナルハちゃんが嗚咽をあげはじめる

先程の威勢はどこへやら、すっかり何時もの弱々しい少女へ戻ってしまった

大きな瞳の縁には涙が溜まっていて今すぐ溢れてしまいそうだ


「ナルハちゃん……ゆっくりでいいから、話してくれない?何があったのか……」

「はい。ここまで来たら、話さなきゃいけない、ですよね……」



そう言うと、ゆっくりと頷く

少しだけ目を擦ると、体育座りで身体を縮こませながら語り始めた

その声は、か細く消えてしまいそうで……


告げられたその言葉に、私達は目を見開いた



「…………ボク、実は家出してきたんです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ