幕
総帝メアリー・ホワイトは、世界ギルドにある自室で目を覚ました。
「んっんん。。。あれ?私、一体。。。」
メアリーは、自分の身体を見回した。
部屋着。。。
それに、戦闘で傷付いたはずの怪我が無い。。。
疲労も気だるさも無い。
アレは、夢だったのか?妙にリアルな夢だった?
ふと、壁際に置いてある、自らの白銀の鎧に目を向ける。
あらゆる所が傷付き、凹み、砕かれた見るも無惨な鎧が置かれてある。
バッと立ち上がって駆け寄り、その鎧を触り確かめる様に思い出す。
テーブルには、白い仮面が置いてある。
割れてヒビが入っている。
「夢じゃなかったんだ。。。」
コンコン。
部屋をノックする音が聞こえてきた。
「総帝。起きられましたか?」
声の主は、総帝の補佐を任されているメイと言う人物だ。
総帝の秘書的存在である。
「え、ええ。今、起きた所よ。じゅ、準備するから暫く待って頂戴。」
総帝は、新たな仮面と予備の鎧を取り出し着替えた。
「メイ。いいわよ。入って来て。」
「失礼致します。」ガチャ
「メイ。わ、私は一体どうやってここまで?詳しく教えて頂戴。。。」
「はい。現在、総帝が帰って丸1日が経過しております。
総帝が決戦の地で倒れられ、その後は、決戦は休戦となりました。魔族とエルフ、人族の血を引くアキトと言う人物が決戦の中止を願い出たのです。
初代魔王ゼノストラ・グラデウスと2代目魔王ジルフォード・グラデウス。そして、エルフ族の元女王シルフィード・グラデウスまで出て来たのですから、決戦は休戦せざるを得ませんでした。
世界連合軍も魔王軍も同じ様に戦う意思は無くなっておりました。
アキトと言う方は、総帝に神級の回復魔法と魔力を分け与える行為をしました。
その方が、このギルドまで総帝を抱きかかえて連れて来られたのです。」
「。。。わ、わかったわ。そ、それでその後は?」
「はい。総帝が目をさましたら、世界連合軍の主要人物と魔王軍の主要人物、そして、グラデウス家に連絡をする様にと言われております。世界初の合同会議をこの世界ギルドの1階、大会議室で行うとの事です。」
「。。。か、会議。。。合同会議って。。。」
その頃、ミャー率いる月一組。
第35回目の会議が、あの空き地で行われていた。
空き地のドカンの上に仁王立ちをして、腕を組み、目をつぶっている獣人族の少女。月一組NO.3であるミャーに組員は注目していた。
シーンと静まりかえる空き地。
隊員の息を飲む音が聞こえてくる。ゴクリ。
「みんにゃー!よく聞くにゃ!!皆も今回の魔族との決戦の噂は知っているにゃ!!?
月一組のNo.1である『月一の姫』メアルのアネゴは、世界ギルドの総帝だったにゃー!!!
あの世界屈指の実力を持つ、SSSランク!総帝にゃ!!!」
「スゲー。。。スゴすぎる。。。」
「アネゴパネェ。。。」
「まさか、アネゴが総帝だったなんて。。。」
「俺は、アネゴに一生ついて行くぜ!」
隊員達は歓喜に震えている。
今回の件で、『月一の姫』のメアルが総帝であると噂が広まった。
総帝の付けていた仮面が割れ、その素顔を見た兵士達がこぞって『月一の姫』と断定したのだ。
「NO.3であるミャーは、今までそれを黙っていたにゃー!!!
皆に黙っていたのは、皆を危険な目に合わせたくにゃい!とのメアルのアネゴの配慮にゃ!!皆!わかってるにゃ!!?」
「「「はい!!!」」」
「更には、今回の魔王軍との決戦を身体を張って止めたのが、月一組のNo.1のアネゴとNo.2のアニキにゃ!!!」
「「「ぉぉおおおおお!!!」」」
大歓声である。
「月一組は名実ともに世界一の集団になったにゃ!!!世界を救ったアネゴとアニキに本当に感謝にゃ!!!皆、良いにゃ!!?」
「「「はい!」」」




