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最強とは?それは特に重要では無い。  作者: くぅ
第1章 世界が変わる時
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旧魔王城

旧魔王城の大きな門をくぐると、先ず目に映るのは巨大なブラックドラゴン。

全長30m以上ものドラゴンの剥製が置かれている。

この剥製は、初代魔王、アキトの祖父にあたる魔王が邪悪に染まったブラックドラゴンを倒して剥製にしたものだと言われている。

3000年以上前の話なので誰もその真実は知らないだろう。

ブラックドラゴンとはドラゴン種の中でも群を抜いて凶悪とされている、Xランクの化け物だ。

そのブレスだけで1国が滅びたほどの破壊力を持つと言う。


この旧魔王城の入り口に置かれているのは、初代魔王の強さの象徴でもあるのだ。

今にも動き出しそうなブラックドラゴンの剥製を見た者は、それだけでも畏怖をするだろう。

しかも、このドラゴンを倒したであろう初代魔王とはどれだけの強さを持っているのか?想像を絶する強さに違いない。



「お帰りなさいませ。アキト様。ヒヒッ」

不意にどこからともなく不気味な声が聞こえてきた。


「おー。ただいま。3年ぶりだな、セリー。元気にしてたか?」

「はい。お久しぶりでございます。首を長くしてお待ちしておりました。ヒヒッ」


フッとドラゴンの影から浮かび上がる姿は、ゴシックメイド姿のセリーと言う魔族。

影に身を潜めるシャドウ系の魔法であろう。

肌は病気の様に白く。髪は明るめの茶色。頭には魔族特有の角。

目はタレ目であるが、寝てないのかクマが目立つ。

黒いゴシックメイド姿でエプロンもフリフリの刺繍がしてあるが、その可愛さとは対象的に目の下のクマが酷い。

さらには、言葉の語尾に必ず気色悪い引き笑いをする。


アキトはそんなセリーに変わらずに話しかける。

「じぃーちゃん達はどこにいる?」


「はい。王の間でお待ちでございます。ヒヒッ。こちらへどうぞ。」

「あー。助かる。」


セリーに誘導され向かう先に事前に用意されてたであろう黒い魔法陣がある。直接、王の間に転移出来る魔法陣だ。

アキトであれば普通に転移を使って王の間に行けなくもないが、この城の結界をぶち抜く事になるのでやらない。


転移を使う理由は、この旧魔王城は何百と言う部屋があり、更には迷路の様な通路や階段、さまざまな罠や仕掛けが施されている。侵入してきた者を排除する為だ。

でも実はこのような仕掛けは初代魔王のイタズラである。

初代魔王の暇つぶしに魔王を倒すと城へやって来た勇者を名乗る者達を痛ぶって監視する為なのだ。

何人もの勇者がやって来たがその殆どが王の間に辿り着く前にこの仕掛けによって倒れた。

しかし、勇者の中には王の間まで来れた者も数名居たが初代魔王を倒す迄には至っていない。

旧魔王城の階層は上に30階層、下にも30階層ある。どれだけの大きさがあるのか、想像もつかない。



フッ。

静かに転移した先は巨大な空間。天井は数百メートルは有るであろう。その天井から下がる見たこともないような巨大なシャンデリア。中央には華やかなレッドカーペットが敷かれており、その脇には石柱で造られた松明が何本も灯され王の間の玉座まで続いている。

まさに、王の間に相応しい造り。

ここまで辿り着いた勇者達はどの様に感じたのだろう。

恐怖か?それとも達成感か?

どちらにしても、これから死闘になるであろう魔王との戦いに、尋常じゃないほどの決意が必要である事だったのは間違いない。


アキトはレッドカーペットをローブのポケットに手を突っ込んだまま玉座に向かって歩き出した。

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