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最強とは?それは特に重要では無い。  作者: くぅ
第1章 世界が変わる時
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決戦の結末②

ミルフィーユ・フォレスト。

現エルフ族の女王であり、ヨーパ大陸のイグニス国の女王。シルフィード・グラデウスの妹。

シルフィードと髪の色は同じで深いグリーン。

ハイ・エルフである。

肌は白く、エルフ族特有の尖った耳はあるが、シルフィードの切れ長の目とは違ったタレ目のおっとりした雰囲気だ。

身長も低く、120cmぐらいしかない少女に見える。エルフ族は長寿なので、本当の年齢は分からないが。

シルフィードが美人とするならミルフィーユは、可愛い系であろう。


彼女は、シルフィードに呼ばれ軍の最前線に顔をだした。

ミルフィーユは、回復魔法を得意としエルフ族軍の総指揮と治療回復部隊の隊長を命じられていた為に、世界連合軍の後方で待機していたのだ。

ランクは、Sランク程度である。


「ぉ、お、お、お、お姉様。。。お久しゅうご、ございますです。」


「久しぶりね、ミルフィーユ。私が貴方に女王の座を譲って以来ね。」


「は、はい。。。です。」


「もう、話は分かると思うけど、この決戦は中止。エルフ族も魔族との長年の抗争で傷付いた者や失った命もあると思うわ。でも、分かってちょうだい。これ以上、大切な命を無駄に失う事はないわ。」


「。。。で、でも、私には、そ、その決定権がありません!です。。。」


「そう思っているのは、貴方だけよ。ミルフィーユ。貴方はエルフ族の女王です。私は貴方達エルフ族に全てを委ねました。しかし、これ以上貴方達が傷つく事は私の命が傷つくのと同意なのです。それと、私は初代魔王ゼノと結婚をして、魔族も私の家族となりました。家族が傷つくのは、もうこれ以上見たくない。口出しさせてもらったのは、その為よ。」


「。。。」


「貴方が、エルフ族を守る為に指揮を取り、命を削り合う無駄な抗争は、止めるべきだと思うの。どうかしら?」


「そ、そうは思います。です。。。私は、た、戦いが苦手だから。。。」


「そうよね。貴方は誰よりも優しい。昔から、人を傷付けたりする子では無かった。森や草花が好きで誰よりも妖精に好かれていた。だから、私も貴方に女王の座を譲る決心が出来たの。でも、命を奪い合うこんな抗争は、貴方の本意では、無いはずよ。そうでしょう?」


「は、はい!です!」


「では、ここで、呼び掛けてちょうだい。貴方の想いを皆に告げるのよ。それが、エルフ族女王である貴方の役目よ。」


「わ、わ、分かりましたです!」


ミルフィーユは、風魔法で上空に飛び世界連合軍に呼びかけた。


「み、皆しゃま!わ、私、エルフ族の女王をさせて頂いております、み、ミルフィーユ・フォレストです!こ、この場を借りてみ、皆様にお伝えしたい事がありますでしゅ!わ、私はも、もう、嫌です!皆が傷つくのは、嫌です!し、死ぬのも嫌です!ど、どうか!どうか、この抗争が終わるのを願っています!です!!!お、お願いです!み、皆様にお、お願いです!!!グスッ。。。」


見た目少女のようなミルフィーユの涙の訴えに、世界連合軍の者達は、複雑な思いになった。


確かに、失った家族や親戚、友人もいる。

魔族を恨み、憎しみ、怒り、許せない思いがある。

でも、これ以上の惨劇を繰り返して良いのか?


ミルフィーユのような戦いが嫌いな者も大勢いるのだ。

むしろ、世界には多くの民が暮らしている。

農民や商人、老人、子供、赤ん坊、病人、怪我人、障害を持つ者まで色んな人がいる。

その多くが、戦闘が出来ない。


「さぁ。出番よアキト。貴方がこの抗争を終結させて頂戴。」


アキトは、気を失ったままの総帝を見つめて決意をした。

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