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最強とは?それは特に重要では無い。  作者: くぅ
第1章 世界が変わる時
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決戦④

総帝メアリー・ホワイトは、その場で動けずに固まっていた。

急に空から現れた1人の人物。いや、魔族である。


仮面に仕組まれたマカウターが、ピピピッとその魔族の魔闘力を捉える。

魔闘力【536210】!!!!!!?

魔王と同じ!?いや!それを凌ぐ魔族がいるなんてどう言う事なの!?全く情報にないわ!

き、きっと魔王軍は、、、魔王と同じ実力を持つあの魔族を戦力として隠していたんだ!!?そ、そうに違いない!

ま、不味い!こ、このままじゃ、絶対に負ける。。。私達に、世界連合軍に勝ち目なんて。。。ない。。。


アキトの方を見ると、先程から表情1つ変えず佇んでいるだけだ。

ま、まさか!?も、もしかして!?アキトも魔族の仲間なの!?


世界連合軍の帝達は、マカウターで空から現れた魔族の魔闘力を見て驚愕し、戦慄した。。。

「ま、魔王が、、魔王が、も、もも、もう1人、現れたで。」

雷帝ライジーン・ボルトの絶望にも似た声が響いた。




「き、貴様は!?プ、ププ!!?ププラント・ギルダース!!!」

魔王ジェイソンは空から降り立った魔族を見て驚きを隠せない。

かつての2代目魔王ジルの配下であり同僚であった、ライバルでもあるププ。

ププラント・ギルダース。Xランク。

魔王の私と同じぐらいの実力を秘める強者。

魔王を引退したジルに着いて行くと言って、旧魔王城に残った者の1人。


な、何故?あ、アキトとはこの小僧の事か?

ど、どういう事だ?どういう事なんだ!!?


「ププおせーぞ。俺はコミュ障だから遅刻すんなよって、あれだけ言ったよな?」


「は、はい。アキト様の専用の椅子を修理しておりまして、、申し訳ございません。どうぞ、これにお掛けください。」


ププは、何故か手に持っている木製の椅子をアキトに差し出し、座る様に促す。この場に不釣り合いな木製の椅子。

砂漠の小屋(アキトの家)で使っていた専用の椅子である。

「ちっ!それにしても、お前と現魔王って知り合いだったんだなって、」バキッ!どてっ。


アキトが腰掛けようと椅子に座るがスグに壊れた。そして、無様にもアキトは尻餅ついて、怒りで震えている。

わざとだよな?絶対わざとだよな?

アキトから黒い物が湯気のように溢れる。


「。。。」

「ア、ア、アキト様?も、申し訳ございません。。。椅子を完璧に治したつもりだったんですが、あ、あれー?お、おっかしいーなー?」


ドゴッーン!


強烈なアッパーカット。

ププの瞬時に展開された『ダークシールド』を突き破りアキトの拳がププの顎を捉えた。


天高く舞い上がったププ。

今回は、強烈だったようで中々落ちてこない。

一連の様子を見ていた、世界連合軍や魔王軍も何が起こっているのかさえ分からない様子。

ちなみに、アキトの魔法『皆に聞こえる声』は現在も継続中である。


魔王軍の中でも、少なからずププラントを知っている魔族もいる。特に四天王は良く知っている。ププラントも同じく魔王ジェイソンと共に強者であったからだ。

しかし、今起こっている事は、理解出来ない。

あの訳の分からない事を言っていた人間に、媚びていたかと思うと、いきなり強者であるププラントがぶっ飛ばされたのだから。


魔王軍は、皆いっせいに思った。

あの人間は、只者ではない。いや、おそらく魔王ジェイソンと同じぐらいの実力があるかも知れない。。。



「き、き、貴様は何者だっ!!?答えろっ!!!?」


魔王ジェイソンは、怒りを露わにし禍々しい魔力を放出しながら戦闘モードになった。

たちまち草原に吹き荒れる暴風。魔王ジェイソンが帯びた強大な魔力が渦を呼び竜巻の様な風を起こす。

その魔王の膨大な魔力を浴びて、震えあがる世界連合軍。

急な展開、予期せぬ展開、最早、夢ではないかと思う様な出来事で総帝のメアリーですら、1歩も動けないでいたのだ。


メアリーは、何が起こっているのか?展開が早すぎて全く先程から付いて来れていない。

ここに居る者全てがそうである。世界連合軍も魔王軍も。総帝も魔王も。帝達も四天王も。

アキトが殴り飛ばした相手は、明らかに魔族で魔王と同じぐらいの実力があった。最新のマカウターはこれまで故障した事なんてないのだ。数字を見間違えるはずもない。

アキトが魔族の味方か?とさっきは疑ったが、魔族四天王や魔王とのやり取りでそれは違うと判断できる。

しかも、現れた魔王を凌ぐ実力者を殴り飛ばしたのだ。

でも、その魔族との会話は親しいものだった?様な気もする?

訳がわからない。そして魔王は何故かキレている。


この場にいる全員が既に戦闘する意欲が削がれ、彼、アキトの行方を観察するしかなかった。



「まー。落ち着いて聞いてくれ現魔王。俺はアキト。アキト・グラデウス。2代目魔王の息子であり、初代魔王の孫だ。」


ズボッ!!!


空から再び落ちてきたププラントは、ズボッと頭から草原に突き刺さり、ちょうどアキトの座る椅子になった。

頭が地中に埋まったププラントの背中に腰掛けるアキトは、腕と脚を組んだ。

ププラントもまさか自分が椅子になるとは、、、夢にも思った事はなかったはずだ。ピクピクと痙攣しているようだ。


魔王ジェイソンは、へなへなとワイバーンの背で膝をつき、先程放出された荒れ狂う魔力を飛散させてしまった。

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