4.薙刀の流月
遅くなり申し訳ございません!
熱中症で倒れて入院してました。点滴は何度やっても痛いです(><)
途中で日付を変えてあるので読みにくかったらごめんなさい。
あの後2時間ほどお昼寝をしてからのんびりと結界に沿って回るようにして帰った。
途中でユレの実という果物を見つけた。見た目はヤシの実のような固い皮に覆われていて大きさはバレーボールほどで、中は葡萄サイズのプルプルとした半透明の実が詰まっていてライチの味がした。
パカッと割ると実が沢山詰まっていてそれを一つひとつもぎ取りながら食べるという中々可愛らしいもので市場でも手を汚さずに食べれると人気らしい。まぁ、私もユレの実の魅力に取り憑かれてしまった1人なのだが…。
そうだ!結界にも触ったのだ。
本来は私に並の結界は効かないが、なんとかして触れるようにした。結界は見えないがそれなりの魔術の心得がある者ならば魔力の流れというものが見えるらしく、その応用で何となくの形は見えるのだそうだ。しかし、大規模で強力な結界ならば多少なりとも多くの人に見えるらしい。
そうだった、結界の触り心地はつるんとしていた。見えない壁がそこにあるような感じで、それ以上進もうとすると阻まれるのだ。
エルフの国は全域を結界で囲まれていて、ただ1つしか無い大門を通らなければ入国することができないという。魔力の多いエルフだからこと出来ることだ。ノスタリカ帝国では、王都のみ結界で囲まれている(ショボイが)というがその維持方法がえぐい。王宮の魔術師達が定期的に結界の補修をする時にエルフなどの魔力の多い奴隷を買い、その魔力を使っているという。
ドン引きだ。
しかもその方法が禁忌に指定間近の魔術なのだ。
なので戦の時は魔獣達を避難させておかねばならない。魔獣は死んだら魔素になり、時が経てばまた魔素から生まれるという無限ループを繰り返しているが、魔力を吸い取られると魔獣を形成している魔素自体がなくなるので魔獣は生まれることが出来ないし2層自体の魔素が薄くなるという事態も発生する。
そんなことを考えながらユレの実をお土産用に収穫しながら帰った。勿論レオ達に喜ばれた。
その日は寝ずに空の観察をしていた。こちらの世界は太陽と月とは別に季節が分かるという球体?惑星?が浮かんでいて、それは1日中浮いている。今は薄い黄色なので春という意味だ。しかし、北や南などの極端なところではあまり意味が無いのでほぼ観賞用だ。
ふと思ったが、星が多く感じる。周りに明かりがないせいかもしれないが、空いっぱいにちりばめた様な星の光はとても綺麗だ。
そうだ明日は私の戦い方のレパートリーを増やそう!
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夜が明けた。しっかりと1人と3匹で日の出を見た。3匹というより1匹だったかもしれない。私はアルの背中に乗せてもらって神木のてっぺん辺りまで飛んでもらったのだ。なかなかの眺めで感動した。
その後アルは偵察に戻っていった。というよりレオに追い出されていった…あ、リオにも。
そして昨日の夜考えていたことを話すとどの魔法が使いやすいか考えてくれた。
決まったのは水属性の上位変換である氷属性だった。理由は1番森に被害を与えにくいということだ。火だと森を燃やしてしまうし土だと地形を変えてしまう、風と迷ったのだが物理的な力の問題で氷になった。
まぁ、主な戦場は1層と2層の間あたりにする予定で威圧して森の被害を最小限にするつもりだ。
氷属性で足止めをして残りを鋭く長い円錐形にした氷で突き刺すというなんとも物理的な方法だ。
でも、勇者達(笑)に復讐したいという私の個人的な意思を汲み取ってくれたレオ達には魔法だけではつまらないと言われたので、私が唯一使える薙刀の練習をしようと思う。
体の弱い私だが、近所のお婆ちゃんが薙刀を扱えたので護身術にと徹底的に教えこまれた。薙刀なんて非常時持っていないだろと思うがこれはただの棒でも応用できるのでとのことだ。流石に何時間も激しい動きをすると倒れるので教えてもらうのはほんの少しの時間だったが、5歳から始めてもう10年続けてきた私の腕前はお墨付きをもらったのだ。
なので、私だとわかるようにも薙刀を使おうと思う。これを話すとレオ達に許可を貰えたので早速私が使う薙刀を創ろうと思う。
まずイメージする。今は多少の重いものなら振り回すことが可能なので大薙刀にしようと思う。刀身は60cmで柄の部分は1.8mと長めにした。刃は反っていて先にいくほど太くなるようにした。やっぱり自分好みにカスタマイズできるので、刀身は真っ白で光を反射して銀色に輝くようにして千段巻の部分は金糸を使う。柄の部分は漆黒の漆で石突の部分に金の飾り紐をつける。飾り紐にはアルが氷龍に貰ったという綺麗な石をつける。そのまま目を開けば目の前に光が集まりイメージした通りの薙刀が出来上がった。
『凄いな…。初めて見る剣だ。』
レオ達は驚いたようだ。そういえばレオ達の目の前では使ったことが無いかもしれない。
『私から付与をつけてあげる。何がいいかしら…そうだ!魔力を通りやすくしてこれを媒体に魔法が使えるようにしましょう!』
『付与か…それは良いな。なら、我は切れ味と耐久があがるよう付与をしよう。』
リオが始めたが付与ってアレだよね。何かに力をプラスするみたいなの。…って、あぁ!始めてるし!!光ってるよ薙刀が!
『よし!できたわ!』
『うむ、なかなかの出来だ…。』
いやいや…本人ガン無視なんですけど。
「えっと…この薙刀に付与してくれたの?」
『あぁ、なかなかいい感じに仕上がったぞ。』
いえ、仕上がりは聞いていません。まぁ、強くなるならいいや。
『薙刀という種類なのね。ルナが名前をつけてあげたらどう?』
「名前?」
『武器に名前をつけて魔力を込めるとその者しか使えなくなり奪われたりしても持ち主のところに戻ってくるようになるのだ。』
なるほど!それはいいかもしれない。知識の中に体術の特徴などもあるので試してみたいと思っていたが薙刀を使うなら無理かと諦めていたが…コレなら紛失を防げるし戻ってくるなら投げることも可能か。いい事尽くしなのでつけることにしよう。やっぱり日本名がいいよね……。
「決めた!この子の名前は流月にする。」
『良い名だな。』
『この世界にはない響きだけどルナの世界の名前なの?』
「ありがとう!そうなの、私の名前の字と私の師匠が[流れる様な動き]と褒めてくれたのをとって流れる月で流月。」
そう私の特徴は流れる様な動きから繰り出す攻撃で、それを褒めてくれた師匠であるお婆ちゃんを忘れないようにするためにも流月と名付けた。
私は薙刀を手に取り「君の名前は流月。これからよろしくね。」と心の中でいいながら魔力を込める。
すると、淡く流月が輝いた。
光はすぐに消えたが私と流月の繋がりが深まったように感じた。
その後は動きやすいようにと雰囲気を出すために巫女服をつくった。(巫女服にしたのは私の偏見だ。)巫女服といっても上はノースリーブにして袖の代わりにロング手袋にした。袴の部分もショート丈にして足袋を長くして足の裏側を厚くしてそのまま靴のようにした。
そして、淡々と動いても倒れない私の新しい体に感動しながら薙刀…流月を振り続けた。時々レオ達にアドバイスを貰いながらも対人戦に備えて我流を生み出した。コレは対策を取られないようにする為で、薙刀はこの世界にはないが剣の扱いに慣れているものには動きが見破られてしまうかもしれないということなので人間離れした動きが出来る私だからこその型を作った。
その日はそんな風に終わっていった。
次話は多少時を進めて話を書くつもりです。
あと数話で完結の予定ですそれまで温かく見守ってくれたらと思いますのでどうぞよろしくお願いします!
2016.8.27 アドレスをアドバイスに修正しました。
誤字すみませんでしたm(_ _)m