1.さよなら私、こんにちは私
はじめまして!
この作品を読んでくださる方、ありがとうございます。
小説を書くのは初めてで誤字脱字ばっかりで、拙い文章ですがこれからよろしくお願いします!
事の始まりは、帰り道
普通に幼なじみと帰る途中だった
違うことがあるとすれば、それは半日授業だったということだろうか。丁度高校生活2度目のテストの最終日だ。まことに嬉しくない、が、3学期制のうちでは結構成績に影響してくる大事なテストで…面倒だ。
クラスメイト…他の学生は久しぶりの部活へと向かったようだ。夏の大会も近いので大変だろうが、私は生まれつき体が弱いため部活に入っていない。なので、普段はひとりで帰っている。
あ、この時点でみんなの言う普通じゃなかった…。
まぁ、それはいい。
……いや、良くない。
問題はヤツらだ。
私の幼なじみ達は所謂主人公体質で、クラスでも中心となっていた。いや、学校でも有名でイベントの度に人々の視線を集めていた。
ここで私の自己紹介をしておこう。
私の名前は柏木月。高校1年の15歳。見た目は黒髪黒目で髪は背中までのストレート、インドア派なので色白。体質も日焼けしにくい。自分で言うのもアレだが、胸は大きいほうだと思う。
でも、見た目は平凡で何処にでもいる女子高生だ。
そして問題の私の幼なじみ達も紹介しておこう。
天月優人。同級生で、日本とイギリスのハーフらしく金髪蒼眼のイケメン。何でもできるスーパーマン、人当たりが良く学園の王子と呼ばれている。
ちなみに、いるだけで視線を集めるコイツは私にとって天敵だ。
花田愛梨。同級生で、茶髪に茶目のふわふわロングの癒し系。皆からは可愛いとか、優しいだとか、学園の女神だと言われているが、この子は問題児だ。とにかく、思い込みが激しい。
もう一度いう、思い込みが激しいのだ。
コレと決めた事は意地でも通すし、周りも止めないので厄介なヤツだ。
矢代遼。同じく同級生、黒髪黒目の美形。成績優秀、品行方正、テストでは毎回トップを飾っている。どんな化物だよと思うが、コイツはそういうヤツなのだ。
ちなみに、学園の麗人と呼ばれていた。本人は嫌がるフリをしていたが、満更でもなさそうだ。
という感じだ。
こうなると、一緒にいる平凡を絵に描いた様な私に問題が発生する。いじめだ。
嫉妬や妬みからくるソレは、小学校の時から始まっていた。
私がどんなに3人から離れようとしても何故かいるのだ。アレか、一般家庭を恐怖のドン底へ突き落とすアノ黒くて素早いヤツか…。
まぁ、その日もあの3人に見つからないように帰ろうとしていたら見つかった。
割と普段も見つかるのでGPSや発見機能でもついているのか!?と疑っている…割とマジで。
仕方なく、仕方なーく4人で帰ることになった。
面白くもない話を聞きながら3人の後ろを付いて歩く。
すると、まぁ大変。3人の足元に光る魔法陣があるではないですか。
テンプレの勇者召喚かよ。とか心で思いながら、巻き込まれるもんかとその場を離れるつもりだった。そう、『だった』のだ。
驚くことにヤツらは私の袖を掴みやがり。
「そうはさせないよ。」と言った。
意訳:逃がすものか
まぁ、つまりは私は巻き込まれた。
気がついたら、真っ白い空間にいた。1人で。独りで…。上と下も真っ白なので距離感がわからなくて足元がふらついて頭がグルグルする。
「気がついたか?」
いきなり何処からか声が聞こえた。男…いや、青年ほどだろう。アルトに近い高めでそれでも男性ならではの重さがある。
これが、所謂神様という存在なのだろう。
「突然だが、君は死んでしまった。」
は?え?
それしか出てこない。ありょ?異世界トリップって死んじゃうの?
「いや、違う。ほかの3人は無事に召喚されたが、君は体が耐えれずに死んでしまった。いまは魂だけの存在となっている。」
うわー。まじですか…異世界召喚ハイリスク過ぎるーいや私が弱いだけか。
じゃあ、私このまま消滅とかですか。べつに生に執着はないけれど…。
「そうはさせん。元の体は無理だか、私の願いを聞いてくれるのなら彼等と同じ世界にいけるがどうする?同じ世界ならやりたいことだってあるだろう?」
あ、消滅フラグは無くなった。
そりゃそうだよね元の体が耐えきれずに死んだのだから。
そうだね…あの3人にはお世話(意味深)になったからねぇ?それにしても神様の願いかぁー。それって願い事を聞いてから決めてもいいですか?
「あぁ、可能だ。願いと言っても無茶はさせん。行動は制限されるかもしれんが…。」
んー。取り敢えず聞かせてください。
「簡単だよ。君には半神になってもらって、神木の守り神となって欲しいのだ。ちなみに、半身とは私の子供や、部下みたいなものだ。」
意外と普通ですね。神木から離れられないというだけで、特に危険は無さそうですし。
「その通りだ。だか、最近怪しい動きをしている国があってな…。もちろん、それに対抗できる能力は付けるつもりだ。それに戦になれば人は死んでしまうものだ。仕方ないだろう?な、悪くは無いだろ?」
神様がそういうこと言うんですね。なかなかに意外だ。
んー怪しい動きですかぁ…。
「安心して。君だけで守るわけではないから。聖獣と呼ばれる者達も付けておくから。」
そう言われるとお得な気がしてならない…。
うん、じゃあお願いします。神様のお願い聞きます。
この時大分軽い気持ちでOKしたなと自分でも思う。何ともまぁ…深く考えることに苦手な私らしい。私が先に考えるのは自分への利益、ハイリスクハイリターンとは言うがハイリスクならば諦める。だって損害しかない場合が恐ろしいし、そんなの嫌だ。なるべくローリスクハイリターンを目指す。そんなこと滅多に無いのだが…。
「あぁ、君ならそう言ってくれると思ったよ。能力とか見た目とかの希望があったら言ってね、見た目は元がベースになるけどなるべる叶えるから。」
なんで私にそんなに優しくしてくれるんですか?
確かに巻き込まれで死んでしまったが、余りにも優しすぎる。これが例え罠だとしても今のことろ私の利益の方が大きいし、神様が得をするとは思えない。だって今まで聖獣とやらが守るので大丈夫だったのだ。ならば戦争なんて知らない、戦うことも出来ない私を転生(?)させるのは割に合わない。
「おかしいと思わなかったかい?彼らといると君だけ不幸になる…とかね。君は、彼等に幸福、つまりは『運』をとられていたんだ。どういう原理かは今のところわからないんだが、あそこまで強いと彼らの意思も関わっているだろう…。まぁ、今まで来なかった幸福の分だと思って。ほら、そろそろ時間になってしまう。」
そう、なんですか…。確かにおかしいとは思っていたけど、衝撃の事実だ。
じゃあ、私が行く世界の知識が欲しいです。見た目は…変でなければ特に希望はありません。
まずは知識。無知とは罪であり恐ろしいとこだ。異世界召喚ができるということは、魔法なりなんなりの地球にはない力が作用しているということだ。ならば地球の常識は通じないだろうし、言葉も全く違うものだろう。知識はそれほどまでに財産的存在なのだ。
見た目も大事だか人目を引くほどだと影で動く時に目立ってしまうので程々にしてもらいたい…いや醜女も嫌だが。
「それだけでいいのかい?じゃあ、見た目は私が決めておくよ。…さぁ、そろそろ時間だ。いってらっしゃい。」
神様がそう言うと、暖かい光に包まれ私の意識がだんだん遠くなっていく。
最後に呟く。
ありがとう
届いたかな?
そこで私の意識は途絶えた。
────────
意識が浮上していく。
そういえば、神様と約束したんだ。
という事は私は半神になったということかな?
あ、そうだ!知識は……頭の中に入ってる。某検索サイトのようだ。あれは素晴らしく役に立つ現代人バンザイだ。本の中の知識も多いな。おいおい、何でも入ってるし…。まぁ、野菜の育て方はわかるよ、魔物図鑑とかさ…でもさぁー。何?[一から始める盗賊のなり方]って…。そんなアグレッシブなことをする予定はさらさら無いのだが。
ん?私の力についても載ってる。
[創造の力]
・イメージすればモノを作ったり、魔法を使うことが出来る
・なお、完成度は使用者の創造力による
まるでゲームのステータス画面の様だ。にしても、イメージさえ、すれば使えるなんて…どんなチートだよ。でも想像力のない人は使えないのか。これは固定観念も関わってくるかもな。
そうして私が頭を抱えて考えていると、バリトンボイスが聞こえた。
『起きたか?』
しかも、頭の中に直接。
「うへぇ?」
驚きで、変な返事をしてしまった…。
取り敢えず、周りを見渡してみると…顔があった。犬?いやハスキーみたいな…もしかして狼?しかも、デカイ。
再び驚きで固まっていると、今度は透き通るようなソプラノボイスが聞こえた。
『ビックリしちゃってるじゃない。可愛そうよ。』
『うむ、それは悪いことをした。すまんな。』
「い、いえいえ…。あの、貴方方は…?」
なんと黒い狼と白い狼がいた。わんわんかもしれないが。
まさかの食われる…!?
『聞いてなかったか?我らは聖獣だ。』
聖獣さんでした。はい。
じゃなかった、お世話になるんだから取り敢えず、自己紹介しなきゃ。
「わ、私は半神になったルナといいます。よろしくお願いします。」
元の名前でいいかな?今更だが失礼の無いようにする。半神になってすぐ食べられるっていうのは勘弁して欲しい。聖獣が何を食べるのかは知らないが、私は美味しくないぞ!
『ルナ…いい名前ね。私達は神木を守る対になっている狼の聖獣。名前は…ルナがつけてくれない?私達は名前が無いの。』
『それはいいな。我らの名前を考えてくれ。』
マジすかぁ…。名前ってそんなに簡単につけていいものなの?
狼だしなぁー。ウルフ?いや、2匹いるし…黒と白?単純だよねぇ。
「あの、じゃあ…貴方がレオンハルトのレオ、貴方はリオレッタのリオ。っていうのはどう、かな?」
私がプレイしていたゲームに出てくるキャラの名前を少し変えてみた。レオとリオだけでも良かったが、聖獣なのに名前が短いとなんかなぁ…という私の偏見により長めになった。てかネーミングセンスの無さ…神様はそこら辺のことは考えていなかったようだ。無念。
恐る恐る2匹を見上げると「レオ、レオ」「リオ…リオ」と繰り返していた。
『いい名前ね!ありがとう!』
『我も気に入ったぞ。礼を言う。』
はふぅ~。気に入ったようで良かった。
なんとか第一関門突破。
「どういたしまして…そうだ!私は何をしたらいいんですか?」
これだよ、これ。超重要。
嫌だよ?さぁ、戦えとか言われたら。
『特にといって無いわ。』
「はぇ?」
いやいやいや。無いだと?
『神木の守り神とは、神木を見ているだけでいい。』
『稀に人間が近くまで来るけど結界があるし、神木も枯れる事はありえないからね。』
断言されました。
なにそれ、暇人じゃん。私ニート?異世界きてニートとか勘弁してよ。
なんて困惑していると天の声が…!
『でも、最近は森に接している帝国が異世界人の召喚に成功したらしくて、そのうち森に攻め込みに来るらしいぞ?』
なんていうことは無く。
え、異世界人の召喚って…もしかして、ヤツらか!?
うわぁーないわー。いや、ヤツらに手を出すチャンスがあるということか!神様が言っていたのはこの事か。戦争なんて言葉は知っていても実際見たことがない。画面の向こうの事で自分とは関係の無いことだと、どこか頭の中で思っていた。
とか、半神やら神木ことを話しているうちに辺りは暗くなった。
頭の中の知識によれば、半神は睡眠、食事が不要らしい。確かにお腹もすかないし、眠くもない。でも、人間として生活していたので急にその二つが必要ないと言われても落ち着かない。
勿論、お風呂にも入りたいが大森林の中に風呂があるわけない。温泉なら湧いているかもしれないが…。ということで、魔法を使ってみることにした。
例えば、[探知]。これは、自分から指定した範囲の中を探知できる。生物が何処にいるとかどんな種類か…まぁ、そのまんまだ。ともかく、これを使えば私が神木から目を離しても大丈夫だということだ。
そしてもう一つ。お風呂に入れないのは元日本人としてキツイ。なので[洗浄]という魔法を使うことにした。これはとても便利で、手が汚れたらこの魔法を使うだけで洗ってもないのに綺麗になる。しかも服や靴などにも効果がある。だが、服や靴は[保護]の魔法というものがあり、買った当時のまま保存できるという。つまり、引っ掛けてもほつれないし破れない。[洗浄]はまだしも[保護]の魔法は無属性で、高位の魔法だから使える人はほとんどいないし、使えても永久ではなく魔力がなくなればやがて朽ちる。
ビバ魔法!わっしょいチート!ちょー便利じゃん。
こんな感じで私の半神ライフ1日目は終了した。
その日はリオのモフモフに埋もれて寝た。
めっちゃ気持ち良かった。ふわっふわのさらっさらだ。
イメ画募集してます。
でも、載せ方がわからないので知っている方おしえてください!