セカンド・リアル 14
目が醒める。
まだ頭がぼーっとする。
両手の握力がかなり弱い。それに、かなりダルい。
頭に付けた黒いヘッドホンを外す。
ゲーム画面には、[メンテナンス期間に入ります]の一行のみ。
終わったのだ。たった二日間の出来事だが、生死をかけた雄也の壮絶な戦いが。だが、心残りも存在する。弥富謙介に、一つ聞きたい事があったのだ。なぜあの世界を作ったのか…と。しかし、弥富謙介はもうこの世界にいない。雄也がこの手で殺したからだ。
小さなため息をついて、雄也はベッドから起き上がる。
「腹減ったなぁ」
気分を紛らせようとするが、すぐにあの世界の事を考えてしまう。
「おにーちゃん、起きた」
一階から可愛らしい声が聞こえる。妹だ。時計を見ると、昼の十二時頃だ。
急に腹が鳴り出す。よく考えてみれば、雄也は夕飯も朝飯も食べていない。
「すぐ行く」
妹に返事を返して、ゲーム機を枕の下にしまい、雄也は部屋を後にした。
暗闇の中で、私は目を覚ました。前後左右、何処にも何もない、ただただ何も無い空間に私はいた。
服装は白衣の姿だ。この状況を推察するに、私は負けたのだろう。
私は現実に戻るつもりは無い。何故なら、現実の私は彼によって殺されたからだ。
右手を持ち上げ、空を撫でる。沢山のウインドウが並び、一つのファイルを選択。
[セカンド・リアル メンテナンス中]
私はこれを見て頬が緩んだ。そして、誰もいない空間で一言呟く。
「全てはまだ、初まっていないのだよ」
そう言って、弥富謙介は空間に浮かぶウインドウを全て消した。
「えっ!」
箸が止まる。嫌な予感が雄也の中を駆け巡った。これまでになく、非常に大きな何かだ。
「どうしたの?お兄ちゃん」
向かいに座って昼飯を食べる妹に「なんでもない」と返して、箸を動かす。
しかし、雄也は知らなかった。この出来事が、まだ序章に過ぎない事を。




