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セカンド・リアル 13

地面を蹴る。

体制を低く取り、一気に弥富に接近する。剣を振り上げ、最速で振り下ろす。その攻撃を弥富は両手剣の腹で防ぐ。タスクは左手を握り、顔面目掛けてパンチを打つと、今度も両手剣が動き、防がれる。

一度バックステップで距離をとる。

スキルのフラッシュスタブを発動させ、突きを放つ。それも両手剣で防がれる。

…くそっ、全く攻撃がはいらねぇ

タスクは両手剣目掛けて剣を振り続けた。金属音がドーム内に響く中、弥富は平然とした顔で攻撃を防いでいる。

不意に、弥富の口が開いた。しかし、攻撃を打ち続けたタスクは、それを認識するのが遅れた。

「シールドバッシュ!」

両手剣の腹が押し出される。剣が弾かれ、真上に上がる。

両手剣では盾スキルが使える。そんな事も忘れていた。

弥富は剣を横に構えて水平に斬り、ガラ空きのタスクの腹に斬撃を加える。体力ゲージが一気に黄色に染まる。その直後、弥富は振り払われた両手剣の柄の先で突きを放つ。その突きは吸い込まれるかのごとくタスクのみぞおちに入る。

「ガハッ!」

声が漏れ、後方に吹き飛ぶ。地面を転がり、蹲る。

「いってぇ」

声にならないほどの声で呟く。視界上部の体力ゲージは真っ赤に染まっている。

タスクはゆっくりと立ち上がり、奥の手を使用するため、剣を鞘に収める。しかし、柄は握ったままだ。腰を落とし、剣を抜こうとする。

ここで弥富も気づいた。タスクのやろうとしているスキルは、抜刀スキル。

抜刀スキル

恐らく使われていないスキルランキング上位だろう。カッコよさが売りのこのスキルだが、発動するのに五秒間静止しなければならない(五秒以上静止し続けると威力や距離が伸びる)。また、構えている状態だと、モンスターのヘイトを上げる事になり、まさしく格好の的、という事だ。スキル数は最も少ない九個。使うプレイヤーはほとんどいない。

しかし、このタイミングならこれ以上に使えるスキルは無い。

すでにもう三秒静止している。発動出来るまでまであと二秒。

無防備な状態を逃した弥富は、両手剣を中段で構える。恐らく、返し斬りを使うつもりだろう。

返し斬り

武器を中段に構えるカウンターを狙うスキル。剣に触れた時点で反撃になる。剣のスキルなら大抵は入手出来る。しかし、反撃のタイミングが合わないとダメージを二倍くらうので、使用する者は少ない。

「ふー」

息を吐く。もう十秒もこの体制だ。

タスクは、今この瞬間を際だと感じ、鞘から剣をゆっくりと引き抜く。刃が鞘から顔を出す。それと同時に右足を踏み込む。それと同時に自分だけに聞こえる声でスキル名を呟く。

「不知火」

不知火

抜刀スキルの一つで、最後に入手出来るスキル。速すぎてスキルの説明はほとんどできない。わかるのは、斬撃回数が四回という事のみ。

タスクの体がシステムアシストを受けて高速で動き出す。景色が一瞬で変わり、止まった頃には弥富は視界にいない。先程と同じ体制で高速で動いたかのような感じだ。スキルは発動前と体制が変わっていない。ゆっくりと柄からはみ出た刃をしまい、キン、という音を立てる。

ザシュッ!

後ろで効果音が聞こえる。振り向くと、脇腹と肩に切れ込みが入っている。

弥富の体力ゲージが消し飛んだ。

無言の静寂が一瞬だけ訪れる。その時間は、長くも短くも感じた。

「まさか、おふざけで作ったスキルに殺されるとは」

弥富がそう呟く。

「おふざけかよ」

タスクはそう言うと、背中に背負った剣を引き抜く。すると、ピキッという音を立てて砕ける。背中の鞘も消滅する。

恐らく、一度目で両手剣に触れ、反撃を二度目の攻撃でそれを防いだ感じなのだろう。

「おめでとう」

その一言と共に、弥富謙介は無数の光の欠片となって爆散した。

視界の中央に経験値獲得、レベルアップ。入手アイテム蘭にメッセージが表示される。

ゲームマスター権限がタスクに移行しました。

…かった

タスクはその場にしゃがみこむ。あるのは、終わったという達成感。

右手を持ち上げ、メニューウインドウを表示させる。すると、メニューウインドーの右上にGMというアイコンが新しく表示されている。タスクはそれに触れると、沢山の選択画面が表示される。その中に[強制ログアウト]アイコンが表示されていたのでそれに触れる。プレイヤー指定画面に移行し、タスクを選ぶ。すると、全身を光が包み込む。そのままタスクの視界はホワイトアウトした。

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