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帰還せし王  作者: 陽炎
2章【エクスラード国動乱】
20/36

貨幣と街進入

 関所の中に魔族が三人と、彼らの呼び出した召喚獣が二十匹。それらが関所の守備にあたっていた人間を囲んでから数十分。

 その間にフレギオンは、シュパイツァーを関所の一番奥の部屋――不審者などを閉じ込めるための部屋――に閉じ込めて、ドアの周りにセトゥルシアが呼び出した獣たちを五匹ほどで見張らせる。万が一逃げ出してもすぐに捕まり、ひいては噛み殺されるという状況を作った。

 小心者のシュパイツァーは悲鳴をあげて、部屋に閉じこもって、助けてくれと叫んでいるがそのたびに獣たちが雄叫びをあげたために、次第にシュパイツァーは静かになった。


「これが全部だ」


 ジャララと人間達全員が、手持ちの銅貨銀貨を大人数用の丸いテーブルに広げた。

 その数、総数千三百枚。銀貨百に、銅貨千二百枚。金貨はないが十分な数がそこにある。その中の銀貨の半数はシュパイツァーの懐から頂いた。


「これでいくらぐらい買い物が出来る?」


 フレギオンがそれに視線を落としながら問いかけた。


「え、買い物……?」


 金を出せと言われ、それだけでもそれなりに理解が不能状態だった弓兵の男が思わずそうこぼした。魔族が人間と同じように買い物をするなどという光景が思い浮かばないからだ。

 その男だけでなく、他の者も驚きの顔をしていた。が、フレギオンはこういった顔をされるのはもう慣れっこになっていた。


「そうだ。この金でどれぐらい生活できる? と、聞いている」


 視線を戻して、人間達の顔を見る。凜々しく眼光鋭い視線に人間達はたじろぎながら、横の同僚達の脇腹を肘で小突く。それはまるで、お前が言えよと言っているようだ。

 やがてフレギオンの真っ正面に立つ弓兵の右横の魔道士が答えを言った。


「庶民的な生活をすれば一年間はいけるだろう。私なら……」

「ああ。これが一人なら十分すぎるだろう、家族が多いなら変わるが……。それでも十分だ」


 追随するように弓兵も口を揃え、この金は、一人では十分な大金であり、家族が居る場合でもそれなりの生活をすれば十分やっていけると人間達は言ってきた。

 それを聞きながらフレギオンは彼らの生活水準の度合いを推し量っていく。ふむ、と声を出して。千三百枚にもなる貨幣の中から銀貨一枚を取り出す。


「銀貨一枚で銅貨百枚か?」

「そう、そうだ。そのとおりだ」

「なるほど」


 魔道士が目を丸くしながら頷くこと三回。魔族が貨幣の価値を知っているのに心底驚いたのだろう。魔族世界には金という概念はないため、確かにこれを理解しているというのは信じがたいことかもしれない。が、フレギオンは日本にいたのだ。このぐらいの感覚はよく分かる。


「金貨がないが、金貨は銀貨百か?」

「いや、金貨は違う。あれは銀貨二百で一枚だ」

「単価が違うな。そうなると金貨は銅貨二万枚もするのか」


 さすがは金貨、といったところかもしれないが、実のところ稼いでみれば貯まるのかも知れない。高すぎるかどうかは判断できないな。と一人心で呟いて、銀貨を見ながらもう一つ質問する。


「この銀貨でお前達が宿泊するなら一晩はいけるのか?」


 銀貨をつまみながら、全員の顔を見る。やはり人間達は驚いているが、正直もうその顔は見飽きていたため、全く気にしないことにしていた。


「ああ。安いとこなら銅貨六十でもある。飯はないが……」


 最後は歯切れを悪くしながら、男は続けた。


「良質な宿泊場なら、銀貨一枚に銅貨五十などもある。上を見たらきりが無いが………、なぜそんなことを聞く……?」


 男が最後にフレギオンに通貨の価値を聞く理由は何かを問いかけてきた。それは他の誰もが同じ事を考えていたようで、実はセトゥルシアやギーゼルヘアも気にしていた。

 なぜフレギオンは金に興味を持ったのか。それを知りたくて、魔族二人もフレギオンが何と言うのか興味津々にみてくる。


「我々はお前達の国に向かう。そこで金が必要になる、悪いが少し頂くぞ」

「く、国にだと……!」

「我らの国を襲う気か。キサマ……」

「それを聞いて、我らが黙っていると思うのか」


 口々に人間達が怒気をはらんだ声でフレギオンを見てくる。たしかに祖国に魔族が侵入するなどと聞いて黙っている方がおかしいだろう。しかし、フレギオンは冷静にただ一つの事を彼らに示した。


「お前達に選択できるのは二択だ。死ぬか生きるか。そのどちらかだ。生きたいなら黙っていろ。抵抗する気なら悪いが死んでもらう。あの男を裏切ったのは生きたいからだろう? それとも気が変わったかな?」


 努めて冷静に事実だけを突きつける。ここでフレギオン自身が声を荒げて殺すぞと言ったところで、戦いになるだけでなく無益に彼らを殺してしまうことになる。それは避けたかった。なにより、こうして落ち着いて選択の余地はないにも等しい状況にあるのを教えてやるのは、王者然としたものを感じることが出来た。


「お前達の国にいる魔族を助ける。ただそれだけだ、国を攻撃するというわけではない」

「国には俺の子供が居る。そ、そんな危険なことはさせられない……、お前を行かせるわけには……」

「抵抗しない者に危害は加えない。子供に手を加える気は無い。やめておけ、息子を助けたいなら今この場を生きることを考えろ。だいたい、国を襲うなら最初からお前達を殺している」


 国に居る子供のことを、家族のことを考えて再び戦う意思を固めようとした男に、諭すように言うと、男は周りの者からに落ち着けと促され、頭を抱え込んでそれ以上喋ることはなくなった。


「それで、ギーゼルヘア」

「なんでしょう」


 貨幣をテーブルに落として、ギーゼルヘアを呼ぶ。彼は颯爽とフレギオンの横に来た。


「お前は貴族に顔が割れている。これ以上の動向はかえって危険になった」

「は?」


 フレギオンの言うことが分からず、思わず彼は口を開けてポカンとしながら、聞き返す。フレギオンは彼の肩に手を置いてわかりやすく説明してやることにした。


「貴族はお前を殺す気だ。それはあのシュパイツァーという男の行動で分かるな?」

「え、ええ……」

「ならお前と共に国に入れば、俺たちがすぐに魔族だとバレてしまう」

「つ、つまり」

「お前はここで待機だ。この先はセトゥルシアと俺とだけで行く。お前はこいつらを見張っておけ」

「そんな、俺も」


 エクスラード国で一暴れしようと思っていたギーゼルヘアは納得できず、顔を振って拒否する素振りをみせた、が、フレギオンは既にやることを決めていた。


「最初は貴族とお前を接触させて、仲間の居場所を聞く。そういう計画だった。だがそれが出来ないんだ、お前が国に行けばその時点で仲間が殺されるかも知れないし、お前も殺されるかも知れない。そんな危険は冒せない」

「うっ………」

「お前が悪いわけじゃない。貴族が最初からそういう腹づもりだったんだろう。なら、俺とセトゥルシアだけで行く方が良い。それにこの門は最終的に皆を守ることに繋がる。お前は強い、だから、お前にここを守ってくれと頼んでいる。やってくれるな?」


 フレギオンの瞳の光が強くなる。その眼は、暗にお前を信じているぞと言ってきているようなものだ。

 国に向かって戦いたいと切望していたギーゼルヘアの心がつよく揺れ動いた。彼はこれまでの生涯でこういった頼みはされたことがない。族長たる身分がそうさせなかったとううのはあるだろうが、なかなかどうして良い気分じゃないか。と、ギーゼルヘアは高揚する自分の心を抑えようとは思わなかった。


「ここを守れば、種族全部を守ることが出来る。それをお前に任せると言っているんだ、やれるな?」

「りょ、了解です。いや、お任せを。俺がここを必ず守り抜きます」

「よし、頼むぞ」


 手を離して、フレギオンはフッと笑う。その微笑は男性でありながらも、見とれさせるだけの十分な魅力がつまった笑みだ。人間達もその笑みに息を飲んだ。が、彼は男であるということを思い出して、首を振る。


「セトゥルシア。そういうわけだ、よろしくたのむ。まぁ、君は文句なんか言わないだろうが……」

「ええ。私は、フレギオン様のお決めになったことに従いますので。気にせずお決めになって下さい」


 やはりというかセトゥルシアは文句一つ言わず、全てを受け入れた。いや、フレギオンに全てを任せているのだろう。

 最初はこの発言にも驚いたが、徐々に慣れてきた。


「よし、じゃ、最後だ」


 彼女から眼を離して、いよいよ最後の話題だとフレギオンが身を乗り出すように、テーブルに手を当てて、人間達全員の顔を見た。フレギオンに何を言われるのかと人間達は身を強張らせる。


「エクスラード国に入るために、お前達の力を借りる。国に入ったら後は解放してやる。ただし、国には残らず、すぐによその国に行くんだ。家族が居る者も、すぐに出て行け。南にヴェッツハルム皇国というのがあるんだろう? そこに行けばいい。とにかくエクスラード国にのこるな」


 それがフレギオンが彼らに出した最後の命令、あるいは頼みだった。そして、この時フレギオンは、エクスラード国に入れば必ず何かしらの戦いが起きると予感していた。それがどの程度の規模の戦いになるかは分からなかったし、予想も難しかったが、この人間の力を借りるという行動自体のリスクも理解し、それが引き金になるかもしれないとも思っていた。

 甘すぎる行動かもしれない。身を破滅させることをしたかもしれない。しかし、やはり無抵抗の者を殺すことは彼はできなかったし、彼らには生きるチャンスというものを与えたかった。

 フレギオンに協力した彼らを皇国に行けと言ったのも、甘さゆえなのは承知していた。





 ――関所をギーゼルヘアと、召喚獣をさらに十五体呼び寄せて総勢三十五体の獣と共に守らせて、フレギオンとセトゥルシアの二人は人間達と共にエクスラード国に向かった。

 大きな荷馬車の中に鎧と武器を入れて、さらにそこに大量の(わら)を引いて、二人はその中に隠れた。ただし、そうなると外の状況は分からなくなるため、フレギオンは飛行系のモンスター、鷹のような小さな獣を呼び寄せて、空から監視させた。これで人間達が万が一裏切ってもすぐに対処できるようにしておいた。

 山を越えて、平地に入って、さらに二日揺らされたあと、フレギオンの前に大きな大河がみえてくる。河の流れは比較的緩やかだが、河の幅はかなり大きく、岸を渡るには約百メートルにもなる大きな橋を越えなければならない。

 エクスラード国の南東から延びてきている河で、エクスラード国の民はこの河をヴェラード河と呼んでいるらしい。水は清みきっていて、飲み水としても使えると人間達は教えてくれた。エクスラード国は水に困らない国らしい。これだけの大河があるのだろうからそれも当然だろう。


「ということはエクスラード国というのはあれか」


 対岸の向こうにそびえ立つ大きな街が見える。街の様子はあまり見えない。というのは外側に大きな城壁があるからだ。高さはこの距離からでも大きいなと思わせるのだから、二階建ての家とまではいかないでも、それに近い壁がある。視線をさらに奥にやれば、街の後方に大きな宮殿のようなものが見えた。そこは王の住まいなのかも知れない。が、国が街一つではないだろうとさすがにフレギオンも思い直して、あれが貴族の館だと認識した。


「あの館に住んでいるのがヘーゼル卿か?」


 馬車を先導する者にフレギオンはとりあえず、知っている名前を出して確認してみた。間違っていてもそれはそれで構わなかった。


「あそこがヘーゼル卿の屋敷だ。エクスラード国王の王妃の兄だよ」

「ほう、なら公爵か? どおりででかい宮殿に住んでるわけだ」

「おい、街に着いたら、俺たちは解放だな? そうだな?」


 ややヒステリー気味に男が確認をとってくる。やはり魔族をここまで連れてきたという罪悪感があるからか、全員が気持ちが落ち着かないといった様子だ。

 人間が魔族を手引きをしたというにが広まればそれこそ大パニックだ。しかも名前がバレれば彼らの命の保証はないだろう。危ない橋を彼らは今、全力で走っているのだ。


「解放だ。安心しろ。街の中にさえ入れば後はこちらで行動する」

「ちくしょう。なんで魔族の手助けなんか……」


 後ろにいる男達がごちっているのが聞こえてきた。当然、やりたくてやっている訳では無いのは分かっている。だから、フレギオンは聞こえない振りをしてやることにした。

 問題はこの都市についてからがよほど問題であって、彼らの愚痴など些細なことだ。


「橋を渡るから、あんたは隠れてくれ。見つかったら、俺たちも殺されちまう」


 先導している男に言われて、フレギオンは荷馬車の荷台につまれた藁の中に潜った。荷馬車は大河にかけられた橋の上を渡って、対岸にむかって進む。

 ガラガラと音を立てて、橋を渡り対岸に着くと、前方の街に向かう。藁の中でフレギオンとセトゥルシアはいよいよ人間の街に着くと身を引き締めた。



 真っ青の河の上に掛けられた橋を渡り終えてると、ポツポツと小さな粒状の水滴が空から落ちてきた。それは人が流す涙のしずくのような緩やかな勢いだったが、やがて強さを増していき、雷雨を伴って大きな粒に変わっていった。

 

「しめた、雨だ。おい、布をかぶせろ」


 先導している男が、これはいいぞと、荷馬車のうえに大きな白い布が被せる。布は雨粒から藁を守るように荷馬車いっぱいに広げられた。


「門番がいるが、これでうまく通れるだろう。いいか、あんたは音も出さないでくれよ」


 出さなかったらうまくやり過ごすから、大人しくしていてくれと男が言ってくるのを聞いてフレギオンは、「ああ」とだけ小さく返事をする。


「出てきてもいいタイミングはまた言う。よし。行くぞ」


 男が合図すると、荷馬車の周りは緊張に包まれた。魔族を運んでくる人間がエクスラード国の街に入るのだ、街始まって以来の大事件だ。過去にも魔族は連れてこられたが、それは既に戦闘力を失った魔族であったり、見せしめ用の力の弱い魔族だけだ。フレギオンにように力のある魔族が疲労もない状態で潜り込むのは、この街の市民にとって初めてである。事が知られば大混乱になるのは間違いなかった。

 男達は自分達がいかに愚かなことをしているかを考えて、この場で裏切りたくなるような気分にさいなまれながらも、関所での戦いを眼に焼き付けていたために、我が身大事と今はフレギオンの命令に従うことにしていた。

 それに先導していた男もそうだが、ここにいる者の全員がこの街の出ではない。エクスラード国の首都ラグーンからきたものもいるし、もっと辺境の村からきたものもいる。言わばこの街は彼らには関係の無い場所だ。さらに言うなら、ここの貴族であるヘーゼル卿は王の兄であるという身分上、非情に傲慢で税金の搾取も高いために支持された貴族ではなかった。きっと、混乱がおきるような事態になった場合、真っ先に逃げるだろう。そういう男だ。

 出稼ぎにやってきた自分達をあの関所に配備し、何かあれば連絡しろ。とだけ言ってくるような無能な貴族だ。そのくせ、シュパイツァーのように女癖も悪いのだから褒められる要素がない。


「魔族の仲間か……」


 雷鳴が轟く中、男が一人ごちる。

 その仲間というのは、少し前に送られてきた魔族の女達のことだろう。衛兵に連れてこられたのを彼は覚えている。その時はまだ関所の配備される前のことだった。

 女達は魔封じの腕輪をつけられ、身体を鎖で縛られた彼女たちは何も抵抗出来ない状態で運ばれてきた。ひどい状況だった、市民から罵声を浴びせられ、男達から欲望の眼差しを向けられ、女達からは容姿の良さを妬まれて、見世物そのものだった。魔族を捕らえたと大々的に宣伝した衛兵達は街の中を走り回り、ひたすらいたぶっていた。

 嬲られるように市民に見られた彼女たちはその後、公爵の宮殿に運ばれたが果たしてそこで何をされているのか。男はそこで考えるのをやめた。


「こわいな」


 もし、もしだ。その状況をこの魔族が知ればどういう顔をするだろうか。あの凶暴なギーゼルヘアと呼ばれたダークエルフを従え、明らかに上位に位置している雰囲気。また強力な魔法を行使する力。

 怒らせてはいけない。もし怒らせたとしても、その時には首都にまで逃げたあとだ。今ここで怒らせれば命がいくつあろうと足りないだろう。

 眼を前方にもどして、男は大きくなってきた街の門を見て、全員に声をかけた。その声はいつになく力がこもっていた。


「街につくぞ、気を引き締めろ。見つかるな」


 雨はさらに強くなって、滝壺の中にいるように身体を打ち付けてくる。服はびしょびしょに濡れていき、髪の毛の先から滴が落ちていく。

 馬をひきながら、男はエクスラード国最北端の街オルド。公爵ヘーゼル・ヨッハンヘム公が支配する大きな街の唯一の入り口にさしかかる。

 門兵が詰め所より出てきて、彼らに止まれと合図してきた。男達の心臓が跳ね上がりそうになる。


「止まれ。お前たちどこから来た?」


 二人の門兵がでてきて、男達の顔を見る。

 ありがたいことに、この門兵二人は男達が関所に勤務するまでの間に一度も会ったことがない男達だった。

 そのために関所の守備兵がやってきているという事実に彼らは気付かない。それに大雨のためか門兵は、雨に濡れるのをうんざりしている様子だった。早く詰め所に戻りたそうな顔をしている。

 これは神のお助けだと、男は喜んだ。


「リエンハエルという村から来ました。ちっこい村だからお役人さんは知らないかもしれませんが、山の中にある村なんです。その、通してもらえませんか? 雨の中走ってきたものだから、身体が辛くて」

「ああ、そうだな。村か……。しかしすごい人数だな」

「へへ、みんな同郷のもので、この街を観光しようかと」

「いいぞ、通れ」

「では……」

「待て。その荷台は?」


 門兵の男が許可し、通り過ぎようとしたとき、もう一人が呼び止めた。男達の額に嫌な汗が吹き出す。


「ええっと」

「おい、勘弁してやれよ。雨もひどいんだ、いれてやろう。おかげで俺たちまでずくずくだ」

「それもそうだな……いいぞ、オルドは良い街だ。ゆっくりしていけ」


 濡れるのを極度にいやがった同僚に急かされるように、門兵から許可が下りてフレギオンを乗せた荷馬車がオルドの街の中についに入ることに成功した。

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