表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

VRMMORPG 「7th world」

チュートリアル

作者: 尚文産商堂

チュートリアルとして、俺は、7th Worldをし始めた。

始めてから1日ほどしか経っていないが、今はやっと宿に泊っただけだ。

ログインすると、宿のベッドの上で目覚めたところだった。

両手を見ると、確かにゲームのキャラになっていた。

「御目覚めですね」

すぐ横に、エイトが立っていた。

「あなたにとって、本日が素晴らしい日になることを祈ってますよ。これは、全世界共通の朝の挨拶ですね。覚えておいた方が、円滑な交流につながりますよ」

「そうなんですか」

「ええ」

エイトは微笑んでいた。


宿から出ると、すぐにエイトはとある場所に連れてきた。

「ここは、剣闘訓練場になります。ここでは、攻撃や防御、魔法についての説明をしますね。どこへ行くにしても、必ず戦闘はついてきますからね。私が訓練の手伝いをしてあげますからね」

その顔は、うきうきしているような感じだ。

「まずは、近接戦から。武器は、これを使ってください」

鉄でできたような剣だ。

「近くの的5つを、これで壊してください」

剣で壊せばいいらしい。

俺は、柄を強く握って、漫画に出てきそうな木でできた的に向かって何度も切りつけた。

数回で、たたき壊せれた。

「初めはそんな感じでもいいですけど、最終的には一撃で壊せれる事を目標にしますからね」

そう言って、次に貸してくれたのは弓だ。

「次は中距離攻撃です。弓は、矢をつがえ、狙いを澄ませ、手を離す」

手本としてエイトが見せてくれる。

それ通りにしろということなのだろう。

だから俺は、エイトの通りに弓を操った。

一つ残らず当てると同時に、的は消えた。

「さすが。では、最後は遠距離攻撃。魔法で攻撃してもらいます」

エイトが言うと、チンダルと一言唱えた。

遠くにある的は、一瞬で霧状の何かに変わった。

「あなたにもこれをしてもらいます。まずは初心者向けに、一つ一つ簡単に教えますね。まずは、対象へ向かって、指をさす。これで、ターゲットを固定させます。そして、そのものへ意識を集中させます。慣れれば複数のターゲットに対しても同時に攻撃を仕掛けることができるようになります。そして、後は使いたい魔法名を唱える。これは、自己レベル以上の魔法を使おうとしても、使えないようになっていますので。あなたはウォーターマンなので、チンダルという魔法が使えます」

魔法についての説明を受けながら、頭の中でどんなふうにするのかを練習していた。

「では、してみてください」

的は、15メートルほど離れたところにあった。

イメトレ通りに、一つ一つを確認しながらしてみた。

「チンダル」

パンとはじける音が聞こえ、的はエイトと同じように霧状になった。

「近接系が苦手のようですね。そのあたりの練習をしたほうがいいかも」

エイトにアドバイスを受けて、俺はそれから1時間ほどは、ずっとその練習をしていた。


「はい、じゃあこのあたりでテストしましょうか」

エイトが急にきり上げさせて、俺に言った。

「テスト…ですか」

「ええ、テストよ。練習をいくら積んでいても、実戦で役に立たなければ意味ないですからね。とはいっても、実践を詰めるのは、このテストに合格してからですよ」

そう言って、俺に課されたものは、まとめWiki通りに、近いものが5つ、中くらいに5つ、遠いところに5つの的が表示された。

「このうち10個を壊してくださいね。近いほうから順番に」

エイトがスタートというと、すぐに剣をもつ。

近いほうから、基本を忘れずに順次壊していく。

遠いところの魔法では、同時に2つを壊すことに成功した。

「合格ね。よかったよかった」

エイトがパチパチと拍手をしてくれる。

拍手の音が終わると、ピロリンと電子音が聞こえた。

「この音は…?」

「ええ、レベルが上がった時の効果音ですね。見た目が変化しないので、必ず聞こえるという設定にしています。この変更は不可ですので、お気をつけて。では、今日はこのぐらいにして、宿に帰りましょう」

エイトが言ったので、俺はそのまま宿に帰ることにした。


宿につき、受付で俺の名前を言うと、手紙が来ているという。

「誰からだろう…」

その手紙を受け取って、その場で開けてみる。

「よく来てくれた新米君。君と会えるのを楽しみにしていたよ。さて、君の実力を見るためにも、一つ、頼まれてくれないか。始まりの森という森のどこかに、私が隠した宝がある。それを宿の受付の者に渡してもらいたいのだよ。礼ならはずもう。その物は、白い宝石だよ。球体となっている。では、幸運を祈る。監理者ピーター・J・マキャリアート」

そういう文面だ。

「宝さがしかぁ…」

「おもしろそうね。でも、今日は疲れているでしょうから、明日にしましょう」

そういわれて、自動的にログアウトされた。



次の接続タイムで、3日目が始まった。

俺以外に誰も部屋の中にはいない。

「まとめどおりだな」

あまりまとめWikiに頼るのも何だとは思うが、便利な物は使わないと損だろうと思っている。

「さて、そろそろ降りるか」

受付に向かうと、確かにエイトが立っていた。

「始まりの森は、すぐそばにあるわ。行きましょうか」

「はい」

俺はエイトに言って、後ろをついていった。


サンゴ礁のような森が、どうやら始まりの森と言われているところのようだ。

「このどこかにあるようですね」

「誰かに聞いてみましょうか」

エイトと相談しながら、一番大きく、目立つ所へ向かって歩いていく。

そこには、一人の女性が俺らを待っていた。

「来たね。待っていたよ、キツツキくん」

「あなたは?」

母親(おっかさん)と呼ばれているね。ほら、これを取りに来たんだろ」

おっかさんは、紙を一枚くれる。

「その地図に表示されるところに、目的の物があるよ」

そう言って、木の中へと入って行った。

俺はおっかさんからもらった地図を調べながら、マークがついてある場所を見つけた。

すぐにそちらへと向かう。

運がいいことに、誰一人として出会うことはなかった。


目的の物は、宝箱のような箱の中にあった。

鍵はかかっていなくて、そのままふたを開けると、とても大きな真珠のような宝石がそこにはあった。

「あったようですね」

エイトが見てくる。

「見せてくれますか」

ニコッと微笑みかけてくれる。

「いいですよ」

ひょいと渡したとたん、エイトの全身がビクッと痙攣したかのように飛び跳ねた。

それから、15メートルほど離れて、胸を強く抑えている。

「大丈夫ですか」

返事はない。

発狂状態になると書かれていたが、これがその状態なのだろう。

30秒ほど経って、エイトの目つきが急に変わった。

トロンとしたような表情に変わった。

それから、何も言わずにフラフラとした感じで、俺に攻撃を仕掛けてきた。

その動きは単純明快。

まっすぐ俺の方へ向かってくるだけだ。

まとめWiki通りに、俺は背中を叩きまくる。

時には魔法で、時には物理攻撃で。

まだ装備はしていないから、殴るだけだ。


5回ほど殴った途端に、その場でばたりと倒れた。

あわてて近寄ったが、すぐに起き上った。

「あれ…私…?」

俺の顔を見ながら、つぶやいていた。


どうにか立ち上がったエイトを連れて、俺は宿へと戻った。

そして、受付に渡すと、ピロリンピロリンと2回連続でレベルが上がったことを知らせる音が鳴った。

「2階なった時には、新しい魔法を覚えたことを意味してます。おめでとうございます、これでチュートリアルは修了となります。自らの状態は、常にステータス画面と唱えることで確認することができます。その間も、常に動き続けていますので、できる限り、町などで行うことをお勧めします。HP、MPは宿屋で休めば自動的に全快します。最後にTCについて説明します」

自動的にステータス画面へと移る。

「TCというのは、自分がいるステージ以外の魔法を使えるようにするために必要なポイントになります。なお、ステージを移動する際にも、TCの値が必要量以下であれば移動することができません。また、自らの魔法を使う際にも必要になります。TCはレベルが上がるにつれて増えますが、上限値へ至るためには、アイテムが必要になります。それらについては、必要に応じて説明文が掲載されるので、そちらを参考にしてください。では、また会えると気を楽しみにしています」

エイトはそう言って、笑顔で別れを告げてくれた。

その後は、自動的に睡眠モードへ入った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ