セツナの姉妹
自身に襲い掛かってくる殺気を感じ、ミツミは腰にさした刀に手をかけ、相手が襲ってきた瞬間抜刀した。
一刀両断されたモンスターを見て、ミツミと一緒にいた彼女の妹であるヒノミははしゃいだ。
「姉上はすごいです!こんなおっきなモンスターを一撃だなんて!」
「こら、そんなにはしゃがないでくださいね。……敵がいるかもしれませんから」
自身にまとわり付く唯一の肉親である妹を制しつつ、ミツミは獲物が今回のターゲットか確認する。
「任務完了、のようですね。」
「もう終わりなのです?姉上??」
暴れ足り無いのだろうヒノミは少し不満そうだ。
「大丈夫ですよ。これを依頼人のもとへ持っていって、報酬さえもらえばいくらでも稽古をつけて差し上げますよ。」
「わかりました!お手伝いします!!」
上半身と下半身に分かれたモンスターを町まで運ぶとそこの住人達はどよめいた。
各地でモンスター退治をして旅をしている姉妹だと聞いたが、姉の方は背は高いが細身の女性、妹の方は小柄な少女。誰もこのモンスターを退治でいるなんて思っていなかったのだ。
「いやはや、お早いお帰りで。」
恐縮した様子の村長に、あまりかしこまらなくてもよろしいですよと言って、ミツミはモンスターの死骸を差し出した。
「これが町を襲っていたというモンスターですね?」
「ああ、はい。……にしてもお嬢さんたちだけでこれをしとめたのかい?」
「ええ、隠すつもりはないんですけど、私達」
セツナなんです。
その言葉に住人は姉妹を見た。
セツナとは、過去に失われたといわれている戦闘民族。
彼女達はその生き残りだという。
「報酬は、はいちゃんとあってますね。これくらいで十分です。」
ミツミは報酬を確認すると、さっさと村を出た。
「姉上!まってください!!」
ヒノミも続いて村を出る。
「あーあ、いつになったら放浪せず、一所に住める生活に慣れるんでしょうね?」
ヒノミは姉を見上げつぶやいた
「少なくとも戦が終わらなければなんとも……」
「姉上は軍にいったりとかはしないんですか?」
「あそこは……、貴方がまだ幼い頃少しだけ所属していたのですが、女性だとあまりうまいこといけないのですよ。 そうでなくともセツナ……“人間”以外の種族は大抵兵器としか、認識されませんから、旅をしていたほうがいいのですよ」
「ふーん?」
くびをかしげるヒノミに苦笑して、ミツミは「それに」と続けた。
「色々なものを見てまわる旅というのも、楽しいものでしょう?」
「……そうですね!!」
ヒノミは一瞬何を言われたか判らずに姉を見て、頭の中で整理が付くと大きく頷いた。
「次はあっちに行きましょう! 姉上早く!!」
「こらこら、あんまり急いでは転びますよ。」