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転生先で女の子を救ったら人生が変わった  作者: アンディオス
六章 一枚のページを捲るために
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第五十九幕 一か所目解決!

 誰かが言った


「お前が居なくなるのは寂しいよ。本当に行ってしまうのか?」


「ああ、あっちの世界に未練などないが、俺は帰らないといけないんだ」


 白い靄に包まれた世界で、一人の男と樹木が喋っている

 樹木と言っても人のような形をした人面樹

 どこか神々しさを感じさせる木


「……お前が決めた事なら止めるのは違うよな。でも、いつでも戻ってきていいからな。その時に私たちがいるとは限らないが、どの時代、どの世代の奴らもお前の事を歓迎するだろうさ」


 樹木の形が変わり、地面に張っていた根のうちの一本が人の手のような形になり、男に手を伸ばす


「ははっ、新生の世界王と呼ばれた男が一個人に肩入れするのも可笑しな話だよな。それに、俺は俺のやりたいことをやるだけだ。お前も、ユグドラシルもやりたいようにやって人生を謳歌しろよって人じゃねぇか」


 差し出された手をしっかりと掴み、微笑みかける


「私は人じゃないがな、他の奴らは半分は人だ。お前のせいというかおかげというかだがな」


 そう言って樹木は男の笑みに応えるように樹木が柔らかい雰囲気を纏う


「さようならだ、友よ。もう会うことは無いだろう」


「ああ、さようならだ友よ。お前の創った国がは平和で、笑顔に満ちている事を願うぜ」


 二人の重なっている手を起点に光が強くなり、世界が崩れる

 男の姿が光の粒子となって消えた後、樹木がポツリと呟く


「英雄であり凍極の大賢人か……唯我凍夜(ユイガトウヤ)、お前がここまでの男になるとは思っていなかったよ。運命に感謝しなくてはな……。それと、そこにいる君、何世代後のかは知らないが孫と仲良くしてやってくれ」


『えっ……』


 俯瞰した視点、夢を見ているだけだと思っていたのに、樹木の人は僕に気づいていた

 その事について聞こうとした時、世界が瓦解した






 柔らかい……

 頭の裏に二つの山を感じる

 体重を預けると沈み込むがすぐに反発する極上の柔らかさだ

 雲で寝ているのではないかと錯覚してしまいそうになるが……

 教会にそんな物あるのか?

 というか……


「ソラッ!!」


 上体をガバッと起こし、信頼している女性の名を叫ぶ

 意識を失う前に戦っていたのを思い出したからだ

 僕が意識を失ったという事はソラに危険が及んだかもしれないって事に他ならない

 怒りの矛先は僕だが、もしウルルが僕を庇ったソラを同罪とした場合はソラも罰の対象になるだろう

 それが心配で跳ね起きたのだが……


「起きたんだ、よかった」


「ソラ様の頼みでなければ世界樹様の恵みなど一切与えるつもりはなかったのですが。感謝を忘れぬように」


 ……ほう

 何がどうなったらこうなるのだろうか

 なんかソラが崇められているのだが……なんでだ?

 明確に混乱している僕に、ソラが耳打ちしてくれた


「私の魔力性質が世界樹と似ていたらしくてね、なんか崇められちゃった」


「それ大丈夫なの?」


 僕が気にしているのは危険性どうこうもあるが、それと同じくらい期限についての心配がある

 宗教についてはあっちの世界に居た時はあんまり興味はなかった

 伝記やら歴史書に書いてあったりしてたからそこそこ知ってはいるのだが、確か崇拝される対象とかって御神体的な感じでずっと同じ場所に居続けなければいけないんじゃなかったっけ……


「そこは問題ないよ。だから安心して休んでて」


 そういって起こした上体を押し倒される

 左頬がまだ痛いし違和感しかない

 ソラの膝枕はその部分を優しく包み込んでくれている

 冷静に考えると恥ずかしい事だが、今は甘えておこう

 さっき起き上った時に全身の筋繊維が千切れるんじゃないかって思うくらいの激痛がした

 アドレナリンが切れたんだとしてもこんなに痛むものなのか……


「……えいっ」


「ぎゅぶ!?」


 完全に油断していた所をソラが身体をつついた

 電撃でも喰らったかのように身が跳ねる


「ソラ……?」


 新しい玩具を見つけた子供のように目を爛々と輝かせ、両手の人差し指を構えている


「辞め──」


 そこから数十分後

 絶叫で喉が枯れ、ぐったりした僕はソラに担がれて常盤の雫を後にした




 ちなみに、左頬の違和感はほとんどの歯が根元からへし折られてた事の違和感だった

 そのせいでまた医務室に逆戻りだ


 費用はソラの御威光パワーと一様の謝罪でウルルが出してくれることになった

 僕が寝ている間に大まかな話をソラがしてくれたおかげでちょっとは誤解が溶けたらしい

 なんでもアルベリは常盤の雫の中ではブラックリストに入っているらしく、『またあのラーフィットの所のクソガキか……』とウルルが嘆いてたそうだ

 怒って荒々しくなるのは行動だけじゃなくて言葉遣いもみたいだ

 オーニアスが言っていた二つ名も、今なら理解できる

 『狂信王』ウルル・ペルテネウス

 信者以外にはそう呼ばれ、恐れられているらしいのだが……『狂暴王』とかの方がいいんじゃないか?と言うのは心の中だけにしておこう

 彼女とはもう二度と戦いたくないしね……




 さて、テレイズから治療を受け終わり、退院したのだが、テレイズが何か奇妙なことを言っていた

 なんでも次に行く〝バリオス財閥〟が何かをするために動き出したとかなんとか

 今からと言うわけではないが、近々行こうと思っている人たちがお取込み中なら急に押し掛けるのはダメだろう

 ただ、結構な人数を動員して動いているというのも聞いたのだ

 人数に見合った規模の活動をするのであればそれ相応の時間が必要だろう

 その期間を待つとして、その期間にプラスして許可を取るための期間が必要なのであれば……あんまり問題はないがその間やることがない

 どうしようかと一人で考えていても仕方がない

 ソラに相談しよう


「人手がいるんだったらそれを手伝えば恩も売れるし関係を持てる。一石二鳥の妙案じゃない?」

「その手があったか……!」


 会話のキャッチボール三往復目くらいで特大ホームランが出てしまった

 キャッチボールでホームランは流石に訳が分からないが、訳の分からないことが出て来るくらい盲点だった


 ちなみにソラは感嘆している僕を見てドヤ顔をしている

 凄いでしょうと言わんばかりに胸を張っているソラはめっちゃ可愛い

 そんなことはさておき、まずは人員募集してるかどうかを確認しなければ

 早いほうが良いだろう、明日にでも行ってみよう

 目的地は中層の中央商業区、バリオス邸だ

もしかしたら番外編みたいなキャラの掘り下げをやるかもなので、もし追加したら随時連絡します。

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