表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先で女の子を救ったら人生が変わった  作者: アンディオス
五章 楽しいお泊り旅行?
55/63

第五十三幕 僕の答え

「好きだよ」


 その一言から始まったソラから見た僕の話

 些細な事も楽しそうに語る彼女の姿に心が揺れるのを感じるのはなんでだろうか

 そんな笑顔で見られたら、甘えてしまいそうになる

 揺らいでしまいそうになる


「私がいなくっても君には進んでいける力があるって知ってる、でも、その道(自殺)は進んで欲しくないよ」


 違う、そうじゃない


「好きな人に幸せになって欲しいって思うのは間違ってるのかな」


 そうじゃないんだ、ソラ


「僕には……幸せになる資格なんてないよ。ソラも見たでしょ、僕のことを大切に想って育ててくれた父さんを、僕は裏切ったんだ。そんな僕に──」

「ううん、君は裏切ったからこそ、幸せにならなくちゃいけないんだ」


 何を言っているんだ

 そんな訳ないじゃないか

 僕は、僕は……


「君は独りじゃないから、私がいるから。諦めないで」


 諦めるとか、そういうんじゃ……


「私も、君のお父さんも、君が幸せになってくれるのを願ってる

 君は、そうじゃないの?」


 ……


「なんてさ、私が行っても届かないと思う、それでもいいんだよ、最終的に選ぶのは君だからね」


 悲しげに目を伏せながらソラが近づいてくる

 僕が纏っている冷気が勢いを増す

 それでもソラは止まらない


「私はずるいし、頭もそんなに良くないから、これしか思いつかなかった」


 吐き捨てるように言った言の葉が、寒さに揺れながら僕の鼓膜を刺激する

 その間も一歩一歩近づき、僕の目の前にまでやって来た

 そして、ゆっくりと右手が差し出された


「君がいないと寂しいよ、私まで一人にしないで……」


 寒さのせいか、震えた声がソラの口から出ていた

 それでも、僕は彼女の手を取れない

 僕にはソラの手を取る資格が──


『マサミチ』


 声が聞こえた気がした

 俯いている僕の耳元で、聞きなれた声がした


『おい、マサミチ! 聞いてんのか?』


 この声は父さんの声だ

 寒さで幻聴でも聞こえているのだろうか

 でも、この感じ前にも感じた事があるような


『父さんから一つ、お前に守って欲しい約束があるんだ

 お前もいつか自立して、立派な大人になる時が来る

 そんな時、いやそんな時じゃなくても、お前の事を本気で想ってくれている〝友達〟〝恋人〟誰でもいいが……そいつらの事を大切にしてやってくれ

 お前が大切にされている倍以上大切にしてやれ』


 聞いたことがある

 僕が引っ越しをする前、それまで仲良くしていた友達と喧嘩した時に父さんがしてくれた話だ

 ずっとずっと昔の、小さな頃に聞いた話


『それと、これだけは忘れないでくれ

 父さんは、何よりもお前の幸せを願ってる

 お前が俺の事を嫌いになっても、俺はお前が大切で、大好きだ

 どんな形であれ、お前が幸せなら文句はない

 だから、俺の事を気にしなくてもいいから、幸せになれ! 以上! って俺は子供に何を熱く語ってんだか……』


 幸せになれ……

 なんで今こんな事を思い出したのか、わからないけど

 僕が忘れてちゃいけない事だ


 俯いていた顔を上げ、手を差し出しているソラの顔を見る


 顔を赤くして、涙を流して手を出している

 きっと不安なんだろう

 こんな僕でも、いなくなったら彼女を、ソラを傷つけてしまう

 こんなにも僕のことを想ってくれているソラの気持ちを、無下にしていいのか……?

 言い訳がないだろう、ユイガマサミチ

 そんな事、父さんも、誰も望んじゃいない


 先ほどまで出していた能力を全て解き、差し出されたソラの右手を強く、強く握る

 不安そうにしていたソラの顔が晴れ上がり、大きな笑顔が浮かぶ

 握っていた手を強い力で引っ張られ、ソラに倒れ込む

 倒れ込む僕の身体を大きく広げた両手で抱きとめる


「ありがとう、私を選んでくれて」


 いつもの彼女の声だ

 さっきまでの震えはもう何処にもない

 それでも、僕の肩を熱いものが湿らしていく

 僕の両目からも、熱いものが流れて来る

 そんな自分の震えを隠すようにソラの身体を抱き返す


「僕のセリフだよソラ、僕を選んでくれてありがとう」


 抱きしめたソラの身体は僕よりも小さくて、すぐに壊れてしまいそうで不安になる

 そうだ、決めたじゃないか

 ソラを守るって

 守られるだけじゃだめだ

 僕が守るんだ、この幸せを、ソラを


 僕は、この幸せを失わないために戦おう

 ソラを、アルベリを、大切な人たちを失わないために戦おう

 父さんが「よくやった! それでこそ俺の息子だ!」って、笑いながら褒めてくれるくらい、幸せになろう

 僕は、僕の大事なみんなのためにこの世界で生きて行く

 この先、この世界で生きて行くのなら、何度も命を懸けた戦いをすることになるだろう

 その度に、僕は幸せを、ソラを守るために戦う

 それがこれからの僕の戦う理由だ

短くなってしまったけど、書きたいことは書けた!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ