烈火の如く
今回は爆発の人の視点です
こりゃあ……やばいな
向かってくる影の爪を爆破でいなしながら考える
氷のガキが何かを叫んだ後に出てきた気配
なんもしてきてへんのに死を感じさせる圧がある
「あなただよね。マサミチ君を傷つけたのは」
「ああそうや、って言うたら?」
「塵も残さない」
あの女の気配、地面……いや、根か
なんではっきり気配が感じれるような奴がここに来るまで気ぃ付けへんかったんか
答えは、あの女の能力にあんな
「精葉混根」
魔力の起こりが地面を覆いつくす
道路の間から尖った根が向かってくる
「あっぶな」
物量もさることながら発動までが速すぎる
それに……
「気づいとんねん」
世界樹から落ちてきている葉からも根が飛んでくる
あの攻撃に気づけたのはまぐれだ
葉っぱの影から何かが伸びてくるのが見えたからな
「ホンマ、太陽様様やわ」
それにしてもあの女の能力が分かりやすくて助かったわ
多分だが植物関連、そんでその場にあるものを利用するタイプとみた
「ただの仮説やからな。試させてもらうわ!!」
枝分かれしながら追跡してくる根を使い飛び上がる
手に魔力を込め力一杯叫ぶ
「黒色火薬 爆圧の絨毯!!」
狙うは地面のさらに奥、世界樹の根ごとぶっ飛ばしたらぁ!!
炎の花が地面を根こそぎ吹き飛ばす
「んでもってぇ!! 連鎖爆渦ォ!!」
一度爆ぜた地面が、再び熱を持ち炸裂する
爆発の燃料として送られた魔力で炎の花はより一層咲く
爆音が轟き、辺りの建物を薙ぎ倒していく
「うっし。気分爽快やわ」
抉れてむき出しになった地面を見て言う
せやけどやっぱり、一筋縄じゃあいけへんか
にしても
「っは。えらいダサい格好してんな少年」
むき出しになった世界樹の根っこの上でお姫様抱っこされている男に向かって言う
それにしてもちらっと見た感じあの女に勝つためにはあの根っこから離さなきゃやな
まさか木の根っこで繭を作って俺の爆撃に耐えるたぁな
世界樹の根と言うこの世界公認のチートみたいなモンやからな
それを利用できるんは強いよな
「よそ見とは随分余裕っスね!!」
「実際そうやねんからええやろ」
意思を持った影が襲ってくるがまた爆発でいなす
「お前自体は中々ええんやが爆発の光とは相性悪いやろ」
このガキの能力についても見当はある程度ついとるし
まぁ前に会うたんがラッキーやったな
あの堅物からこのガキが精霊持ちなの聞いてたからな
見ただけでわかるほど強い気配と恩恵
俺以外だったらキツかったやろな
「よそ見とは随分余裕ね」
「ッ!?」
頬を掠るように木の枝が飛んでいく
「はっ、いっぺん注意されたんやけどな」
「学習しない愚者のまんまでいて欲しいな。その方が殺りやすい」
怖い女やなコイツ
「貴方は誰なんですか?何でこんな事を……」
お姫様抱っこから解放された少年は問う
「俺か?俺は火花 烈灰や何でこないな事をって言われたら、まぁ……腐った世界をぶっ壊すためやな」
話を聞き終えた少年は顔をしかめる
「腐った世界をぶっ壊すため?言ってることの意味が分からない。それと今やってることは全然違うじゃないか」
「……ふっ。まだまだ青いわ、なんも知らへんからそう言える。俺は俺のやることがちゃんと意味のある行為やと思とるよ。だからやっとる。そんだけや」
「狂人ね。話が通じない部類の人間だよ」
「完全に頭が終わってるっス」
あらま、総スカンやんけ
「ま、理解してくれるとは思てへんし。真実を知ったら世界は百八十度変わるってだけや」
知らんかったら一生を愚者のまま生きるだけ、そないな人生俺はご免やな
「先に言うとくが騎士団の連中の増援は期待せぇへん方がええで。この祭りは俺だけの物とちゃうからな」
一時的な休戦により辺りの音がよく聞こえる
静寂のない地獄の音がユグレシアで恐怖の旋律を奏でる
「さてと、無駄話はここいらでやめにして俺らも一花咲かせようぜ?」
無駄話で時間は十分に稼いだ
あとは導火線に火をつけるだけや
「さあ、祭りの幕開けやァ!! 火力上げてけ!!」
ヒバナは心底楽しそうに祭りの始まりを告げる
「血祭りだ!! 爆壊!!」
ユグレシア各地で戦いが勃発する
己が信念を突き通すために
城下町・下層の戦い 勝者──




