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静かな一日

 朝、自然と目が覚めるようになった

 まだ寝目覚めはあまりいい方とは言えないけど、早くに起きる事が習慣化したおかげで決まった時間に起きれるようになった


 眠い目をこすりながら洗面台に向かう

 ソラの家と違い水道があるので顔を洗う手間が少なくて助かる


 昨日は意外と早く眠れた

 不安もあったけど、案外何とかなるものだ

 けど、少し寂しいな

 いつもこの時間になったら聞こえてくるソラの鼻歌も今は聞こえない


「そっか、今一人だったな。」

 日課、しなきゃな

 まだ日が完全に昇ってないうちに出発しよう

 人に、合わないように

 そう思いながら扉に手をかけ外に出る



 ソラの家ほどじゃないが自然を感じるとってもおいしい空気

 気持ちがいいな

 爽快感を感じながらも迷わないように周りの風景を記憶する

 走る距離は感覚で、走る速さはハイペース

 さぁ今日も、一日が始まる


 ソラと一緒に走り始めた最初の頃は景色を楽しむ暇なんてなかったが、最近では走っているときに流れていく風景が好きだ

 同じ景色でも走る速度や日によって変わる

 そんなところがとても気に入っている

 それにしてもボロボロの家が多い気がする

 チラホラ見える店も施設も苔やツタが絡みついてる

 人の気配も見えるが町並みからは活気が見えない

 親睦の宿の周りには店や綺麗な家も沢山あった

 下層と言う言葉が暗に示している


「貧富の差、か。」


 一言で表したそれは、僕が嫌悪する〝人〟の特徴だ

 裕福だったら偉いのか、貧しかったら悪いのか

 分け合ってみんな同じじゃ駄目なのか

 そう考える、考えてすぐにやめる

 裕福な人は努力してその地位に立っているのだから

 じゃあ貧しい人は努力をしていないのか?

 答えはしている、だ

 じゃあなんで差があるのか

 僕は割り切って運だと諦めた

 運は平等に降りかかってこない

 降りかかってきた運を、チャンスを掴めるかはそれまでの過程で努力をしたか

 走ってる間の暇なときよく考える事

 吹けば吹き飛ぶ薄っぺらい持論


「ふぅ。もう、戻ろうか。」


 走ってきた道をもう一度走る

 余計な考えを置き去りにするように



 宿にて

 いつの間にか置かれていたご飯を食べながら何をやろうかと考える

 家の中でもできる事は何だろうか

 ああそう言えば

 思い出したかのように取り出したソレはソラから貰った地図だった


 地図を広げてみるとそこには「ソラの観光ガイド!!」と大きな字で書かれていた

 なんともソラらしい

 思わず笑みがこぼれる

 

 ご飯を食べ終わった後、しっかりと地図を読むことにした


 オススメポイント其の一

  ~酒池肉林 極楽世界~

 とっても美味しくて大きなお肉が食べられるお店だよ!

 気のいい店員さんもいてとってもいい所! それに宿からすぐのところにあるよ!

 

 なるほど、お肉の店というか飲食店か

 僕たちのいた森はオオカミモドキがいたくらいで全然動物がいなかったからなぁ

 お肉なんてめったに食べないから久々に食べたくなってくるな

 次はなんて書いてあるのだろう


 オススメポイント其の二

  ~コロシアム~

 宿とは真反対の位置、しかも中層の無法区だから行くのはちょっと面倒くさいよ

 けど、とっても強い人達が戦っているのが見られるいい所だよ!

 賭け事もできるけどマサミチ君はしないように!!

 ちなみに今、すっごい人がいるみたいだよ!

 五年前から一度も負け無し、年に一度の大きな大会で六連覇中!

 六冠王者〝皇帝〟アルドルフ・グラドーワ!

 一度でもいいから会っておきたい人ナンバーワン!(私調べ)

 追記 確か数日後にまた大会をするようだよ!

 何日にも分けてやるから見逃しても安心!


 コロシアムか、物騒なところだけど行ってみたくはあるな

 皇帝アルドルフ 彼?彼女?わかんないけどその人の戦いを見れば少しでも能力について理解できるかな?

 えーっと次は――



 こうして一日中ソラのガイドを眺めていた

 正直、初日はあんまり何かをする気が起きなかったからちょうどいいや

 早く寝よう

 明日日課の時にどこかに寄ってみようかな……

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