二人目 アキラのトラウマ 懺悔
オレは二十一歳の頃、昔からなりたかった自衛官になれた
それより昔のことはあんまり覚えてない
今ではなんで自衛官になりたかったかさえ忘れちまったけどな
まだ若かったオレが採用されたのは日ごろの努力となぜかあった射撃の才能のおかげだった
入隊してからだいたい二年間くらい自衛隊に勤めてた
人生の転機?ってのはちょうど二年目の冬だったかな?
射撃の腕と身体能力の高さを買われSATに入った
警察官になった当初はあんまり乗り気じゃなかった
何せ引き抜きという形だったからオレの意思が介在する余地がなかったからな
だけど、警察官という職事態にリスペクトがあったから受け入れ順応するのも早かった
特例中の特例ということもあって何かと手続きが面倒くさかったのは今でも覚えてる
専門知識やら用語やらを覚えるのにも苦労した
勉強を苦に思ったことは今までなかったけどこれに関しては本当にきつかった
事前知識が全くないって訳じゃなかったけど、ちょっと高度すぎたんだよな
なんやかんやあった後、無事に配属初日を迎えることができた
オレの年齢が若いこともあって特別にバディを組むことになった
三歳年上の男、鈴金 響とバディを組むことになった
ヒビキは私より少しだけ早い段階で部隊に所属していたため、訓練や部隊の決まりなどいろいろと教えてくれた
ヒビキは初めて会ったときからずっとオレの近くで支えてくれていた
何回も命を救われたし、ヒビキの命も何回も救った
喧嘩も沢山した
もちろん仲直りもしたぜ?
まぁそうやって過ごしていくうちにオレはヒビキに惹かれていった
二度目の人生の転機はある日、オレ達の派遣先の海外で未曾有のテロが起きた
恥ずかしい事に今まで経験したことのない危機にオレは何もできなかった
あちこちで悲鳴と爆発が起き、恐怖と混沌が渦巻いていた
地獄ってもんがあるんならああ言う所なんだろうな
助けを求める声が四方八方から飛び交う惨状
出来ないなりにオレは力の限り出来るの事をした
けど、それ以上に被害が大きすぎた
無我夢中で救出作業をしていた時オレのすぐ近くで爆発が起きた
あまりに急な出来事だったから全く反応できなかったんだよなぁ
紅い炎と瓦礫片が迫ってくる光景を今でも覚えてる
正直死を確信した
無理だ、避けきれない
もう駄目だ
そう思った時、爆音とは違う何かが聞こえたんだ
「アキラーーーー!!」
何かが覆いかぶさるような衝撃の後オレは意識を失った
次に目が覚めた時、そこは救護テントの中だった
起きてすぐ気を失う前のことが頭をよぎった
血や死体が腐敗臭や人が焦げた匂いがテントの中に充満していた
苦しんでいる人のうめき声が精神を揺さぶる
辺りを見るのもはばかられるがすぐにヒビキを探しに向かおうとした
けど、ヒビキのおかげでオレは軽傷だった
本当の意味で猫の手も借りたいほど人手が足りてなかったあの時は、まだ動ける戦力として再び救助へと向かわされた
今すぐにでもヒビキを探したかったんだがな
そのあと約二日間休みと言う休みのないまま動き続けた
他の人たちの頑張りもあり何とかテロの鎮圧や住民の避難、怪我人の救護救出が終わった
疲労で意識が朦朧とする中、声を上げヒビキを探していた
何か所回ったか覚えてない
足が動く限り、意識が消える寸前まで探し回った
「ヒビキ……」
いくら探しても情報の一つもなくどんどん嫌な予感が頭をよぎる
そんな不安が現実になるようなそんな気がして精神が参っていく
口から力なく漏れた想い人の名前、いつもそばにいて手の届く範囲にいるからこそいなくなった時の孤独が強まる
けど、もう無理だとあきらめかけた時にこそ奇跡は起きる
「アキラ?」
最後に入ったテントに探し続けていた人がいた
すぐそこにいる想い人の手を力一杯握る
「ょかったぁ……グスッ。ぃきてたぁ。」
手の先から伝わる体温が心地よかった
今にも消え入りそうな意識の中、強く強く手を握る
もう二度と離れ離れにならないように……




