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アナタは誰?

 風を感じる。

 心地の良い……か、ぜ?

 部屋の中なのにこんなに風ってくるか?

 そんなことを思いつつ目を、開ける。


「え。」

 空を飛んでいる。

「んん~?もう起きちゃったの~?めんどくさ~い。」

 耳元から女の声が聞こえる。


 人間への嫌悪よりも困惑と恐怖に体が震える。

「だ、誰?」

「ん~。しいて言うなら天才美少女、かな~。」

 何言ってるんだ?ていうかソラさんたちはどこだ?

 女の言葉を戯言と切り捨て辺りを見回す。

「……は?」

 目の前に広がる景色に頭が追い付かない。

 あたり一面に砂の台地が広がっている。

 なのに森特有の涼やかな匂いが鼻に入ってくる。


 もしかして夢?いや、夢がこんなにリアルなわけない。つまり現実!?

 頭がどうにかなりそうだった。

「あはは~。困惑してるね~。そーゆー表情久々に見た~。新鮮でいいね~。」

 へらへらと笑いながら空中を蹴りすごい勢いで移動している。

 当然、脇に抱えられている僕もすごい勢いの風にさらされている。


 ……くそ。何にもわかんない。隙を見て逃げ出そうにも場所もなにもわかんないから逃げようがない。

(状況確認したいって顔してるね~。ま、そんなことさせないし、できないでしょ?私の能力 隠しの手品(シークレットヴェール)で中から見えてる景色も方角もあべこべになってるからね~。それに外からは景色と同化して見えるしね~。)

「って言うか~もうちょっと眠っててくんない?暴れられると。厄介だし……ね!!」


 ドッ   

 首に強い衝撃を感じた。

 意識がなくなっていくのを感じた。

 せめて……顔、だけ……で…も。

 最後の力を振り絞って顔を見ようとしたが、女がかぶっていたフードのようなもので顔が隠れていて見えなかった。

 フードの端から少しだけ見えたものに驚く。

 靄が、な、い?   

 マサミチの視界が黒に染まる。



 風に揺られフードが脱げる。

「あらら~。根性あるね~。最後の最後に顔見とこうって感じだったのかな?偶然とはいえ惜しかったね~。」

 藍色に輝く瞳は太陽の光を反射し煌めく。

「それにしても熱いな~。」

 へらへらと笑いながら目的の場所へと向かっていく。

(にしてもボスはなんで純人を見つけて連れてくるように言ったのかな?)

「ま、いいか。」

 能力を解除し、一息つく。

 マサミチの顔を見つめる。

(一部始終みてたからな~。この子も苦労してきたんだな~。)

 ボスが気に入りそうな感じ~と、頬をつんつんする。

 長い間、寝ているのを妨害されてうなされているマサミチの反応を見て楽しんでいた。

 次にマサミチが目を覚ましたのはボスと呼ばれている人物の目の前だった。


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