1. No.19000
"絶滅"、それはどんな生き物でも起こり得ること。人間もそう。
必ずしも絶滅しないとはいいきれない。
「でも、そんな簡単に絶滅しないでしょ」と、思っている人が多いだろう。私もそう"思っていたのに"
「今、なんと?」
壁、天井が鉄っぽい素材の白い薄暗い廊下、建物自体が鉄っぽい素材で出来ているせいか、どこか冷たさを感じられる。
だが左を見ると暖かそうな芝生、ひらけているロビー兼広場の真ん中に、年中咲いている"夜桜"がある。
そこだけは、明るく光に照らされている。昼間は太陽の光に照らされ、夜になると月の光に照らされる。
あの夜桜が枯れているところを、私は見たことがない。
なぜ、年中咲いているのか。なぜ、あの夜桜は枯れないのか。構造すらわからない。いや、考えても仕方ないと、言った方がいい。
このロビー兼広場は、私たち"探偵達"の安らぎの場所……。いつもは、賑わっているが今は誰もいない。なぜかというと今は深夜だ。
そして、今の時刻は午前2時……。私は今、"秘密探偵"の仕事を押し付けられています。
「頼む……」
「い、や、よ!」
私の目の前にいるチャラそうな茶髪の男は、私に資料を渡してきた。
「なにこれ」
私が資料を見ると、それは誘拐事件のことについての内容だった。
「お願いします…」
「はぁ?いやよ。めんどくさい…」
しかもこんなクソだrゔっゔん、こんなめんどくさそうな仕事をこのクソやろ…同期のNo.14358、コードネーム"ペル"に、誘拐事件の仕事を押し付けられています。
「いや〜俺、急用入っちゃって〜。早く帰らなきゃなんだよね〜。」
「なんで、私なのよ!アンタサボりたいだけだろ!このクソ野郎!あと、語尾をいちいち伸ばすな!」
私は早く仕事終わらせて、寝たいんだよ!私はただいま、2日間寝ていない…。だからこそ、早く帰って寝たい。こんなクソ野郎に構ってられるか!
「頼む、"ルナ"!お前しか頼れる奴いねぇんだよ…」
こいつの言う急用とはなんなのかを、問い詰める気力もないくらい私は眠い…。
私の脳内は逃げるか、暴力的に解決するかを争っていた。
「あの〜、ルナさん?なんですか、その左手は……」
「ん?」
私は自分の左手を見てみると、力がこもった拳が出来上がっていた。
あぁ、私の体はもう決まっているみたいだ。私の左手はもう、拳ができている。
感情的になりたくなかったが、もう我慢できないと体が訴えている。
「あぁ、この左手のこと?」
私は満面の笑みで、左手を構えている。その拳はそのままペルの顎に……
「お願いします!なんでもしますから、その左手の拳をしまって下さい!」
私の拳は、ペルの顎に当たる直前で止まった
「ほう、なんでも?」
私が元の体制に戻ると、ペルは少しホッとしていた
そういえば、ちょうどもう一人の同期からめんどくさい資料整理を、頼まれていたような……。
いやでも、こいつにこの事件をやらせとけば、私は早く部屋に帰って寝れる。
だが、明日になれば私も資料整理という地獄に、突き落とされる……。
どっちも面倒だな。
まぁ、いいや。こっちの方が楽だな。めんどくさい方をこいつに、やらせといた方が後々私が楽になる。
「わかった、わかった。いいよ。その依頼、引き受けてあげる。」
最近、甘いものを食べていなかったから、こいつに今度奢らせよ。
「私、最近糖分が、足りてないんだよねー」
そんなことをペルの前で言ったら、顔が青ざめていた。
そう。私は結構前にもこうゆう事があって、その時には約1万メモリア(通貨)くらいの、本を買わせた事があった
「あの〜。ル、ルナさん、それって後払いとって……で、できます?」
ペルは顎をガクガクと震わせながら、聞いてきた。
「え、後払い?できるわけないじゃん。」
ペルの顔がさらに青ざめていて、少し面白い
「あと、私がこの仕事を引き受けたら、あんたの仕事がなくなるから、同期ちゃんに頼まれた資料整理、お願いねー」
そう言ったら、ペルの頭上に「?」が浮かんでいる。
「え、な、なんで?」
当たり前でしょと、思ったが、その言葉を心の奥底にしまい、いつもの私に戻って私の攻撃が始まる。
「秘密探偵の"規律"、知っているでしょ?仕事をサボっていたり、溜め込んでいたり、仕事をしていないつまり、"職務放棄"とみなされ……」
ルナがペルに近づき、ルナの人差し指がペルの首に突き刺さる。
「うぐっ」
鈍い声がペルから出され、ルナは顔を近づける。鼻が当たるかどうかの距離で止まり、ルナはまた口を開く。
「クビ……もしくは、消される」
ルナは、ペルの首に食い込んでいる人差し指を、素早く右へと動かされる。まるで人差し指が刃物で"死ぬぞ"と、警告しているかのように……。
「……以後、気をつけます…」
そういい、ペルは完全に腰を抜かしそのまま、座り込んだ。
それでいい、と言わんばかりにルナは呆れた表情をした。
「じゃあ、私はもう寝る。あんたのせいで、睡眠時間が減った」
そういい、ルナは自室へと戻っていった
2020年春頃2人の男の子が渋谷のスクランブル交差点の夜道を歩いていた。
「あーあ、ゲーセン楽しかった。」
「次どこ行こう。」
「映画でも見に行く?」
そんな話をしていると、後ろから妙な気配を感じた。
「ん?」
後ろを振り向いたが誰もいない。
「どうした?」
もう一人の男の子が不思議そうな顔をしながら顔をのぞかせた。
「いや、気のせいか。」
男の子はボソッと呟き後ろにいた子に
「何でもない。」
そう言い歩き始めた時、人気のない路地の方に突然引っ張られた。
腕を噛んだり暴れたりしたが、その抵抗も虚しく。布か何かで鼻と口を押えられ
(やば、意識が………)
そのまま気を失った。
ペルとの言い合いの、翌日
「はぁ、だる。」
私はいつも通りと言って良いほどに、仕事に明け暮れていた。
私は秘密探偵の探偵をしている"No.19000"、コードネーム.ルナだ。
私が働いている"秘密探偵"。それは謎が多い組織だが、世間では危険視されている世界的な、"時空歴史犯罪組織"だ。
時空歴史犯罪とは過去、現在、未来を行き来し歴史を根源から変える罪。未来を変えると後がどうなるか、わからないという危険性や、未来を変えて大きく世界を変えてしまうことから、大罪とされている。
まぁ、私はスカウトというか拾われて入ったみたいなものだから、あまり組織のことも知らないし、この"世界"のことも知らない
私は秘密探偵の中でも優秀な探偵で、狐か猫かわからない半面を毎日つけているせいで、滅多に顔を見せない不思議な探偵として有名…らしい。私はそうは思っていないのだが……。
秘密探偵は、ほぼ毎日無休で仕事をしているせいで職業病にでもなりそうだ。
今日も今日とで、探偵達は仕事に明け暮れている。
「えーと、あいつ(ペル)に押し付けられた正式な依頼は人探しか。」
あのクソ野郎、覚えてろよ……
同時刻、ペルはというと
「ヒッ。」
ペルは、異常な寒気に襲われていた
「なんだ、なんだ?なんかしばらくは、外に出ては、いけない気が……」
両手で腕を摩り、暖をとっていた
「いやいや、そんなことよりルナに、めんどうな仕事を、押し付けられたから、この地獄の資料整理を終わらせて、俺は……彼女に会いに行くんだーーー!!」
とても仕事に張り切っていた。
そして、その声はルナの自室にまで、届いていた。
「………」
あいつ……一発殴ってやろうかな。
そういえば前私が「彼女ができない、非モテ野郎なんだから仕事やれ」って言ってから、なんか妙に女性に言い寄っているような、感じがしたのはそうゆうことだったんだ。
あいつ3日で飽きるクズ野郎なのに……。捕まった人可哀想〜。
「あいつ……上層部にチクってやろうかな」
まぁ、そんなことしなくても自分から墓穴を掘る、馬鹿だから意味ないけど。
私は自分の仕事を優先しよう。
「スクランブル交差点で行方不明か…。」
フードを取りながら私は、依頼資料を見ていた。
「うーん…。あまり行きたくないけど…。行くか……いや、でも面倒だな〜」
サボりたい……サボりたすぎる。でも職務放棄って疑われたら、もっとめんどう……。
ソファから勢いよく飛び起き、外に出るためフードを深く被った
だるそうな顔をしながらもルナは行方不明になった場所、スクランブル交差点に行くことにした




