希望と絶望の都市 セイディオ
朝
自分はお世話になったナナリーちゃんのご両親に挨拶をかわし自分は旅だった。ゼロス様の導きのおかげて目的地が決まり旅を始めた。この世界は魔法と機械が丁度良く混じり魔道具という物が生まれ発展して行っている最中との事であり車のような魔動車があり空を飛ぶ魔動艦という物があるとの事だ。田舎にはまだそう言った最先端の魔道具は存在していないがいずれは全ての人が使えるようになるはずだと言っていた。
昼頃には初めての街が見えてきて問題なく入ることが出来てそのまま魔動艦にのる為に待っていた。田舎に近い街なので来る便も一時間に一本だったりと結構時間がかかる。
「・・・すごいな」
ゼロス様から空を飛ぶ船と説明を受けていたがまさにそのとおりであり中型の船の形をしているが自分の知っている物とは全く違う物に乗るのがワクワクしてしまっていた。それから何回か乗り換えながら目的地に向かって行くにつれて人の数も増えて行った。そしてついに
『こちらラノス航空便、終点セイディオ都市、セイディオ都市。お荷物のお忘れなく』
そんなアナウンスが聞こえ降りる準備を始める。魔動艦を降りて都市を見る自分は完全にお上りさんになっているのだが都市の光景に見とれてしまっていたのだ。活気と熱気がこちらに伝わってくる。
「おっと、こんな所で立ち止まっている場合じゃないな」
確か都市についたらまずは宿をとる事から始めるように言われていたのですぐに良さそうな場所を探すのだがそう言った場所がなかなか見つからず4回目にようやく見つけて部屋を取ることが出来た。
「凄い賑わいだな。ここが世界の中心で先進国って奴なんだろうけどほとんどがダンジョンを目的で来ているんだよな」
すっかり夜になっているが明かりがついている場所があるので外で遊んでいる人達もいるのだろう。ダンジョンに挑むには冒険者協会と言われる場所に行かないと入れないらしく長い年月を得て色んな事があったためにそう言う組織が生まれたとゼロス様は話していたが多分そのいろいろの中に血なまぐさい事もあったのだろう。なんせどんな願いも叶えてもらえるのだ。欲深い人達がその話に乗らないわけがない。
「取り合えず明日だな」
移動で疲れた体を休めて明日に備える。明日からダンジョンに挑戦だ。
翌日の早朝
宿を出た自分はそのまま冒険者協会がある区画にたどり着いたのだが朝早いにもかかわらず人が結構いる。凄く大きい建物の中に入る。広いロビーには仲間内で集まっている人達や話し合っていたりごつい武器を持った人達が一触即発な感じになっていたりと活気に満ちている。
「おはようございます。ご用件は何でしょうか」
「おはようございます。冒険者登録をお願いします」
受付にたどり着いた俺に挨拶してくれる受付嬢に俺も挨拶して要件を言うとてきぱきと必要な物を取り出す。
「冒険者登録ですね。ではこちらに手を当ててください」
「これは?」
「冒険者カードを作る魔道具です。ダンジョンの入るために必要な免許証と思ってください」
取り出したのは水晶玉のような魔道具の説明を受けて手を当てると受付側にある機械から何かカードが作られる。それを取りこちらに渡してくる。
「こちらが冒険者カードになります。無くしたりした場合は無料で発行していますのですぐに来てください」
「無くしたりするんですか?」
「ダンジョンの中はとても危険ですので逃げる際や戦っている内に無くしている人は結構いますね。それではこちらの書類にも記入をお願いします」
渡された冒険者カードと一緒にいり枚の書類を渡され内容を確認する。簡単に内容を訳すとダンジョン内で死んだ場合のことや街での武器、魔法の使用に際の注意事項それを破ったら憲兵が来る事などの事が書いてある。迷わず書類に名前を書き渡す。
「これで手続きは終了になります。お疲れ様でした」
「ありがとうございます」
そのまま受付を離れ作ったばかりの冒険者カードをしまいその勢いでダンジョンに向かった。