神様再来
眠っていたさなか誰かの声が聞こえて目を覚ます。目お開けた時見た光景は最初にザックと呼ばれていたイケメン神様が俺を呼んだ空間に似た白い空間で目が覚めたからだ。
「ッ!?ここって」
「おお、おきたか青年よ」
そんな声が聞こえる方向を向くとそこに老人が座布団に座っていたのだ。見た目は白ひげが特徴的な優しそうな老人だった。
「あ、あなたは」
「うむ?ああ、この姿では察することが出来きぬか」
そういうと「フン!」と力ず良い声と共に老人は2メートル近い筋肉質なマッチョになったそしてそれを見た自分はその人物を知っていた。
「あの時助けてくれたお爺さん!?」
「ふむ、覚えていてくれたか。あやつが君を空間の穴に落とした時に助けることが出来なかったが君が生きていてくれてよかったわい」
あの時、いきなり現れてイケメンの方の神様を一方的に叩きのめしたこの神様。なんでいきなりあんなことになったのか分からないけどでもこの神様なら
「あの!自分を元の世界に返してくれませんか!」
助けてもらった神様にいきなりぶしつけなことを言ってしまっている事は分かっている。でもこの神様なら元の世界に返してくれるかもしれないそう思ったらお礼よりもお願いの方が先に口に出してしまった。そんな自分の願いを黙って老人の神様は聞いていた。
「・・・すまない。君を元の世界に戻すことは今は出来ないのじゃ」
帰って来た言葉は自分の頭を強く揺さぶられる。帰れない。それが答えであり自分は何も考えられなくなってしまい絶望してしまった。そんな自分を見た神様は慌てて言葉を続けた。
「すまんな。言い方が悪かった。今の状況では返せないのじゃ。それにはこちらの事情があってな・・・まずは、その理由を聞いてくれぬか。そして君がこんな状況になってしまった経緯も聞いてほしい」
「・・・」
今は返せない。その言葉が聞こえたため何とか顔を上げて話を聞こうとする。今は返せないなら返せない事情を何とかすれば帰れると言う事なのだ。心の中に溜まっている黒い感情を抑え込んで言葉を返す。
「・・・わかりました。自分が返れない理由を教えてください」
「わかった。では、まずは神様の位について話させてもらうぞ」
ゆっくりと話始める彼の名前はゼロスという名前であり位大伸というくらいであるらしく位は人間でいう所に貴族の位に近い物らしく
創造神、大神、中神、小神、自然神、民俗神
といったふうに位で別れておりゼロス様はその中でも大神と終われる上から2番目にえらい位の神様だったのだ。その中でも大神~小神までの神様は世界の管理を任されているらしく自然神と民俗神は管理する世界のサポートをしているとのことだ。創生神は人間でいう所の王様らしい。
「神様にそんな位みたいなのがあったんですね」
「神々の世界も色々問題が多くてな。人間の世界の様な法などを作りながら少しずつ改善しようと努めているのだ。神は過ちを犯さないとでも思っていたのか?」
「え、そんなことはないですが」
自分的に接待に間違えない存在なんていないと思っているし間違えがあればすぐに直せばいいと思う考えになのでこの話を聞いた限りは神様も間違えるんだなと共感を持っている。
「そう、間違えを犯しその過ちから学ぶことは生きているすべてのものが出来ることじゃ。そしてそれが君を元の世界に返せない理由でもある。ザックに言った言葉を覚えているか」
「えっと確か」
異界人なんとかって言っていたような?いきなりすぎてあんまり覚えていないがゼロス様は言葉を続ける。
「異界人法というものが神々の世界にはあるのじゃこれはかつて異世界の人間を無断に大量に自身の世界に招き命がけの戦いをさせたり異世界の記述が欲しがった阿呆が無理やり招き入れて文明を一気に発展させたりと余りにも目に余る事をしていた結果。創生神がある法を提出したのじゃ。それが異界人法なのじゃ」
異界人法、別の世界に生きている人、物を無断で自身が管理している世界に持ち込んではいけない。
簡単に訳すならそんな法が出来たとの事らしい。そのおかげて一時的には異世界の住人を転生、転移を抑えることが出来たのだが少ししてからまた異世界の住人に被害が出始めた。
「なぜ?」
「法には強い拘束力があるがどんな方にも穴は存在する。あの手この手で姑息にも異界人を狙った犯罪が多発してな・・・儂は創生神から勅命を受けその犯罪に対して動いているのだ。そして昨日ある神を捕まえるために動いていたのだ」
「それって」
「そう、それがザックじゃ。あやつは異界人を売買している主犯であり分かっているだけでも多くの被害じゃがいる。あやつはよく使う手には別の空間に連れ込み最初は世界を救ってくれなどの事で連れて行こうとする。それでもつれない相手には契約書を書かせるのじゃ」
「契約書って自分が書かされかけたあの紙ですか?」
あれは自分でも怪しいとは思っていた。でも出入口なんてなかったしそもそも落ちて来た穴もなかったので自分は書く以外の選択肢がなかった。
「君達からすればいきなり連れてこられた場所で帰るには連れてきた存在に頼るしかない。相手は異界人を元の世界に何か返す気がないから契約書に不利な内容が書いている物に名前を書かされると言う事じゃな」
完全なマッチポンプであり怒りがこみ上げて来た。そして自分はたまたまその被害者になった。詐欺にあう人たちはこんなやるせない気持ちなのだろうか。
「法があって犯罪って減らないんですね・・・って?今の話を着ている限り自分が返れないのってなんでなんですか?」
法で縛られているのは行為で他の世界に人を持ってくることであり元の世界に返すだけならばなんの違法にはならないのでは?そんな疑問に対してゼロス様は答えてくれた。
「君が考えている法と神々の法はただの効力のある紙ではないのだ。神々の法は行動そのものが出来なくなるのだ。世界を越えて他の世界に干渉する行為そのものが出来なくなるのじゃ。故に持ってくることも返すことも出来なくなるのじゃ」
「え・・・でも!ザックって神様は干渉しているじゃないですかあの白い空間だって俺をそこに連れてくるための空間の穴だって干渉ではないんですか?」
「・・・そこがあやつが姑息な所なんじゃ」
この空間は世界と世界の狭間にある言わば治外法権の領域であり法には引っ掛からないらしい。ならば自分が落ちた穴はどうなのかと言うとあれはどうやら自分の世界の神様に賄賂を渡して協力関係だったとの事だ。つまり違法ではないということになるらしい。
「そんな」
「法の抜け目、黒寄りのグレーをあやつは平然とやっていた。勿論あやつに協力していた奴らも全員捕まえることが出来たのだがな」
ばれなければ犯罪ではない。そんなことを悪びれることなく平然とやってのける相手に自分は運悪く選ばれてしまった。こんな理不尽が許されていいのか。やり場のない怒りがこみ上げてくる。そんな中でゼロス様はある事を言った
「だが、この世界なら君を元の世界に返すことが出来る」
そんな言葉が返って来た。