後処理
大鬼との戦いが終わり自分はその場に倒れそうになるところをマナに支えられた。
「良く倒したっと褒めたいが戦い方が雑過ぎるぞ」
「ははは・・・あの子達は」
「問題ない。千切れた体も元に戻しといた。少ししたら目が覚めるだろう」
流石、神様も認める魔法使い。千切れても生きていたら直せちゃうのか。マナは自分にも回復魔法をかけてくれていると
「主様!」
階段を駆け上がって自分達の目の前に現れた。大きな袋を担いで。
「マナ!お前がいてなんで主様がボロボロになっているんだ!」
「エリカ、マナを責めないで今回は色々事象があるから」
ここで起きたことを簡単に話す。この階層にいるはずのホブゴブリンの代わりに大鬼がいたことマナにはまだ息があった4人の回復に専念してもらったことその為に自分が大鬼と戦ったことを話す。
「・・・はぁー、オーガ相手によく勝てましたね」
「雑な戦い方だったけどね。それでエリカが背負っているそれ何なの?」
「ああ、ゴブリンの魔石です。おいて行くのも勿体ないので全部回収してきました。すいませんが空間魔法で入れてもらえますか」
パンパンになった袋を空間収納で全部入れて折れた骨が治ったあたりでこれからどうするかを考えようとしていたが
「よし、小僧も治った事だし先に進むか」
「え、これ報告した方がいいのでは」
「それをやったら目立ってしまうぞ。いろいろと」
確かに体を直したマナとかオーガを倒した自分だったり一人でゴブリンの大群をぶっ倒したエリカだったり余りに目立ちすぎる。
「そうですね。今回事は彼らに任せるのがいいかも知れませんね。有名なクランらしいですし」
「・・・上手くいくかそれ」
「そこら辺は私が上手くやっといてあるから先に進むとしよう。まあ、あいつらが倒したことを証明するためにこれはおいて行くしかないけどね」
マナが言っているのはオーガの魔石と散らばっているゴブリンの魔石の事だろう。これを持って行ったら証拠がなくなるし持っていくことは出来ない。
「あの子達は大丈夫なのか気絶してしまっているが?」
「ここら辺の魔物は全部切って来たから大丈夫です」
本当に頼もしい師匠たちだな。そう思いながら自分達は10階層の上り階段を上がり上に向かっていくと大き水晶がその場にあった。
「転移装置ね」
「転移装置?」
「昔はこれを使って遠くの地に一瞬で向かっていたのよ。今は色んな乗り物で代用しているらしいけど」
へ~、と自分とエリカはマナの話を聞いて興味深く装置を見ていた。すると自分達が持っていた冒険者カードがひらり出したと思ったらカードに星型のマークが現れた。
「どうやら11階層に向かえるようになったらしいな。見た感じここから入口まで帰れる」
「便利だな。自分の空間能力は外と繋げられないのに」
「仮にも神が作った場所。簡単にはいかないのでしょう」
ここに来れれば帰れるのはいいのだがこのまま帰って大丈夫なのだろうか?外にはマスコミがたむろっているはずなのだがその心配を二人に告げると
「私の隠蔽魔法で姿を消すから大丈夫よ」
「・・・本当に頼りになるね二人とも」
「「当然」」
はもったことが気に喰わなかったのか睨み合う二人をなだめながら自分達はダンジョンの外に帰る事にした。
星の開拓者の新米である僕達はいきなりの出来事に動揺しながらも戦闘を開始したのだがオーガに加え無尽蔵に湧いて出てくるゴブリンに僕達は追い詰められていき意識を失う前に僕がなんとかオーガを両断したところまでは覚えている。
「ア・・・アー・・・アーク!」
仲間のハーフリングの女の子であるカロンが声をかけてくる。僕以外の仲間は起きているらしく自分が最後だったらしい。
「皆無事か?」
「何とか無事です。アークがオーガを倒してくれたおかげで周りのゴブリンも消えましたから」
カロン以外の二人も起きているらしいが全員がボロボロでありこれ以上の戦闘は無理だろう。
「・・・取り合えず、この事をすぐに報告しないといけない。ダンジョンでこんなことが起こったなんて前代未聞だ」
「賛成」
「・・・チ、しゃあねえな」
ココとガイもそれに同意してくれた。僕達は証拠品として周りに落ちている魔石を持って先輩たちから聞いていた転移装置で外に出た。
その後は怒涛の展開だった。記者達は僕達の姿を見て驚きながらも話を聞こうと迫って来るわ。祝勝会を開こうとひそかに準備していた先輩方が何があったかを聞いて来るわそれを説明したら冒険者協会で詳しく話さなくて話いけなくなるわ。比較的無事だった僕と最後を見ていたカロンの二人で詳しく話した。
「オーガにゴブリンさらには10階層の扉が壊された・・・ですか」
聞いていた冒険者協会の職員も事態の深刻さを察しすぐに調査隊を派遣することになった。
「その・・・もう一度聞きたいのですがオーガを倒したのは本当ですか?」
「・・・はい、本当だと思います」
正直に言ってこの質問が一番多く僕自身も信じれていない。オーガは20~30階層に存在する魔物であり外では現れるならば国の一部隊が出てくるほどの敵でもあるからだ。冒険者だと熟練した使い手が倒すほどの敵でもある。そんな相手を新米の自分が倒したというのは今でも信じられない。だが、確かに僕の記憶では倒した。
「正直に言って僕が持っている力の全てを叩き込んだので一緒に倒れてしまってよくわからないんです」
「アークが倒したのは私が証明します。最後まで意識があったからアークがオーガの胴体を一刀したのを見ました」
カロンが僕の曖昧な記憶を補佐するように答えてくれた。そんな質問を何度も繰り返して僕達はようやく解放されたがそのままクランの抱えている病院に搬送されてそこでしばらくの間は寝泊まりすることになった。
「・・・僕がオーガを倒した・・・」
実感も達成感もないが今は仲間が全員生きて帰れたことに安堵する。でもこれで僕自身の夢の第一歩を踏み出すことが出来た。もっと・・・もっと強くならなければ。
「・・・・上に向かうんだ。そして願いを・・・」
決意を決めて手を伸ばす。神話の時代からあるダンジョンの見えない最上階に手を伸ばして。




