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やっぱり元の世界ではなかった

 元気いっぱいな女の子ことナナリーはスキップしながら自分の前を歩いていた。あれからナナリーちゃんを落ち着かせて色々聞くことが出来た。どうやらナナリーちゃんの両親は薬を作っているらしく薬の材料が少なくなっていることに築いたナナリーちゃんは黙って森の中に入って薬の材料を取りに来てしまったらしい。両親に褒められたかったらしいが危険な状況になってしまった所を自分が助けたという形になったらしい。


 「ナナリーちゃん、あんまりは慣れちゃだめだよ。また襲われるもしれないんだから」

 「はーい!」


 今自分達は、ナナリーちゃんの住んでいる村に向かって歩みを進めている。危ない目に合ったんだから早く帰るべきだと優しく諭しナナリーちゃんに道案内をしてもらうように誘導した。歩きながらナナリーちゃんにい着くか質問をしていくがどうも自分のいた世界ではないのことが話の内容的に分かった。確たる例は


 「ねね!さっきの魔法何なの!」


 と聞かれた時だった。自分の住んでいた世界では魔法なんてものは空想上の話であり現実では自分は見たことがない。もしかしたら昔はあったのかもしれないが俺の生きていてそんなものは見たことはない。無理やり空間をぶち破ってしまったからどこか別の世界に迷い込んでしまったのか?それともここはさっきまで居た空間と何らかの関係がある世界なのか?とそんなことを考えているとナナリーちゃんが声をかけて来た。


 「見えたよ!あそこが私の住んでいる村だよ!・・・あ!」


 指をさして笑顔で言うナナリーちゃんは何かを見つけたのかそのまま走り出してしまった。向かっている先に男性と女性が入り口にいる武器を持った人に何かを訪ねているように見える。


 「お父さん!お母さん!」

 「ッ!?ナナリー!!」

 「どこ行っていたの!本当にこの子は!!」


 ナナリーちゃんがお父さんとお母さんと言って駆けよっていき両親の母親が彼女を抱きかかえる。


 「どこ行っていたの!森には入っちゃいけないって言っていたでしょ!」

 「で、でもお薬の葉っぱが少なかったから取りに行ったら褒めてくれるって思って・・・うう」


 ナナリーちゃんは両親に褒めてもらいたかったのだろうが母親に怒られて涙を浮かべていた。強く抱きしめる母親の姿には本当に心配しているのが伝わってくる。少ししてこちらに築いた父親がこちらに歩み寄ってくる。少し警戒している


 「あの、貴方は」

 「森で迷っていた時にこの子の悲鳴が聞こえて襲われかけた所を助けた者です。名前はソウマといいます」

 「お、襲われた!?」

 「あ、いえ襲われかけたです実は・・・」


 詳しく話をナナリーちゃんの父親に告げる。話を聞き終わった父親は深く頭を下げて来た。


 「うちの娘を助けていただいてありがとうございます」

 「いえいえ、当然のことをしただけですよ」


 そんな会話をしていると母親とナナリーちゃんがこちらに来て頭を下げてくる。足にしがみついているナナリーちゃんも一通り泣いたのか少し目が赤くなっている。


 「この子を助けてくれてありがとうございます。何とお礼を言ったのもか何かお礼をしたいのですが」

 「それでしたらここが何処か教えてくれませんか。実は自分・・・記憶喪失なんです」


 ナナリーちゃんのご両親、父親のラフトさんと母親のアトリに自分がどういう経緯でここに居るのかを話した。話した内容はでっち上げた物ではあるが素直に話しても信じてもらえないかもしれないので


 ・名前と魔法の様な物が使える事

 ・森にいた前の記憶が一切なくこの世界についての事も分からない事


 この2つを打ち明けた。元々この村の薬師と医師を務めているラフトさんは俺を自宅兼診察所に案内し色々検査してくれた。特に目立った外傷がない事から記憶を失う前に何かした結果、記憶をなくしてしまったのではないかと結論に至った。

 それから俺は出来たらお礼がしたいので一泊していきませんかと言われた。行く場所もないのでお願いし自分が持っている物も見せてみた。あの空間にあった金貨を1枚だし見せてみる。金貨と言うからとこかの通貨なのだろうと思い見せて観たのだがラフトさん達は見たこともないとの事だ。このことからここら一帯では使われていない通貨であるという情報が加わり遠い別の国の通貨の可能性が出た・・・もしくはそもそもこの世界では使われていない通貨の可能性も出た。


 夕食をいただき温かい料理に心が癒え使っていいと言われた部屋で横になり今日1日のことえお考える。偶然とはいえ親切な方々に合えて屋根のある部屋に止まることが出来た。既に人生全部の運を使い果たしてしまったのかもしれないなどそんなことを考えながら不安がこみ上げてくる。


 「・・・これからどうしよう・・・」


 ここが何処かという問いにラフトさんはアルゴス大陸のユピエ地方だと答えた。この時点てここが自分が生きていた世界ではない事が判明し頭を抱えてしまう。具合が悪くなってしまったことにして今ベットに横になっている。


 「元の世界に帰れるのか自分は・・・」


 最悪持って来てしまったお金があれば生活が出来るしそれで元に戻る方法を探すと考えてもいたのだがそれが出来なくなってしまった。この世界に通貨の両替は出来るのか?そもそもここを出た後に生き残れるのか?不安ではあったが安心もしていた自分に一気に睡魔が襲ってくる。それに抗うことが出来ない自分は目を閉じた。

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