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10階層挑戦Ⅱ

 星の開拓者(スターゲイザー)との絡みがあったがせっかちな人がいたおかげであんまり絡まれることなく新人を出入り口まで送り届けることが出来た。


 「ありがとうございます!」

 「かまわないよ。これからも挑むなら今回みたいに周りが助けてくれるとは思わないようにね」


 少し前に自分が一人で死にかけた経験からそんなお節介なことを言ってしまうがその子はこっちの言葉を理解して次はちゃんと準備をするとのことを言ってくれた。素直な子だしもう大丈夫だと思いたいな。

 彼らが出て行ったところで隠れていたエリカとマナが出て来た。


 「それにしても囮にして先に進むなんて余りにも無責任ですね彼らは」

 「そうだね」


 エリカは囮に使った連中に怒り心頭らしい。彼女の性格からしても怒るだろうなとは思っていたけど結構ガチ目に起こっている。


 「まあ、そういうな小娘。あの子の実力では進めたとしても何処かで死んでいた。ボスまで行けても肉壁にされていたかもしれんしな。ここで引き返せてよかったと思っておけ」


 マナはさっきの子の実力を見て先に進まなかったのは正解だと言った。自分もそう思う。1階層発見できて本当に良かった。


 「それにさっきの・・・えっと星の開拓者だったか。それから離れ垂れてよかったではないかこっちで時間を調節手間が省けたしな」


 こっちは10階層を踏破したいけど彼らとは関わり合いたくないので時間を少しずらしてボスに挑むつもりでいた。マナとエリカには階層に何人いるかが分かり強い人なども分かると言う事なので彼らと自分達のペースの調節をしてもらっているのだ・・・いや、人の数も強さも分かるってどうやってんだ?


 「それにしても有翼人のあの娘、こっちらに若干築いていたな」

 「え、気づかれていたの」

 「いえ、何かいるかも?程度の認識でしょうね。索敵能力が高いのでしょう」


 新米でも流石エリートということなのだろう。二人とも本気で隠れているわけではないとしても感じとれるとは


 「二人が本気で隠れたら見つけれる気がしないな。街歩いている時も周りに築かれてないしね」

 「私達みたいな美人が歩いていたらそれだけで騒ぎになるからな」


 自慢げにマナが言った言葉はあながち間違いでないのが困る。


 「それじゃあ、気を取り直して進んでいこうか」

 「そうですね」

 「道中はサクッと終わらせましょう」


 自分は声を出しながら気持ちを切り替えて目的の場所を目指していった。



 ダンジョンを入ってから時間が経ち現在9階層に到達した冒険者達。30人近く居た冒険者は15人まで減ってしまい9階層まで来られた冒険者達は商人から薬を貰った者達だけだった。


 「おい、あいつらおいて行って良かったのか」


 一人がここまでだまして連れて来た新人冒険者の事をリーダーの一人に尋ねた。


 「・・・てめえはいまさらになって怖気ついたのか」

 「い、いや・・・そうじゃねえけどよ」


 新人達をだまして連れて来たのだがその役割は自分達の肉壁として使うためだ。この人数で移動する場合どうしても魔物との戦闘が避けれない事がある。その為に新米をだまして連れて行き魔物の足止めに使っていた。


 「あいつらがついて来るって言ったんだ。俺達は何も悪くないし騙される方が悪いんだよ」


 周りの冒険者も笑いだす。ここにいる冒険者達は10階層を踏破できずに鬱憤が溜まっていた者達だ。自身よりも若く将来性のある奴らが自分達よりも先に進んでいく姿が羨ましく妬ましく思っている。なので潰れてしまえと内心で思っていた。


 「それにな、今回のボス戦はこれを持っている俺達だけでやるんだあいつらはどうせここで捨てる予定だったんだ。構わねえさ」


 そう言って懐から商人に貰った薬を出す。怪しい奴ではあるがこっちにはすでに余裕がない。そんな時に現れたあいつは俺達にとってはすがるしかない存在だった。たとえそれが悪魔であったとしても


 「これさえあれば、もうみじめな思いをしないで済む。俺だって・・・俺だって・・・」

 「・・・」


 取りつかれたようにそんな言葉を繰り返す大剣使い。これを貰った俺達には先がない。田舎から夢を追って親の反対も無視してきた奴らもいる。ここで無様に返ったとしても先はない。それなら悪魔に魂を売って出ても成功を手に入れて見せると集まっている者達だ。金、権力、女、なんでもいい。いや、全部ほしいからこそここに集まっている。


 そんな夢にいざなわれた欲まみれな冒険者の前に10階層に続く階段を発見する。その階段を上っていくと大きな扉の前にたどり着く。分厚い扉の先には想像もできない強敵が待ち構えている。

 それを目の前にした冒険者達は持っていた薬を疑いながらも一気に飲み干す。


 「こ、これは!!」


 飲んだ瞬間に彼らは驚いた。体から魔力が無尽蔵に溢れてくる。更には体が今まで以上に動くのだ。自ずと心も軽くなったような気がする。いや、今ならどんな敵も倒せるはずだと思えるほどに高揚している。


 「これならいける!!やるぞ!おまえら!!」

 「「「おおお!!!!」」」


 夢を叶えるために吠える冒険者達はそのまま、門を押し開けて中に入って行く。たとえ努力で手に入れたわけではない自分達の力ではなかったとしても夢にてか届くかもれない今の彼らには関係ないのだから。

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