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10階層挑戦

 次の日、自分達は一通りの準備を終えて家を後にする。アロン先生が家の前で見送ってくれる中でダンジョンの入り口がある冒険者区に向かっているのだがそっちに向かうにつれて人の数が増えていく。

 辿り着いたときには30人ぐらいの冒険者が入り口付近で何か話している所だった。


 「何やってるんだろう?」

 「ここいらで目立とうとしている有象無象だろうな」

 

 マナの言葉と共にその30ぐらいの集団を取っている人達もいる。カメラを片手にその光景を取っている人がいたり屋台にある椅子に座って楽し気に眺めている人達もいるほどだ。


 「本当に祭りって言うか。娯楽の一つになっている感じなんだね。ダンジョンの踏破って」

 「ですね。私も初めて見ましたがここまでとは」

 「昔は神様の試練とか言われていたのに時間が経つと何でも娯楽にするのが人類のさがなのかしらね」


 自分達は集まった人達を見ながら各々で感想を言った後に演説をしていた大剣を持っていた冒険者の男がこぶしを突き上げると大きな声を上げて周りもそれに呼応する。そしてダンジョンの中に入って行った。


 「もしかしてもう星の開拓者はダンジョンに入った後なのかな?」

 「・・・いや、どうやら本命が来たそうだ」


 そう言ってマナが見ている方向を見ると白い防具を来た金髪のイケメンとそれに続いて3人の冒険者が歩いて来た。それを見るや否やカメラを持っていた人達は一気にシャッターを押し始めた。


 「アーク様!!」

 「カロンちゃーん!!」

 「ガイ様こっち見て~!!」

 「ココさん!!」


 金髪の人がアーク、白髪の小柄な女性がカロン、茶髪の狼獣人がガロン、黒髪の背中に翼がある女性がココと言われていて周りから凄い歓声が上がっているのだが


 「まるでアイドルだな」

 「有名どころの期待の新人なのだからあながち間違っていないだろう」

 「それにしても彼ら中々の強さですね」


 エリカがそう言って彼らを見ている自分にはまだ相手の実力を感知することは出来ないのだがさっきの30人ぐらいいた冒険者よりも彼らの方が圧があるように見えるのは周りの完成のせいなのかその圧みたいなのが実力と言われる物なのか。判断できないでいたが彼らは周りの行列を気にせずにそのままダンジョンの中に入って行った。


 「・・・凄かったな。周りの人達も全然減ってないしもしかして出て来るまで待っているつもりなのかな」

 「もう少ししてから中に入りましょう」

 「そうだね」


 それから10分ぐらいしてから俺達は入って行った。若干周りの人達がこっちを見ていたのだがさっきの熱気とは違い踏破する冒険者ではないと思ってかカメラを取っている人もあんまりいなかった。



 ダンジョンの中はいつも通りの洞窟であり道があっちこっちに広がっているが今回の自分達はダンジョン踏破が目的なので冒険者協会から1~9層までの地図を買い10階層のボスの情報も入手済みだ。

 今回倒すボスはゴブリンチャンピオンであり。特徴は3メートル近い大きさであり戦斧を持っているとの事だ。アニメや漫画なんかでゴブリンは結構聞くことがあるが大体弱いイメージがあるのだがこの世界では考える頭があり尚且つ人型であるがために攻撃しずらいと言ったことで10階層を踏破できない人が出るんだとか。


 「知能がある敵というのは相手の嫌がる事もして来るからな。ただの獣とはわけが違う」


 1~9層で出て来るのは獣型の魔物であるために動きは単調でも考える頭があるだけで戦い方は大きく変わるとエリカは教えてくれた。今回は消耗を避けるために魔物がいない道を歩いて行く。のだが


 「うわああああーー!!」


 誰かの悲鳴を聞き自分達はすぐにその現場に向かうと3人組を助けるように星の開拓者のパーティーがその場にいた。


 「誰だ!」


 リーダーと思われるアークがこちらに剣を向けてくる。


 「ま、待ってください!?」


 いきなり剣を向けてきた相手もこちらを視認して剣を収めてくれた。


 「す、すまない。この冒険者達が襲われていたから勘違いしてしまって」

 「そうだったんだ。自分も悲鳴が聞こえたからここまで来たんです。何があったんですか?」


 他のアークという人物のパーティーは倒れている冒険者を集めていた。


 「はぁー、クッソ弱いくせにこいつら回復薬も持ってねえぞ。おいアークどうすんだ・・・ってそいつも例の奴等か」

 「いや、関係ない冒険者だよガイ。でも困ったな」

 「・・・本当に何があったんですか?それに回復薬を持っていないって・・・」


 装備は武器だけ買ったと思われる。話を聞くと回復薬や防具を買うお金がなかったけどさっきいた団体について行けば10階層を踏破させてくれると言われてついて行ったとの事だ。


 「は、要は弾除けに使われたってことか」


 ガイ吐き捨てるように事実を言った。確かに彼らからは魔力を全く感じない。身体強化魔法さえも使う事ができないだろう。

 そんなことを思っているとガイという獣人はさっさと先に進もうとしていた。


 「ガイ!どこに行くつもりだ!」

 「ああ、先に行くに決まってんだろ。雑魚が何処でくたばろうが俺達には関係ねえからな」


 そう言って先に進んでいってしまった。


 「ガイ!そんな言い方ないじゃない!」

 「はぁー」


 カロンという小柄な女性が声を上げて止めようとするが全く止まらず先に進んでいくガイをみてココと呼ばれる女性も溜息を吐いた。


 「あの・・・すいませんがこの方たちを外まで連れて行ってはくれないでしょうか」

 「え、それは構わないけど」


 アークは一人で行ってしまったガイが気がかりでならないらしい。相当な自信家だろうし精鋭揃いのクランの新米なら問題ないと思うけど


 「構わないよ。この人達を入口まで連れて行くから彼を追っていきな。下手したら一人でボス戦もしそうな子だし」


 歳的にも10代の危なっかしい年ごろだしな。


 「ははは、流石にそれはない・・・と思いたいな・・・」

 「「いや、ガイならやる」」


 アークの頼りない返事に女性陣二人がやると宣言してしまった。


 「それなら早く追いかけな。こっちは心配いらないから」

 「すいません。ありがとうございます」


 アークが一礼してガイを追いかける。他の二人もそれに続いて追いかけていく。


 「・・・・・・」

 「ココ!早く追いかけよう!」

 「わかったー」


 こちらを見ていたココが仲間に声をかけられてそちらに向かって行った。

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